【美容師ライターが解説】猫っ毛とは?髪質を活かしたヘアスタイル&ヘアケアを伝授!

【美容師ライターが解説】猫っ毛とは?髪質を活かしたヘアスタイル&ヘアケアを伝授!

211

髪が細くてすぐにぺったんこに…。ダメージしやすく絡まりやすい…。巻いても湿気ですぐに取れちゃう…。細くて柔らかい髪質。いわゆる猫っ毛で悩んでいませんか?

今回はそんな猫っ毛について、どんな髪質?という特徴から、おすすめのヘアスタイル、ヘアケア方法や施術の注意点を、美容師歴13年であるママ美容師ライターの盛(サカリ)がご紹介します。

Contents

猫っ毛とは?

猫っ毛の特徴

猫っ毛とはその名のとおり、猫の毛質のように細くて柔らかい髪質のことです。


猫っ毛の方に多い悩みとして

・ハリコシが弱く、ボリュームが出にくい
・ペタッとして頭皮が見えやすい
・分け目がくっきり出て年齢が増して見える
・細くて絡まりやすい
・湿気があるとヘアセットが崩れやすい

が主に挙げられます。反対に

猫っ毛の魅力として

・手触りがよく、シルクのような柔らかい質感

・細い髪質による西洋人のような透明感のあるカラーと相性が良い

・ふわふわな巻き髪や繊細なニュアンスのアレンジがしやすい

・ナチュラルで優しい印象を与えられる

・比較的オイルを分散しやすいため、乾燥しにくく感る

など、太くてコシのある髪の人が憧れるような特徴も兼ね備えています。

猫っ毛の原因は遺伝?

髪の毛は大きく分けて3つの層で構成されています。表面から順番に、キューティクル、コルテックス、メデュラと呼ばれ、このうちコルテックスが髪の毛の強度や弾力、ツヤなどに深く影響しています。

猫っ毛はこのコルテックスの量が少ないため、細く柔らかい髪質となっているのです。コルテックスの量は遺伝で決まる部分が大きく、両親が猫っ毛の場合はそのお子さんも猫っ毛となる可能性が高くなります。

ダメージが原因で猫っ毛になる場合も

猫っ毛はコルテックスの量が少ないだけでなく、キューティクルの層も薄いです。これはダメージを受けやすいと感じる原因の1つとなっています。

また、キューティクルは遺伝だけでなく紫外線や摩擦によるダメージの蓄積でも薄くなります。その結果コルテックスの減少へ繋がる場合もあります。

最初は猫っ毛でなかったとしても、後天的なダメージによって髪が細く柔らかくなり、猫っ毛のようになることもあります。

おすすめのヘアスタイル

猫っ毛の特徴を理解したところで、儚げな髪質である猫っ毛さんがどんなヘアスタイルとの相性が良いのか。悩みをカバーしながら、その魅力を活かせるヘアスタイルを紹介します。

ふんわりマッシュレイヤー

硬毛で量が多い方だとメンズライクになりやすいショートスタイルも、柔らかい髪質を生かして女性らしい雰囲気を演出することができます。細い髪は透明感が出る明るめのカラーとも相性がよく、グレージュやオリーブベージュなどのカラーをすることでふんわりとボリュームアップして見えます。

人気のヨシンモリヘア

前髪がペタッとなりやすい場合は、韓国風ヘアで今人気のミディアムレイヤースタイル(ヨシンモリ)がおすすめ。緩やかで大きなウェーブは毛先にボリュームを持たせ、前髪も立ち上げることでふんわり感を演出できます。暗めのカラーでも猫っ毛の方ならツヤ感が出やすいため、重たくなりすぎません。

ウェーブをキープするためのヘアスプレーは必須です!

王道ナチュラルストレート

最も魅力的といえるシルクのような髪質は、西洋外国人に多いため、外国人風の寒色系のカラーを施したナチュラルストレートとも相性抜群です。陽に透けるサラサラロングヘアは多くの女性の憧れです。ぺたんこを防ぐために根元のボリュームを出したい時は、顔の形とのバランスを意識すると◎

猫っ毛と上手に付き合う

猫っ毛におすすめのヘアケア

繊細な髪質のため毎日のダメージケアは欠かすことはできません。猫っ毛の方に取り入れてほしいヘアケア方法は以下の3つです。

1. シャンプー前にはブラッシング
シャワーで濡らすと絡まりやすいため、濡らす前にしっかりブラッシングをしましょう。頭皮からブラッシングすることで、絡まり予防だけでなく根元の立ち上がりも促してくれます。

2. オイルをつけてからドライヤーで乾かす
熱によるダメージの軽減のため、洗い流さないタイプのトリートメントは必須アイテム。オイルとの相性がよく、つけることでサラつやな髪に整えてくれます。ただし、根元付近にはオイルをつけないように気をつけましょう。ベタつきやボリュームダウンの原因に繋がってしまいます。

3. ヘアアイロンは高温注意!
髪が細いため、高温でヘアアイロンを使用すると熱によるダメージの影響をより強く受けてしまいます。スタイリングをキープするために、しっかりアイロンをかけたくなってしまいますが、できるだけ高温は避けましょう。髪を熱から守り、カールがつきやすいミスト等も使用すると良いでしょう。また、ワックスやヘアバームのつけすぎには気をつけてください。

パーマがかかりにくいって本当?

ボリュームを出すためにパーマをしてみたけどすぐに取れてしまった…。もしくは、全くカールにならずダメージしただけだった…。なんて相談、結構多いです。

パーマは髪の毛の内部にあるタンパク質を変性させることで髪の毛をカールさせます。しかし先ほど触れたとおり、猫っ毛はコルテックスの量が少ないためたんぱく質の変性が起こりにくく、よってパーマがかかりにくいです。

髪の深部まで薬剤の効果が出るものや、熱の力でしっかりとたんぱく質の変性ができるクリームパーマやデジタルパーマがおすすめです。取れにくく、ボリューム感のあるパーマが可能です。

猫っ毛のお客さまを施術する時の注意点

猫っ毛はダメージしやすく繊細です。施術をする際はダメージを考慮し適切な施術を行うことが、美容師としての心得です。パーマの薬剤選定や、根元付近のカラー剤の塗布量(明るくなりやすいため)など、いつもよりさらに気を使う必要があります。

また、猫っ毛のクセのある方のカットも注意が必要です。毛量の取りすぎや、高い位置からレイヤーを多用してしまうとクセが出てまとまらず、扱いづらくなってしまいます。

猫っ毛の方に限ったことではありませんが、お客さまの髪質をしっかりと見極めた施術を心がけていきましょう。

お客さまからも、扱いにくいと相談される機会の多い猫っ毛ですが、髪質を理解することで魅了的な髪質であることも伝わるはず。コンプレックスと捉われない、お客さまらしいヘアスタイルを提供できるようにしたいですね!

サカリ
執筆者
サカリ

美容師ライター。二児の母。

Prev

Next