シャンプーに付加価値を。「がん」になって気づいた3つのこと

シャンプーに付加価値を。「がん」になって気づいた3つのこと

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クラーロミズノ 代表 水野みかさんが闘病生活を経て変えた「マインド」と「働き方」を追う。

Contents

超多忙で楽しい毎日。しかし、突然のがん宣告

4面のセット面はいつも満席。ウエイティングスペースの椅子に座れず、立って順番を待つ、今の時代には珍しい光景がある。

富士山の麓、静岡県裾野市にある美容室のような雰囲気の理容室・クラーロミズノの代表 水野みかさんは明治30年から続く老舗理容室の4代目だ。

水野みか / 代表
Profile
水野みか

代表

1967年、静岡県裾野市生まれ。静岡県立東部理容美容専門学校卒業。明治30年に創業した理容室・クラーロミズノの4代目。現在は夫であり、社長でもある水野文昭氏とともに4店舗を経営する。コンテスターとして理容師でありながらレディース部門で美容師と競い合い、理容室でありながら現在の女性客比率は3割。「CMC世界大会2019」団体戦優勝、「CAT中部大会」優勝、「ライオンオールスタイリングコンテスト」準優勝など受賞歴多数。

【2022年の個人データ】
・年間売上:3,300万円(週休2日)
・客単価:9,307円
・年間指名総客数:3,793人
・VIP比率:39%
・店販購買率:25%



20代の頃からコンテスターとして腕を磨き、2人の息子の子育てをしながら朝8時から夜遅くまで週6日、自分を求めて来店してくれる顧客のために夢中で働いていた。

みかさん

予約がパンパンであることが生きがいで、自分を求めてきてくれるお客さまのためなら、いくらでも頑張れましたね

もともと体も強かったし、どんなに忙しくてもサロンワークが好きだから何の苦もありませんでした。

しかし、48歳のときに突然の「がん宣告」。乳がんであることがわかる。

「なんで私が・・・」「こんなに頑張っているのにどうして」

到底受け入れることができなかったという。

「進行がん」であることがわかり、「死」が頭をよぎった。

それでも、抗がん剤治療の合間にサロンに立ったのは、みかさんにとっては自然なこと。お客さま全員に手紙を書き、包み隠さず病気のことを伝えて、今後の仕事の仕方やお店に立てないときの代わりの担当者を知らせた。

みかさんの姿に勇気づけられたお客もいたのだろう。失客はまったくなかったという。

みかさん

抗がん剤の影響で、髪は抜けてしまいました。

ウイッグも用意していたのですが、私には馴染まなくて、スカーフをパリのマダム風に頭に巻いてサロンに出ていました。

それも私にとっては抜けてしまった髪をかっこよく見せるための新しい挑戦だった。闘病中もいろんなアイデアが不思議と湧いてきましたね。

抗がん剤治療が3週間で1クールだったため、抗がん剤を投与した週とその翌週は休み、その後1週間はサロンに立った。

副作用がきついときは休みを調整しながら、サロンワークを行う生活を3カ月続けたという。

みかさん

お店に出ていると、不思議と病気が治っていく気がするんです。

ベッドに寝たままの病人になってしまいそうな私を助けてくれたのは、お客さまであり、サロンでした。

「任せてください」と言い切ってくれたスタッフがいたから、辛い治療も乗り切れたと思います。

闘病中の病院にて。

病気になったのは必然だと思えた

あるときから、「この病気は、私にとって患う必要があった病気だ」と思えるようになったというみかさん。

みかさん

病気になる前、私はスタッフのことを全く考えていなかったと思います。

「忙しいから素晴らしい」という気持ちが先行して、仕事に対して後ろ向きになってしまうスタッフがいたことを感じてあげられなかった

「何でできないの?」とできない部分にいつもフォーカスしていたんです。

その温度差が原因で反発が出たり、人間不信になったこともありました。

闘病前から、主人には週休2日制を提案されていたけれど、一切聞き入れなかったんですよね。

気づかないフリをして自分を顧なかったから、体や心に負担がかかっていたんだと思います。


老舗理容室の4代目として自分にも人にも厳しく、弱音を吐くこともなく突っ走っていたみかさんの人生のターニングポイントになった48歳。

今後お客さまが病気にかかって髪が抜けたとき、頭皮の扱い方や髪が生えた後のヘアデザインの提案、心のケアなど、自分の言葉で伝えられる経験ができたことを財産にしたいと考えている。

