【コロナ】“本当にあった”雇用調整助成金の不支給ケースまとめ

【コロナ】“本当にあった”雇用調整助成金の不支給ケースまとめ

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1月22日、雇用調整助成金の特例措置等の延長が発表され、緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末まで現行措置を延長することが決まりました。

よって、緊急事態宣言が2月7日に解除された場合は、特例措置期間は3月末まで延長となり、申請期限は5月末日となります。

美容室サポートに特化した社会保険労務士であり、弊社より『本当にあった美容室労務トラブル39』を出版している船津和繁さんに、今回は“本当にあった”雇用調整助成金の不支給ケースをわかりやすくまとめていただきました。

これから雇用調整助成金を申請する人今後の発表に柔軟に対応できるよう備えておきたい人は是非ご参考ください。

本当にあった不支給CASE① 後回しにして、申請切れ

スタッフを休業させて、あとは助成金を受けるだけと安心していた。

状況が落ち着いたので、3カ月後に社労士事務所に休業の事実と申請について連絡すると、すでに期限切れだった。

《CASE①こうすればよかった!》

申請期限は、支給対象期間の最終日の翌日から2カ月以内です。これを過ぎると申請できませんので、申請期限を確認しましょう。

(例)スタッフを4/10〜4/30に休業させた場合

本当にあった不支給CASE② 緊急事態宣言と勘違い

緊急事態宣言時に雇用調整助成金の申請を行っていたが、解除後は行っていなかった。

2020年5月の緊急事態宣言解除後も客数が減っていたため、有給休暇でスタッフを休ませており、経営危機に瀕していた。

その後、緊急事態宣言中以外であっても雇用調整助成金が申請できると知ったが、すでに申請期限切れであった。

《CASE②こうすればよかった!》

緊急事態宣言期間以外でも、雇用調整助成金は条件を満たしていれば申請できます。今一度、雇用調整助成金の対象となる休業の内容について確認しておきましょう。

【雇用調整助成金の対象となる休業とは】

新型コロナウイルスによる影響で、直近月の売上高又は損益などが前年度同月対比で5%以上減少していることにより、事業活動が縮小して休業を選択した場合、雇用調整助成金の助成対象となります。

通常の雇用調整助成金では、前年同月比10%以上の減少が条件となるのが、緊急対応期間中は減少幅が5%に下げられています。

本当にあった不支給CASE③店舗を閉鎖したら受給できない?

売り上げ減少のため、1店舗を閉鎖。スタッフは他の店舗へ異動することにしたが、異動前に休業させた。

店舗を閉鎖したため雇用調整助成金の受給はできないと思っていたが、後で確認すると、このケースは受給できるということを知った。

《CASE③こうすればよかった!》

店舗を閉鎖して、スタッフを他の店舗へ異動させ、なおかつ休業する場合は、異動後の店舗のシフトを提出すれば雇用調整助成金を受給できます。

本当にあった不支給CASE④ 休業規模要件にひっかかって受給できなかった

当初、大幅な売り上げ減少で慎重に雇用調整助成金の申請を行い、その結果、受給できたことによって経営も落ち着きを取り戻した。

その後も少しずつ休業は続いており、申請を行っていたが、休業の日数と人数が足りなくなり、休業規模要件にひっかかり受給できなかった。

《CASE④こうすればよかった!》

【休業規模要件とは?】

所定労働日数の2.5%以上の延べ休業日が必要

(例)

・従業員20名

・月の所定労働日数20日の場合

対象労働者に係る所定労働延べ日数:20日×20人=400人日

休業等要件を満たす休業等延べ日数:400人日×1/40=10日

→ 月間で休業延べ日数10日以上が休業規模要件を満たすこととなります。

延べ日数10日以上とは…… 5人×2日、1人×10日、10人×1日など

本当にあった不支給CASE⑤ 時給者も休業補償が発生する

売り上げ減から、休業や時短を実施した。社員には休業補償を行った上で、助成金の申請の申請を行った。

しかし時給者はシフトを外せば給料が発生しないことからシフトを休業日に外すことを行っていた。しかし、その場合も休業補償が発生すること、助成金の申請が可能であることを後で知った。

