「インボイス、どう対処する?」フリーランス美容師は戦々恐々!?【免税と確定申告】

「インボイス、どう対処する?」フリーランス美容師は戦々恐々!?【免税と確定申告】

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10月1日から、インボイス制度が施行されました。

読者の皆さまにはフリーランス美容師も多くいらっしゃるでしょうし、月収、年収に影響することが予想されています。

一方で会社員美容師にとっては馴染みがなく、「インボイスって何?聞いたことはあるけど」程度のことかもしれません。

制度は数年のうちに段階的な処置がなされる、とのこと。今のうちに理解しておきたいし、間違えたら法律違反になっちゃう?不安がいっぱいのインボイス、貴方はどう対処します?

◾️そもそもインボイス制度って何?

僕は法律のプロではないので、ここで詳しい解説はしません(というか、できないのです)。代わりに、ChatGPTさんに端的に解説してもらいましたので、添付しておきます。こちらも正確かどうかは判断できませんが。

因みに「インボイス(invoice)」は英語で「送り状(請求書)」という意味だそうで、「内なる声」ではないそうです。制度と名前が紐付きにくいから、ちょっと覚えにくいですよね。

僕の認識では、「個人事業主は今まで消費税分が免除されていたから、これからはちゃんと支払ってね」という解釈です。

GPT3.5さんの回答。これで伝わりますか?↑

簡単にいうと、適格請求書(インボイス)とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるもののようです。

▼フリーランス美容師にとって、インボイスは寝耳に水?

「売上の消費税分が無くなるのか!?」と考えると戦々恐々ですが、ここ5〜10年の間にフリーランスを選択した方々にとっては、寝耳に水の話ではないはずです。制度は急に決まった訳ではなく、前々から始まることが予告されていました。

ですので、「詳しくはわからないけど、少なからず今後そうなるらしい」と把握していたことかと思います。

個人事業主にはインボイス番号の早期取得が推奨されていますが、手続きを行うための数年の猶予期間があります。

▼インボイスは、最近なんで話題なの?

僕自身は「そもそも免除されてきたものなので、キッチリ納税しなければならないのは仕方がない」といった考えですが、「免除されてきた低所得者層が大打撃を受けるのでは?」という心配の声も広がっています。

関心が高いためSNSでも以前から多く上がっていましたが、「再生回数」を稼ぐために過剰に煽る文言やサムネも目立ちます。ですが、ここにきて自民党の裏金問題が明るみになっていることから、「庶民はきっちり納めなきゃいけないのに、政治家は脱税かよ!?」ともっぱら非難する引き合いの材料に出されているようです。

そういった煽りを受けて、民意を拾って撤廃を求める野党の主張も強く、現在に至るまでデモ活動が行われるなど、施行された今も議論の対象になっています。

◾️インボイスが始まって、現場レベルで変化はあった?

とはいえ、日々営業をする美容師の現場レベルでは、実生活に変化はありません。

今のところ、「お店のTから始まるインボイス番号」が領収書記入に追加された、という程度です。

僕の勤める美容室の領収書は手書きなのですが、番号は13桁もあるので「書き写すのが大変だな」と思っていたところ、会社から早々にハンコが作成されました。これならポンっと押すだけなので、影響なし。

そして、日常的に領収書をもらう場面でも相手の番号が必要になるようですが、僕は副業でも個人・法人問わず仕事のやりとりをほとんどしていないからか、コチラも意識したことはありません。

大変なことと言えば…

大変なことと言えば、今年に入ってから副業の取引先からも必ず番号を聞かれるようになりました。

体感では、仕事の依頼が個人ではなく企業の場合は、確実に必要になっています。今後は「持っていない」かつ「今までと同額の報酬」を求めると、仕事が破断する可能性もあるようです。

また経理のお仕事をされる方々は、領収書の精算で番号があるかないか確認したり、取引先が課税事業者かどうかを確認する必要があるため「仕事が増えてヒーヒー言っている」と伺っています。確かに大変そう。

◾️フリーランス美容師の確定申告と、経費のやりくり

我々フリーランスにとっては、3月に確定申告を終えなければならないので、これからが本番と言ったところ。

フリーランスは自由であると同時に、自己管理の重要性も高くなります。「自分でお金の計算とかしなきゃいけないから」と、フリーランスという選択に二の足を踏んでいる美容師さんもいるようです。

