今回もカラーのトラブル解決をお届けします！
テクニックを教えてくれるのは、前回に引き続きこの方です！

『CANAAN表参道』の立石純也です！
よろしくお願いいたします！

早速なのですが、今回はどんなトラブルなのか教えてもらえますか？

「透明感のあるシルバーグレー系にしたかったのに、紫になってしまった」
というケース。
これをシンプルな方法でお直しするテクニックを紹介したいと思います！

紫をグレーにお直しするんですね。
色の印象が結構違うから、大変そうって思っちゃう。

ご心配なく！
百聞は一見にしかずですので、早速やっていきましょう。

基本、使うのは「クリアとライトナー」だけ。
これで濃く出ている紫を薄くすればほぼOKなんですよ。

紫みを取ってあげればいいってことなんですね？
だとしたらライトナーよりも、
脱染剤やブリーチを使ったほうが早そうな気もします。

確かに「色を抜ききる」となるとパワーが強いほうが効果的だとは思います。
ただし、グレーに見せるためには、紫みは適度に残す必要があるんですよ。

なのでライトナーをクリアで薄めて、あえてパワーダウンさせているんです。
ミックス比率は「クリア：ライトナー＝3：1」がおすすめですね。

そしてここがポイントなのですが、塗布したら、こまめに色をチェックします。
さっきも言ったように、グレーの表現には適度な紫みが必要なので
最適なタイミングで流すことが大切になります。

放置が終わって流した状態ですね。
なんとなくまだ紫っぽく見えるんですけど…。
これはOKなんですか？

はい！　紫みがまだ残っているこの感じ、かなり良いです！
この時点で完全にグレーに見えているとちょっと抜き過ぎで、
すぐベージュ系に褪色してしまうんですよ。

これを「炭酸シャンプー」で微調整すれば、バッチリだと思います！

シャンプーで調整するんですか！
確かに毎日のシャンプーで褪色はするわけだから、意外だけど納得かも。
まさか…これから30回シャンプーするとか…？

……さすがにそれは無いです（苦笑）
炭酸シャンプーには、ほんの少しの紫み程度なら
落とせるくらいの洗浄力があるんですよ。
もちろん濃い紫は落とせないので、
最後の微調整をするサポート役という位置付けですね。

さて、これでお直し施術は完了です！

キレイなグレー系になりましたね！
紫みを抜いただけなのに、不思議です。

ブリーチ毛ベースの場合、グレーやシルバーにするには
アンダートーンの黄色みを、反対色である紫でくすませる必要がありますよね。

今回のケースは、過剰な紫みを抜くことで、
髪に残っている黄色みとのバランスを合わせた
とイメージすると分かりやすいんじゃないかと思います。

ちょっと振り返ってみたいんですけど、
そもそも紫になってしまった原因って何だったんですか？

その点に関しては、近年よく使われている「混色カラー剤」の
特性にあるのかなと思います。
トラブル例としてつくったこのウイッグも
その手のシルバー系カラー剤単品で染めたものなんですよ。

ということは、紫のカラー剤をミックスしたわけじゃなかったんですね。

シルバー系のカラー剤には、もともと紫が入っていることが多いんです。
今回のベースは18レベルのブリーチ毛で、髪の黄色みが少ない状態ということもあり
カラー剤に含まれる紫みが強く出過ぎてしまったと考えられます。

紫に振られやすいベースは大きく分けて2つ。
今回のような「①黄色みが少ないハイトーン毛」と
「②残留色素によってそもそも黄色みが打ち消されている髪」です。

紫にせずに、1回でグレーやシルバーにするにはどうすればいいんですか？
さすがに毎回お直しするわけにもいかないですし…。

ベースによっては、混色カラー剤の単品使いでOKな場合もあります。

ただし、今回のような黄色みが少ないベースに対しては
各カラー剤のベーシックラインを活用するのが良いですね。
アンダートーンや残留色素に合わせた対応ができますし
中長期的に見れば、履歴の把握もしやすくなりますよ！

素材状態に合わせて色味をセレクトしてあげることが大事なんですね！

立石さん、ありがとうございました！
次回は「ペールグリーンを狙ったら青緑に…」をお直しするテクニックを
教えてもらうので、どうぞお楽しみに！