《CASE⑤こうすればよかった!》

雇用調整助成金の対象者は従来は「雇用保険被保険者」ですが、緊急対応期間は「雇用保険被保険者でないものも含める」と決められています。

よって、正社員だけでなく、雇用保険に入っていないアルバイトやパートも対象となります。

本当にあった不支給CASE⑥ 休日の管理ができていなかった

各店舗で休業や時短などを実施した。しかし、休業日や時短などの周知徹底を店長に行わなかったことから、結果として出てきた出勤簿の欠勤が、有給なのか? 時短なのか? 休業なのか? 欠勤なのか? 特別休暇なのか? わからなくなり取りまとめに時間がかかることに……

《CASE⑥こうすればよかった!》

日頃からシフトや勤怠管理をしておくことが、いざというときの備えになります。

本当にあった不支給CASE⑦ 休業中の教育訓練。出勤簿に「出勤」と記載していた

休業を行った上で、教育訓練を行えば、休業補償に加えて教育訓練加算が受給できると知り、実際に行った。

しかしスタッフは教育訓練中、出勤簿に出勤と記載してしまった。

結果、申請を行った際に休業とも時短ともとられず出勤ととらえられてしまい、休業補償も、教育訓練加算も受給できないことに……。

本当にあった不支給CASE⑧ 訓練時間が不足していた

休業中に訓練を行うことにした。教育機関のパンフレットに書かれてあったことから、受給しながら1日2時間の教育訓練コースを申し込んだ。

その後、休業補償と教育訓練加算を申請したが、教育訓練加算が受給できる条件が1日3時間以上だと知り、受給できなかった。

《CASE⑦&⑧こうすればよかった!》

休業期間中の教育訓練は「出勤」扱いになりません。

訓練時間を出勤簿に記載する必要があります。

なお、教育訓練は1日3時間以上で所定労働時間未満である必要があります。

【雇用調整助成金の対象となる教育訓練の注意】

①カリキュラム作成(教育訓練協定書が必要)

②訓練時間を出勤簿に記載(3時間以上の訓練が必要)

③レポートを提出(任意書式)

④休業補償率100%で休業手当を支払う

⑤講師要件(経験年数おおむね10年以上)を満たした講師が行う必要がある

本当にあった不支給CASE⑨ テレワークと教育訓練の勘違い

自宅で教育訓練を実施し、休業補償に加えて教育加算の受給を考え実行した。

自宅で教育することはテレワークだと勘違いし、DMの作成など業務を自宅でできることをスタッフにお願いしたうえで、業務日誌を提出してもらったが、それは教育ではなくテレワークということに気づき、助成金の申請ができなかった。

《CASE⑨こうすればよかった!》

教育加算の受給を行う場合は、内容は「教育」であること。

オンライン教育については従来助成金対象ではありませんでしたが、緊急対応期間について認められました。

【オンライン教育について】

・双方向オンライン教育(講師と受講者がオンラインで実施)

・講師は教育期間中は勤務時間とみなし、休業の対象とはならない

・受講者は在宅であることが条件

・片方向オンライン教育(動画配信等)

・講師は撮影中の時間は勤務時間とみなし、休業対象とはならない

・動画、DVD、市販の教育DVD、動画サービスのものでも構いません

・常に動画が見られる状態である場合は、教育の計画に沿った決まった時間に視聴していない場合(勤務表で確認)は対象とはなりません

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ボブログ編集部
執筆者
ボブログ編集部

成長し続ける美容師のための髪書房ウェブメディア『ボブログ』。これまでにないスピードで変革する時代に必要な情報【パラダイムシフトの芽】をいち早く見つけ、掘り下げ、新しい常識を提案します。

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