みかさん

私はもう本当にこの仕事が好きで、ハサミが持てなくなるまでやりたいと思っていて。

でも、あの働き方をしていたらそれはできなかったと思う。

病気になって「生」と「死」について考え、生き方を見つめ直しました。

もう一度与えてもらった命があるなら、理容師の仕事にこれからは別の形で向き合おうと決めました。


富士の麓で育ったパリに憧れる少女

理容業界や美容業界には求められると頑張ってしまう女性が多いが、人口約5万人の静岡県裾野市でこれほどまでにストイックに技術に向き合ってきたみかさんは、修行時代をどう過ごしてきたのだろうか。

みかさんは「みずの理容室」の長女として生まれた。

両親が理容師としてお客さまをカットする姿を幼少時代から見てきたため、いつか自分もこの理容室を継ぐのだろうと幼心に考えていたという。

おばあちゃんと当時のお店の前で(2歳半)。
みかさんをカットする母。

小学校の頃から、友達の影響でフランスに憧れを抱き、漠然と将来はパリに行きたいと考えていた少女。

高校を卒業したら、東京の理容学校に行ってパリに留学すると決めていた。

しかし、15歳のときに母が他界。

みかさん

「東京に行きたい」とは父にも言えませんでした。

地元でくすぶるしかないのかなとモヤモヤしていた頃、親戚の叔父さんの紹介でコンテスターとして世界を目指せることを知ったんです。

叔父さんが世界大会を目指していて、見事世界大会2位を獲得したことを知り、「こんな田舎にいても、世界を目指せるんだ」とワクワクする気持ちが止まらなかったですね。

フランスへの思いをきっかけに、コンテスターとして技術の世界にのめり込んだみかさん。

全国大会や世界大会への出場を重ね、20代はとことん技術を磨いた。

みかさん

田舎にいても、東京に負けない技術で有名な理容室にしたいと思い、腕を磨いてきました。

所属する理美容研究団体(CAT日本)に「技術の向上」「後継者の育成」「世界との架け橋になる人材をつくる」という3つの理念があります。

この3つを自社でも掲げ、自分だけが技術が上達するのではなく、コンテストや技術教育を通した人材育成にも力を注いでいます。

理容室の顧客は8割が男性客だったが、女性客を取り込むためにもコンテストはレディース部門にチャレンジ。美容師と戦っていたという。

理容室は男性客が中心のため朝と夕方が混み合い、昼間はアイドルタイムになりやすい。

レディース部門のコンテスト出場を機に、みかさんの技術を求めて来店する女性客が徐々に増えてきたという。

CAT中部大会で姉妹W優勝(左がみかさん)
2019年、世界大会にて(個人戦)

現在では理容室でありながら3割が女性客。

理容室に女性客を呼ぶのは難しいと言われるが、1994年にパリの雰囲気を感じる美容室のような理容室にリニューアルし、女性が来店しやすいサロンをめざした。

髭剃りをしている男性客の横でカットされることに抵抗がある女性客も一定数いたものの、みかさんの技術を信頼し集まる女性客が紹介により次第に増えていったという。

2006年には初の美容室・クラーロアンを裾野市にオープン。その後、2010年にも2店舗、美容室をオープンさせている。

シャンプーは付加価値になる

闘病を経て、2016年から徐々にサロンワークに復帰したみかさんは、社長とともにさまざまな改革を行なった。

まず、お店自体の営業を週休2日に変更。

予約を常にパンパンにしていたところから、客数を減らして、単価を上げていく方向にシフトチェンジしたという。

そこで見直したのは、シャンプーの重要性だ。

抗がん剤で髪の毛が抜けてしまったあと、シャンプーの重要性をこれまでより強く感じてはいたが、プライベートラボ 小谷幸生会長との出会いをきっかけに、シャンプーは単に洗うだけではなく、付加価値を持たせることができる技術であることに気がついたという。

