縮毛矯正とは?現役の美容師がわかりやすく解説します【基本情報からメリット・デメリットも】

縮毛矯正とは?現役の美容師がわかりやすく解説します【基本情報からメリット・デメリットも】

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「朝起きた時の髪の広がりをなくしたい…」「湿気で爆発しない艶髪になりたい…」くせ毛に悩む多くの人々にとって、綺麗なストレートヘアに一度は憧れを抱くものですよね。
そんなお悩みを解消できるのが”縮毛矯正”です。

縮毛矯正は、一度の施術で頑固な癖毛もサラサラストレートにできます。しかし、初めて縮毛矯正をする時は、自分の髪が本当に縮毛矯正に向いているのか、どんな方法が合っているのか、その後のケア方法など、わからないことでいっぱいです。

この記事では、現役美容師の盛(サカリ)が、縮毛矯正についての基本から注意点、メリット・デメリット、そして美しいストレートヘアを長持ちさせるためのケア方法を紹介します。縮毛矯正に関するあなたの疑問を解消し、美しい髪への第一歩を踏み出すきっかけになるよう、本音で徹底解説します!

解説するのは…

盛(サカリ) / ママ美容師ライター
Profile
盛(サカリ)

ママ美容師ライター

山形出身・在中のフリーランスママ美容師。現役で美容師をしながら美容師専門のWEBライターとしてさまざまなメディアで執筆。縮毛矯正だいすき。

Contents

縮毛矯正とは?

@sachi.hoshi さんの投稿

縮毛矯正とは専用の薬剤とストレートアイロン技術を用いて、髪の毛を直毛に変形させるパーマ技術の一種です。

主に、髪のうねりや広がり、天然パーマ等のクセ毛によって扱いにくさを感じる方がクセ毛での悩みを解決するために行います。

クセの悩みや強さには個人差があるため、全体的に施すもののみならず、前髪などの部分的に施すパターンもあります。

基本的な縮毛矯正のやり方

縮毛矯正は基本的に

パーマ薬液で髪の内側の結合を一度切り離す

(薬液を流す)

乾かして、ストレートアイロンで真っ直ぐに伸ばす



別のパーマ薬液で固定する

このような工程で行われます。

最初の薬液に熱処理を加えるため、強いクセも伸ばすことができます。そして、伸ばしたところは半永久的に真っ直ぐな状態でキープされます。

また、一般的に「ストレートパーマ」と呼ばれるメニューは、アイロンの工程がないので、縮毛矯正より緩やかにクセを伸ばしたり、パーマを取る時に使われます。

縮毛矯正のメリット

強いクセ毛もしっかりストレートに

@sachi.hoshi さんの投稿

クセの強さと結合の強さは比例します。でも、その強さに合わせて薬の強さも選定しますので、強いクセでもしっかり真っ直ぐに伸ばすことが可能です。

波状毛と呼ばれるウェーブ状のうねるクセだけでなく、チリチリ・ザラザラした捻転毛縮毛も伸ばしてなめらかな手触りのストレートヘアに生まれ変わることができます。

また、近年では不自然な真っ直ぐさを軽減した仕上がりやクセを活かす部分は残したりして部分的に施術することも可能なので、希望のスタイルはぜひ担当の美容師さんに相談しましょう。

スタイリング時間の短縮

@coya_colette さんの投稿

縮毛矯正を行うと、毎朝のスタイリングにかける時間がかなり短縮できます。

クセがあるとアイロンやブローで時間がかかっていたところも、前日に乾かしただけで翌朝は軽くくしを通すだけでサラサラになります。毎朝のスタイリングがとにかく楽になるのは最大のメリットと言えるでしょう。

梅雨や湿気の多い日でも髪がまとまりやすい

@coya_colette さんの投稿

せっかく朝アイロンで伸ばしても、湿気が多い日や汗ばむ季節はすぐに髪のうねりやクセが戻ってしまうと、出かけるのも気乗りしませんよね。

縮毛矯正を行うことで、髪の表面から湿気や水分を入り込まないようにすることも可能です。

そうすることで、一日中まとまった髪をキープすることができます。

縮毛矯正のデメリット

コストの高さ

魅力的なメリット満載の縮毛矯正ですが、工程数や時間がかかる施術であるため、カットやカラーに比べると金は高額の設定の美容室が多いでしょう。

また、時間も平均して3〜4時間前後の施術時間なので、縮毛矯正を行う日にちは前もって確保しましょう。

ヘアダメージのリスク

強いクセを伸ばす薬液、高温のアイロン施術など、髪にとっては負担のかかる工程が多い縮毛矯正。

見た目や手触りが滑らかな髪質になるので、あまり傷んだように感じにくいですが、実は髪に受けるダメージは大きいんです。同時にトリートメントもメニューに組み込んだり、ホームケアも併用して対策しましょう。

新しく生えてくる髪との境目の問題

新しく生えてくる髪はもともとのクセ毛ですから、伸びてくると縮毛矯正をしてストレートの部分と境目が目立ちやすくなってしまいます。

クセが強ければ強いほど、この境目が目立ちやすく、気になってしまい短スパンでかけ続け、縮毛を辞めたくても辞められないというループに陥ってしまう場合も。

縮毛矯正を行う強さの調整をして、あまりストレートに伸ばし過ぎないようにすることも可能なので、担当の美容師さんと相談しましょう。

縮毛矯正が向いている人、向かない人

あなたは縮毛矯正に適している?

