「美容師はすぐ浮気する?」今も美容師は“3B”の1つなのか?

「美容師はすぐ浮気する?」今も美容師は“3B”の1つなのか?

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現役フリーランス美容師の、操作イトウのコラム連載。
「街の美容師さん」目線で、業界のエトセトラをお話していきます。

みなさんは、「付き合ってはいけない3B」をご存知ですか?

これは『男性を恋愛対象とする場合に「付き合ってはいけない」と懸念される「3つの職業」を表したフレーズ』のことです。

そしてその職業の一つには、美容師が数えられています。

もはや、令和にこの価値観は反映されていないかもしれませんが、ピンと来ない20代の方々でも、「美容師と付き合ってる」と聞いたお母さんからはチクチク言われるかもしれません。

ではどうして、美容師は「付き合ってはいけない」と言われるほど印象が悪いのか?

※今回のお話はその内容から一部、下世話な内容も含まれますのでご容赦ください。

3Bという言葉はいつ生まれた?

まず「付き合ってはいけない」とされる職業は、その頭文字から「バンドマン(Bandman)」「バーテンダー(Bartender)」そして「美容師(Biyo-shi)」と表されます。

僕は一介の美容師なので、いつからこの言葉が存在するかは判りかねますが、30代後半の僕自身も中高生ぐらいにはこの言葉を認識していましたし、世間一般にも広く理解されていた印象です。

この「付き合ってはいけない」という価値観と職業を鑑みると、おそらくバブル期の前後に広まった言葉だと推測します。

当時は、多くの女性にとって「結婚し、子供を産み育て、専業主婦になって家庭を支える」ことが一つの幸せのロールモデルでした。

そのため、人生の伴侶探しは重要なタスクです。

失敗したくないし、それ次第では苦労する、という道筋が見えていたのでしょう。

要は、3Kを引き合いに出した皮肉

似た言葉に「付き合うべき3K」があります。

こちらは「高学歴、高収入、高身長」とされ、「学歴=これまでの経歴」「収入=今の実績」「身長=見た目」のステータスが揃うと「自慢の彼氏/夫」と呼べるものだったようです。

当時の若い女性たちからすれば、「低学歴、低収入、低身長」は論外!みたいなことなのだと思いますが、加えて3Bは「それよりも厄介だから要注意!」という認識だと思います。

なぜなら、3Bは「見た目」が良かったり、ここに該当しない「人当たり」がよかったりするからです。

つまり3Bは、3Kを引き合いに出して「こんなチャラい男はやめとけ」といった皮肉の言葉なのです。

見た目“だけ”は好印象な美容師↑

美容師が「付き合ってはいけない」理由は…

一般の方からすると美容師は、女性への接し方が鍛えられているため、「口説くのも上手い」と解釈されています。

また、同僚にもお洒落でステキな女性が多く、女性と関係を築く機会が多いことから、「誘惑が多く、浮気の原因になる」として懸念されています。

そして、下積みが長い上に多くが「低収入」、「夜も遅く、休みが無い」などのマイナスイメージもあります。

3Bのそれぞれを一応解析すると…

そして3Bのそれぞれを一応解析すると、イメージとして共通するのは「モテる仕事」と認識されていることです。

ステレオタイプなサラリーマンよりも華やかで、アウトサイダー的な個性があり、女性へのコミュ力が高い上、ナンパがしやすい環境に身を置いています。

「見た目」も仕事のうちで、「モテたいから始めた」「カッコよくて、憧れてなった」という動機もかなり近いです。

それゆえ、3Bには女遊びする人が集まりやすく、それぞれに「女遊びも芸の肥やし」といった認識もあるかもしれません。

3Bは、令和の今も通用する?

そんな、世論から皮肉を受け続けてきた美容師ですが、3Bは令和の現代にも通用するのでしょうか?

働き方や美容師像も変化し、すでに実情とは乖離しているかもしれません。

例えばバンドマンは、今やラッパーダンスグループに置き換わったと言えるでしょう。

バーテンダーは、お酒を飲む若者自体が少ない傾向なので、若者にとって「憧れる」対象とは言えないかもしれません。

では、美容師はというと、あまり代替案が思い浮かばない…。

「女遊び」や「華やか」な印象として近い業種は、お笑い芸人やYouTuber、クラブが好きなウェイ系、といったところでしょうか。

実際、美容師は遊び人が多い?