みかさん

プライベートラボのシャンプーSpaセミナーで頭皮の構造やシャンプーブラシの使い方を勉強して、全社的に導入しました。

今はアトピーや脂漏性湿疹など、皮膚トラブルに悩む方も増えていますよね。

そういったお客さまが石油系界面活性剤のシャンプーを使っていたら、どんなに薬を処方されても改善されません。

肌や地肌に負担のない成分のみでできている「ジャムレーベル新月・満月シャンプー」なら、地肌環境を改善して、地肌や髪の毛を良い状態にしてからヘアデザインすることができるのです。

付加価値をつくっていけば、シャンプーはひとつの施術として支持されるメニューになると確信。

「ジャムレーベル新月・満月シャンプー」をベースにした3つのメニューをつくり、シャンプーカウンセリングを導入した。


【「新月・満月」シャンプースパメニュー】

・リフレッシュスパ 10分 1,500円

・ストレスケアスパ 25分 2,500円

・デトックス&ヒーリングスパ 45分 3,800円

「シャンプースパカウンセリングシート」と「処方洗」のサンプル。
みかさん

今は精神的に疲れている方がすごく多い時代ですよね。

闘病中にスピリチュアルやアロマテラピーの効果を勉強していたこともあり、香りがもたらす「癒し」がコンセプトの新商品「ジャムレーベル新月・満月シャンプー」のリリースを聞いたときは「これだ!」と思いました。


【ジャムレーベルシャンプー 「新月」
新月から満月まで、満ちていく月の期間(約14日間)の使用がお勧め。

新月「新たな始まり」・・・・軽快なテクスチャーでエネルギーの吸収を高め、頭皮のリフレッシュ力を高める栄養成分により、みずみずしさ、クレンジング力をアップ。香りは、さっぱり感のある柑橘系がベース。


【ジャムレーベルシャンプー 「満月」
満月から新月まで、欠けていく月の期間(約14日間)の使用がお勧め。

満月「不要の放出」・・・・ディープデトックス時期のため、お疲れ頭皮をいたわる栄養成分をふんだんに配合。香りは、自己回帰を促すノスタルジックなアース系がベース。

※ベースとなっているジャムレーベルのシャンプーは、アメリカの検査機関で全人種に対して「アレルギー反応ゼロ」のエビデンスを取得

ヘッドスパブラシで劇的シャンプー改革

プライベートラボのヘッドスパブラシを初めて使ったときは、これまで使っていた他社ブラシと比べて衝撃的な使いやすさだったという。

みかさん

プライベートラボのヘッドスパブラシは頭皮への「触れ方が全く違う!」と驚きました。

マイクロスコープでbefore&after画像を見ると、毛穴の老廃物を掻き出してくれるブラシであることがわかります。

ツヤの輝き方が変わり、頭皮の血流が変わるのでリフトアップにもつながりますね。

 

マイクロスコープで地肌状況をチェック。
ドライ状態で頭皮を持ち上げるようにブラシを入れるとリフトアップ効果も。
ヘッドスパブラシでコーミングするだけでツヤも蘇る
ヘッドスパブラシでコーミングする前と後を比較すると、ブリーチ毛でもツヤが出ていることがわかる。

みかさん

プロの技術者が洗う指のマッサージももちろん気持ち良いけれど、このヘッドスパブラシがあるとお客さまは今までにない爽快感が得られます。

6,800円と安いブラシではないですが、お店で体験して「気持ち良いから家でも毎日やりたい」という声が多く、買って帰られる方が多いですね。

「しっかり洗えた感」が得られ、洗い残しによる頭皮の匂いも防ぐことができます。


みかさんのツヤがあり、ふわっとした髪は毎日の入浴の際のヘアケアに秘密がある。

湯船に浸かってヘッドスパブラシで「ジャムレーベル新月・満月シャンプー」を泡立てた後、3分間のシャンプー泡パック。

トリートメントを使わなくても劇的にツヤが変わるという。

毎日「ジャムレーベル新月・満月シャンプー」で泡パックしてます!