近年、薬液や美容師の技術向上によりこれまでかけられないような強いクセ毛でも、ストレートに伸ばせる場合が多くなってきました。ただ、縮毛矯正は美容師の知識と技術の差がかなり出る技術です。

美容師皆があなたの理想的な縮毛矯正をできるわけではないことを理解した上で、SNSや予約サイトで縮毛矯正を得意としている美容師さんにお願いするのが失敗を回避できる大きなポイントです。

@sachi.hoshi さんの投稿

こんな人は縮毛矯正を避けるべき

一般的な美容室では、ハイダメージセルフカラーブリーチをした履歴が見受けられる場合は縮毛矯正ができないケースが多いです。

また、一度行うと半永久的にかけたところはストレートなので、頻繁に髪型を変えたい方にはおすすめできません。

クセの強さにもよりますが、平均して3〜6か月に一度かけ直しのメンテナンスが必要ですので、継続して美容室に通えない方も縮毛矯正は避けておいた方が無難でしょう。

縮毛矯正後のケア方法

シャンプーは今までと同じでいいの?

手触りや見た目が艶やかになるのでダメージしたようには感じられませんが、実は縮毛矯正をした髪には大きな負担がかかっています。

髪の内側の結合を切り、高温のストレートアイロンでプレスしているわけですから当たり前ですよね。

ですから、普段使用するシャンプーやトリートメントも「ダメージケア」や「熱ケア」のものに切り替えましょう。カラーもしている場合はさらに負担がかかっていますので、市販品ではなく担当の美容師さんのおすすめのシャンプー・トリートメントを使用しましょう。

日常のケアを怠らない

縮毛矯正をかけた後も、日常のケアは必須です。なるべくストレートアイロンやコテの使用は控え、使うとしても低温に設定しましょう。

髪の主成分はタンパク質です。タンパク質の代表格である、卵も熱を加えれば固まりますよね。それと同様に、髪も熱を与えすぎてしまうと固くなる性質があります。

そして卵が加熱により固くなったら二度と元に戻らないのと同じように、固くなった髪は柔らかく戻りません。縮毛矯正でも熱処理を行っているので、毎日のスタイリングではアイロンやコテ、ブローの頻度は少なめを心がけましょう。

よく聞かれる
縮毛矯正のあれこれ

縮毛矯正とヘアカラーは同じ日にできる?

縮毛矯正とカラーリングでは、主にアルカリ性の薬剤を使用するのが一般的です。アルカリは、薬剤を反応させるためには必要な成分です。

ですが、毛髪がアルカリに傾くとダメージを引き起こしてしまいます。縮毛矯正とカラーリングを同日にすることで、毛髪がさらにアルカリに傾いてしまうためダメージが倍増してしまいます。

また、工程順番によってはクセの伸びが甘かったり、カラーが色落ちしてしまったりして、どちらか一方の仕上がりが悪くなってしまう可能性も。工程数が増える分だけ滞在時間も長くなってしまうので、できれば別日で行う方が良いでしょう。

市販の縮毛矯正剤を自分で使ってもいい?

縮毛矯正は見た目以上に、髪の内部に大きな負担がかかる施術です。

事前の毛髪診断を見誤ってしまうと、クセが伸びないどころかチリチリになってしまったり、ちぎれてしまう可能性も高まります。正しい知識がない一般の方にとって、毛髪診断はかなり難しいでしょう。

また、薬剤を塗るスピードや塗布量にも個人差がありますので、使用方法通りにやったとしても、同じような効果や仕上がりになる可能性は低いです。

美容室での仕上がりとはかけ離れたものになってから美容室に駆け込んだとしても、完全に治ることはほぼ不可能だと思った方が良いでしょう。

価格や手軽さに惹かれることもあるかと思いますが、美容師からすると市販品での縮毛矯正剤は、満足いく仕上がりになる確率は極めて低いと言えます。

まとめ

一見かんたんなようで、奥が深いのが縮毛矯正です。その技術は、日進月歩で薬剤や技術のレベルが上がり続けています。

そのため、美容師さんによっても知識と技術の違いで仕上がりの差が出てしまいます。失敗したくない方は必ず、縮毛矯正が得意な美容師さんにお願いしましょう。

綺麗な仕上がりの縮毛矯正は、自身の髪とは思えないほどツルツルさらさらな指通りで感動しますよ!

印象が変わるのはもちろんですが、朝のスタイリングもとても楽になりますし、綺麗な髪は自信にも繋がります。些細なことでも不安なことは美容師さんに相談し、理想のストレートヘアを手に入れましょう!

サカリ
執筆者
サカリ

美容師ライター。二児の母。

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