もちろん「お金に強い」に越したことはないのですが、どんぶり勘定で「お金にめちゃ弱」な僕はこう対処しています。

僕は今年も、自分で確定申告します

僕は平凡な街の美容師ですので、税理士さんに頼ることもなく、自分で確定申告しています。

経費などの帳簿は、確定申告ソフトをサブスクで利用しています。僕はポチポチ打ち込むことは得意ですが、溜まった領収書をテーブルに広げてパソコンと睨めっこする日もあるほど、作業はそれなりに時間がかかります。

ですが、一般的な美容師さんはExcelなどでの事務作業に慣れていない方も多いでしょうし、「これは雑費。コッチは交際費。」と仕分けするのは大変かもしれません。

慣れない事務作業で、必ずこうなる↑

免税手続きめんどくさっ。対象になるあれこれ

また「医療費控除」や「ふるさと納税」など、チマチマお得になる免税の制度を駆使していますが、これらは手続きがめんどくさい。免税できる項目は事前にチェックして、見逃さないように記入するのですが、「これには〇〇の書類が必要」などが多く、その名前も難解なのです。

そして、もれなく「知ってたら得するけど、知らなきゃ損するだけ」というスタンスなので、自分がちゃんと網羅して提出できているのかも、はっきりしません。

赤ペン先生にでも修正されたいのだが…

僕の一番の確定申告に対する不満は、正しくできたかどうかが判然としないことです。

これまで訂正の連絡一つ来ることはなく、これまでに3回申請した確定申告も「コレで合ってるのか?」と疑心暗鬼なまま。確定申告は「赤ペン先生の答え合わせ」が帰ってくることがないのです。

なので僕の感覚としては、「確定申告ソフトに頼ってやれることをやっている」というのが正しい。そのため、あまりいい考えではないかもしれませんが、「税務署から指摘を受けたら従えばいいかな?」と捉えています。そのために一応、3年分の領収書などの書類は捨てずに置いています。

面貸しは材料費のやりくりが必要

フリーランス美容師の場合、会社員の頃よりも毎月の取り分は前後しやすく、特に繁忙期、閑散期は大きく差が出ます。そのため、経費の管理は自分の手取り分に大きく関係します。

特に、面貸しの場合は材料費を自分で調達することも多いです。ECサイトによって発注は簡単ですが、上手に在庫管理しないと使わない薬剤が増えたり、モノにこだわりすぎると材料費はどんどん膨れてしまいます。

▼経費は、どこまで経費?【お洋服は計上できない?】

その他にも経費は自己負担になってくる為、節制できる方が利益率が上がります。もちろん、実際に営業で使わないモノを経費に換算すると「脱税してる」ということになります。

この「経費かどうか」の基準は曖昧になりがちですが、「説得力があるか」という事だと認識しています。

例えば僕はライターなので、一般的なフリーランス美容師よりも広い幅で経費に計上しています。ライターは材料費こそかからないものの、書くのに必要なガジェット類、資料を集めるための書籍や、Wi-Fi環境のあるカフェで執筆することも多いので、コーヒー代も計上しています。

そして、フリーランス美容師の間でよく話題に挙がるのが、お洋服。「仕事で着用するのだから」と衣装代として計上するのですが、どうやらグレーゾーンのようです。「プライベートで着る服」とも受け取れるため、「制服」ではないモノは私的利用になってしまうのだそうです。

◾️今は、座して待つのみ!

インボイスはこれからどうなるか、まだまだ体験しないとわからない段階です。

今後は、SNSを中心にあらゆる業界の個人事業主の事例のお話が出てくるでしょうから、参考にしながら僕たちはやれることをやって、座して待つのみ!ですね。

操作 イトウ
執筆者
操作 イトウ

東京都二子玉川を拠点にする30代美容師。 『ヘアスタイルはロジックで美しく、カッコよくなる』『ステキな美容師さんに出会ってほしい』をメインテーマにしたブログをnoteにて執筆。2020年から文春オンラインでの連載を開始、CREA等のwebメディアで定期掲載。

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