みかさんの店販購買率は25.0%。

闘病前、2013年は6,366円だった客単価が働き方を改革して約6年、2022年には8,831円まで向上している

客数より客単価を重視した戦略は、以前は料金を得にくかったシャンプーメニューで機動に乗り始めた

みかさん

シャンプースパに注力したことで頭皮や髪がいちばん良い状態でヘアデザインができるようになりました。

「みかちゃん、また来たよ」と毎月来てくださるたくさんの生涯顧客を大切にしながら、さらには「最近バージョンアップした新しい私」を新規のお客さまにも知ってもらいたいですね。

昨年は1人でパリに行かせてもらって現地のサロンの見学や、在仏日本人美容師オーナーとの交流を試みたり、パリの日常やアートを巡り感性も養ってきました。

これまで以上に1日ハッピーに過ごせるヘアスタイルをこれからも提案し続けたいですね。

 

みかさんが「がん」になって気づいた3つのこと

1 闘病生活を支えたのは理容師の仕事だった。 
  →「スタッフ」との向き合い方を変えた

2 「がん」になったことで闘病中の抜け毛に悩むお客さまへ実体験を通したアドバイスができるように。
  →「悩んでいるお客さま」の心に寄り添う

3 予約をパンパンにしなくても、シャンプーに付加価値を持たせ、客単価を上げる働き方を見つけた。
  → 理容師としての「自分自身」の永続性


Claro MIZUNO(クラーロミズノ)/静岡県裾野市
Salon Information
Claro MIZUNO(クラーロミズノ)/静岡県裾野市

・会社名:株式会社クラーロ
・創業:1897年(明治30年)
・代表取締役社長:水野文昭
・店舗数:理容室1店舗、美容室3店舗、FC1店舗
・スタッフ数:20名(FC除く)

住所 静岡県裾野市佐野1024-1
MAP Google map
TEL 055-993-3182
店舗情報 ・年間総客数:6,981人
・客単価:7,369円


みかさんも参加! スキンケアシャンプスパセミナーとは?

プライベートラボでは、本気で“シャンプー”という美容の基礎に取り組みたい方のために「スキンケアシャンプーSpaセミナー」を開催している。

●シャンプーSpaセミナーの目的
①顧客満足度がアップする
②リピート率がアップする
③施術者にもお客さまにも優しい

●講師:本山典子先生

本山典子先生 / (社)プレメディアルYOBO協会 理事、(社)国際毛髪皮膚科学研究所 代表、(公社)日本毛髪科学協会 毛髪診断士認定講師、五感セラピー協会 認定アンバサダー
Profile
本山典子先生

(社)プレメディアルYOBO協会 理事、(社)国際毛髪皮膚科学研究所 代表、(公社)日本毛髪科学協会 毛髪診断士認定講師、五感セラピー協会 認定アンバサダー

皮膚生理学、身体心理学に通じ、血流や神経に働きかけるオリジナルヘアケアメソッドが国内外で評価され、「本山メソッド」として話題となる。国内海外問わず、TV、雑誌、ラジオなどにも出演、著書に『毛髪診断士のときめき美髪 BOOK』(メイツ出版)がある。

スキンケアシャンプーSpaセミナーで学べること

みかさん

セミナーで習ったのは骨格などの体の触り方。

理論的にどう触ったら良いかが理解でき、シャンプーカウンセリングでは頭皮だけでなく、肩や首などの体にも触れ、体や頭皮の状態を自信を持って伝えられるようになりました。

指のタッチからお客さまとの信頼関係が強まっていることを実感しています。

頭皮環境を整えることがいいヘアデザインに直結していることを再認識できたので、内側から綺麗に健康であるための提案をこれからも続けていきたいですね。

【知識】
・体の構造を知る
・五感を知る
・カウンセリング力を上げる

【実習】
・手数の少ない本山先生の「スキンケアシャンプーSpa手技」とオイルインシャンプー

【スキンケアシャンプーSpaセミナー概要】

2月26日(月) Zoomによるオンラインセミナー

10:00 ~ 12:00 人体と皮膚の構造、人と五感の関係
13:00 ~ 15:00 売上に直結するスキンケアシャンプー技術、質疑応答

定員50名・申込締め切り2月15日(木)  

受講料 5,500円(税込)※20,240円相当の教材を含む
受講料に含まれる教材:テキスト/ジャムレーベルSP100ml ¥1,980/新月・満月シャンプー 150ml ¥5,500/ヘッドスパブラシ ¥7,480/マルラオイル ¥5,280

「スキンケアシャンプーSpaセミナー」や製品の情報が得られる「公式LINE」登録はこちらから!

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執筆者
有希牧野

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