メンズも《2wayバング》がくる! ひと味違うセンターパートショートのつくり方【COA小西恭平】

メンズも《2wayバング》がくる! ひと味違うセンターパートショートのつくり方【COA小西恭平】

211

男性だってシーンや気分によって雰囲気を変えたいもの。今回は『COA』小西恭平さんにメンズの満足度が高まる、2wayバングのつくり方を教えていただきました。似合わせカットのポイントが盛りだくさんです!

写真/MISUMI

Contents

ON -OFF楽しめるメンズの2wayバング

OFF:爽やかなシースルーバング

カットを生かしてナチュラルに下ろす。

ON:色気溢れるセンターパート

ドライヤーの風を使ってかき上げ、オイルでスタイリング。

2wayバングで満足度アップ!

スタイリング次第で2パターン以上の前髪デザインが楽しめる2wayバング。女性の前髪デザインではもう常識!…ですが、最近ではメンズヘアでもこのアプローチが人気になってきています。

特に提案しやすいのが、メンズヘアの主流のひとつでもあるセンターパートショート。

小西恭平

僕のメンズのお客様はどちらかというと中性的な雰囲気の方が多く、センターパートにする人もかなり増えてきています。なかでも日によって雰囲気を変えたいという人に喜んでもらっているのが、2wayバングです。

シースルーバングをつくっておくことで、下ろしても流しても楽しめるスタイルがつくれます!

【カットプロセス】
2wayなセンターパートショートのつくり方

今回は『COA』のアシスタント、伊藤達也さんがモデルに。もともとセンターパートではありますが、かなり伸びているビフォアを見ながら、なりたい雰囲気をヒアリングしていきます。

ビフォア

ビフォアは、えり足長めのセンターパートショート。3ヵ月以上切っていないこともあり、ウェイトが落ちてゼッペキに見えるフォルムに。

小西恭平

今回は前髪が2wayになるようシースルーバングをつくり、ウエイトを高めに設定し直していきます。

メンズらしくて、エモさもあるスタイルにしていこう!

フロント〜サイド

(1) スライスの角度をゆるやかにしていきながら表面まで切り進む。
(2) サイドは斜めスライスでとり、パネルを床平行よりやや低めに引いてバングとつなげて切る。
(3) スライスの角度をゆるやかにしていきながら表面まで切り進む。
小西恭平さん

ウエットカットの時点ではバングは長さの設定のみ。シャンプー後、ドライでシースルーバングをつくっていきます。

バック

(4) 耳後ろからは縦気味の斜めスライス、セイムよりもやや角度を上げてレイヤーカット。
(5) ウェイトを上げたいため、指1本分エレベーションをかけ、表面まで切り進む。
小西恭平さん

スライスの取り方とパネルの角度は、えり足に長さを残すのが目的です。ウェイトは上げますが、えり足は長めに残したスタイルにしていきます。

メンズヘアのポイント

バックを左右から切った後、耳下をチェックカットを行う。縦スライスで引き出し、出てくる角をとる。ダイレクションをかけて左右同様に切り進む。
小西恭平さん

ポイントはバックセンターに向かってダイレクションをかけて切り進むこと。

前下がりになり、えり足の際に角が残ってメンズらしく仕上がります。えり足の際の角を切り落としてしまうと丸みが出て、女性らしくなってしまうので気をつけましょう!


顔まわりレイヤー

(6) サイドはツーセクション。アンダーにダウンカットでレイヤーを入れる。顔側にコーミングしてカット。
(7) 次に、同じ場所を後ろにコーミングしてカットする。
(8) さらにパネルを上げてハイレイヤーを入れ、タイトに仕上げる。
小西恭平さん

もみあげに浮きやすいクセがあるので、刈り上げではなくレイヤーでサイドの内側をタイトに締めます。パネルを上げないで切る「ダウンカット」は不要な厚みが出ないので、顔まわりを切るときにはおすすめです。

なお、耳の位置が低い人は面長に見えてしまうので、顔型を補正するためにも必ずこのレイヤーを入れています。耳位置が高い人にはしなくても良い工程です。


ドライカット

(9) 奥行き2センチの三角セクションで前髪の1線目を分けとり、センターに集めてカット。これがシースルーバングになる。
(10) 後の髪はウエットカットと同じ角度で分けとり、毛束1/3の深さでチョップカットし、ライン感をぼかす。縦気味にハサミを入れる。
(11)頭の丸みが強くなる次のパネルからは「ツイストレイヤー(※1)」でチョップカット。耳上まで同様に切り進める。
(12) バックは前下がりスライスで分けとり、チェックカットで角をとる。サイドとの境目まで切り進む。
(13) 最後に表面をチェックカット。引き出すと角ができているのがわかる。
(14) 切り口がラウンド状になるように角をとった状態。
小西恭平さん

直毛や髪質が硬い方には、チョップカットでやわらかい質感をつくっていくことが多いです。サイドやフロントにはセニングをほとんど使わないようにしています。

【ツイストレイヤーとは】

パネルをひねってからレイヤーを入れるテクニックのこと。ひねることで頭の丸みが反映されて、コンケーブ状に深くレイヤーを入れられます。小西さんの代名詞ともいえる「リフトレイヤー」でスタイルをつくる時にも欠かせないテクニックです。詳しくは書籍『令和のレイヤー完全攻略本』(COA・著)にて解説!


切り上がり


仕上がり


スタイリングチェンジもかんたん!

シースルーバングを下ろしたスタイルは、ストレートアイロンで根元を立ち上げ、毛流れを後ろに流すだけ。

前髪を上げてセンターパートにしたスタイルは、ドライヤーの風を使って前髪を根元から立ち上げて、手ぐしで後ろに流して仕上げ。オイルで色気のあるウエットな質感に仕上げています。

シースルーバングの2wayは中性的な男性におすすめ

小西恭平さん

今回提案させていただいたシースルーバングを使った2wayバングは、肌色が明るく、中性的な雰囲気の方が似合うデザインです。

肌色が濃い方はシースルーでバングをつくると陰になって顔色が沈んで見えてしまいます。そういう方には、逆に重めの前髪でしっかりコントラストをつくるパターンがおすすめです。



メンズのヘアデザインが多様化を見せるなか、2wayバングの需要はこれから高まっていきそうですね。

今回、小西さんに教えてもらったシースルーバングの2wayを皮切りに、いろいろなデザインパターンの提案を用意しておくと良いかもしれません。

小西恭平/こにしきょうへい / COA(コア)代表取締役社長/東京都中央区
Profile
小西恭平/こにしきょうへい

COA(コア)代表取締役社長/東京都中央区

1988 年生ま れ。国際文化渋谷校出身。都内有名サロン勤務後、 2021 年 10 月『 COA GINZA 』オープン。現在、株式会社 COA 代表取締役社長。 雑誌・ 広告撮影、テレビ・広告出演、セミ ナー活動など、サロンワークを中 心に幅広く活躍。 の総フォロー SNS 数は約 55 万人。年間個人売り上げ 1 億 2000 万円を達成。本書内で解説する「リフトレイヤー」「ツイストレイヤー」の生みの親。

ボブログ編集部
執筆者
ボブログ編集部

成長し続ける美容師のための髪書房ウェブメディア『ボブログ』。これまでにないスピードで変革する時代に必要な情報【パラダイムシフトの芽】をいち早く見つけ、掘り下げ、新しい常識を提案します。

Prev

Next