では、現場の目線で男性美容師に「遊び人」が多いかと言うと、「正直、人による」といった印象です。

交際相手が「中、高生からのお付き合い」という同僚も珍しくないですし、一般職とさほど変わりはないのでは?と感じます。

ですが、職業柄の見た目やチャラい言動から、パブリックイメージは「遊び人」の方が強くなりがちで、そっちに引っ張られるのは仕方がないことです。

お客さまを「オトす」男性美容師

一方で、美容師は職業柄、女性を相手にすることが多いため、顧客を獲得するために「オトす」という感覚で接客する男性美容師は少なくありません。

美容師仲間からは、「『タイプの女性じゃなくても、おばあちゃんでも、自分が抱けるほどキレイにしろ』と先輩から指導された」と聞いたこともあります。

そういった価値観からも、3Bのイメージに拍車をかけているのかもしれません。

それもまた「仕事の流儀」

もちろん、この「抱けるほど」の言い方にはカドがありますが、「それぐらいの気持ちで仕事に取り組む」という表現です。

僕は違ったスタイルで仕事に向き合っているので共感はできませんが、あくまで「仕事観」として、男性美容師には一定数「仕事の流儀」としての「オトす」信仰が確実にあります。

そして、それによってお客さまの満足度や売上実績が伴えば、それは女遊びのイメージも含めた「スタイルの違い」ですから、否定することはできません。

実際、美容師の読者のみなさまにとっても、捉え方はさまざまなのではないでしょうか?

お客に「手を出す」美容師はいる?

もちろん、その人(遊び人)によっては「お客さまに手を出す」という事例も少なくありません。

その人の「貞操観念が緩い」というのは業界に限ったことではありませんが、そんな美容師は往々にして、人との距離を縮めるのが上手な方でもあります。

もちろん、お客さまと関係を持つことは「業界的に良くないこと」とされているので、「オトしても手は出さない」という方もいるはずで、多くは一線を引いて仕事に取り組んでいるのではないかと思います。

やっぱり美容師は
お客からのお誘いも多い?

とはいえ、人と人。美容師には職場でも、お互いに「出逢い」ですから、一概に悪いとも言えませんよね。

また「男性美容師はお客さまからのお誘いがあるか」についてですが、これも人によります。

美容師仲間からはそんなエピソードを聞くこともありますが、僕は誘われた覚えはありません。

僕に魅力が無いのか、ATフィールドが透けて見えているのか…、どうやら誘われないタイプのようです。

【余談】
女性美容師は誘いを断るの大変そう

対して、女性美容師はお客さまからのお誘いが本当に多く、常々、「角が立たないようにあしらうのは大変そうだな」と思います。

性格的に「断るのが苦手」な方は特に、「音沙汰なく、そして穏便に」済ませるのに苦労している様子が窺えます。

一般男性のお客さまからすれば、お洒落でステキな女性が親身に接してくれる場。女性美容師にそんなつもりはなくても、なかなか避けられないこともあるようです

なんでも3つに括ればいいってもんじゃない

いかがでしたか、美容師の3Bたりうる一端は洗い出せたんじゃないでしょうか。

そして今回、人は「3つに括って例える」のが好きなんだな、と考えていました。

3つにするとキャッチーで引力が強いので、今でもweb上ではサムネなどに多用されています。

これらは言い得て妙なこともあれば、トンチンカンなこともあって、引力が強過ぎて力技になってしまいがち。

なんでも3つに括ればいいってもんじゃないですね。

操作 イトウ
執筆者
操作 イトウ

東京都二子玉川を拠点にする30代美容師。 『ヘアスタイルはロジックで美しく、カッコよくなる』『ステキな美容師さんに出会ってほしい』をメインテーマにしたブログをnoteにて執筆。2020年から文春オンラインでの連載を開始、CREA等のwebメディアで定期掲載。

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