白髪の悩みをデザインに!悩みをときめきに変えるカウンセリング動画

白髪の悩みをデザインに!悩みをときめきに変えるカウンセリング動画

211

美容室探しの新しい定番メディアとなりつつある「カウンセリング動画」! TikTokだけでなくInstagramでも盛り上がりを見せ、取り組みが功を奏している人が増えています。

TikTokの方がカウンセリング動画の再生数は多いですが、Instagramの国内月間アクティブユーザー数は3300万人(2023年8月現在)と言われており、マーケットとしては見逃せません。また、大人世代やシニアまで幅広い世代を客層に抱える人にはTikTokよりもエンゲージメントが高いメディア。

今回は、カウンセリング動画で“大人世代“へのリーチを広げたDimo&[ディモアンド/東京]の服部大起さんにインタビューしました!

服部大起 / Dimo&代表
Profile
服部大起

Dimo&代表

1992年2月13日生まれ。埼玉県出身。国際文化理容美容専門学校渋谷校卒業。都内1店舗を経て、2020年9月にDimo&をオープン。同店代表。高いカラー技術に定評があり、現在はハイライトに特化した打ち出しで幅広い層から支持を集めている。

“自分のやりたいハイライト“を研究し始めたのがきっかけ

ーーカウンセリング動画でも強みに特化して打ち出している人は多いですが、服部さんは「デザインカラー」というくくりでなく、ハイライトに特化しているのが特徴です。ハイライトに絞っている理由を教えてください!

服部さん

元々は、単純に海外風のハイライトが好きということが発端でした。学生時代から自分もオーダーしたりしていて。

ーーご自分もハイライトを入れていたんですね。男性ではめずらしい気がします。

服部さん

そうかもしれません。そのときに、海外の方のへスタイル画像などを見せてオーダーするんですけど、思った通りにならなくて。なぜだろう?と思っていました。
いざ美容師になってみると、ハイライトは奥深くて難しいことがわかりました。それで、独学で勉強し始めたのがきっかけですね

ーー実は服部さんのカウンセリング動画で、編集が強く印象に残ったのが、こちらの男性客の投稿でした。大人男性ながら上品で似合っているのが素敵だと思ったのですが、服部さん自身がハイライトをやりたい、好きだということの裏付けになっていると感じます。

▶︎2023年6月8日 20.5万再生

服部さんのInstagramより(画像クリックでリンクに飛べます!)

※男性の新規客の受付は停止されております。

ヘアスタイル×リールは独立前から……難しいハイライトだからこそ見る人に刺さった

ーー動画の取り組みはいつから始めたのでしょうか? 最初からカウンセリング動画だったのですか?

服部さん

いえ、最初はハイライトの仕上がり動画でした。
独立前、周りがまだやっていない頃から「カラーの仕上がりは動画で見せた方がわかりやすい」と感じて始めました。

ーー確かに、特にハイライトは動きがある方が質感も雰囲気も伝わりやすいですね。

服部さん

はい。ですので再生数だけでみると、カウンセリング動画よりも、仕上がりのリールの方がいまだに反響があるんですよ。

▶︎2022年5月27日投稿 254万再生

服部さんのInstagramより(画像クリックでリンクに飛べます)

▶︎2022年9月8日投稿 87.1万再生

服部さんのInstagramより(画像クリックでリンクに飛べます)

ーー再生数もですが、いいね数が圧倒的ですね。質の高さが評価されての再生数ということがよくわかります。なぜこれだけの反響があるのだと思いますか?

服部さん

やはり、日本だと他にないからだと思います。その上で、ハイライトって本当に難しい技術だということが美容師さんもお客さまもよくご存知だと思うので、良いなと思ってもらえているのではないかと思います。

ーーなるほど。撮影の際に気をつけていることなどはありますか?

服部さん

撮る位置には気をつけています。ハイライトの仕上がりでは「色の統一感」を大切にしていて。ムラなく仕上がっていることが動画でも伝わるようにします。
特に、今は複雑履歴のお客さまばかりなので、すごく難しいんですけど。それを感じさせない質感の演出がポイントですね。

「白髪をデザインする」見えてきた大人世代の潜在ニーズ

ーーでは、当時は大人世代のお客さまは特に多くなかったのでしょうか?

服部さん

いえ、そういうわけでもなかったんです。独立前から、白髪が気になり始める大人客の方は多数いらっしゃいました。
ですので、仕上がり動画のときから既に、大人のお客さまを撮らせていただくこともあったんです。バックショットだと、お客さまも抵抗なく応諾してくくださるので。

ーーなるほど。カウンセリング動画を出し始めて集まったのではなく、元々大人世代の信頼を得ていたんですね。

服部さん

はい。それが、独立してオーナーになったことで、若いスタッフたちに同世代のお客さまを集客させてあげたいと考え始め、自分はさらに大人世代にフォーカスしよう、と役割を考え直しまして。そこで、大人世代の方のお悩みを共有したら、共感してくれるんじゃないかな?と思いついたのがカウンセリング動画のきっかけでした。

ーーそこで、オープン1年後から大人客のカウンセリング動画に取り組み始めたという服部さん。仕上がり動画の反響で、フォロワー数やリールの再生回数の下支えたあったことなどから、比較的反響が見えるのは早かったのだそうです。

▶︎ 2022年12月16日投稿 87.9万再生

服部さんのInstagramより(画像クリックでリンクに飛べます)
服部さん

白髪を「ぼかす」というのも良い解決方法だと思うんですが、僕の場合は「白髪デザイン」というようにしているのもこだわりの1つです。白髪で悩んでいるのは大人世代だけじゃなく、20代から悩んでいる方も実は多いのですが…… だからこそ打ち出しをポジティブに、キャプションなどでの言葉選びも重要だと思っています。

▶︎2022年11月10日投稿 90.4万再生

服部さんのInstagramより(画像クリックでリンクに飛べます)

お悩みや感情に共感される動画を! お客さまの声を中心に編集

ーー動画を編集する際に気をつけていることはありますか?

服部さん

お客さまのお悩みや感情が伝わるようにピックアップすることです。

ーー確かに、過去に取材した2名も「美容師の話」より圧倒的に「お客さまの話」が大部分でした。これは重要なポイントなのかもしれません!

服部さん

そうですよね。僕も基本的には「僕の声は要らない」というスタンスです。どうしても説明が必要なケースを除いては、僕が何を伝えているかは省略してしまうことが多いです。

ーーこれまでで最も反響があったカウンセリング動画はこちらだそう。

▶︎2022年5月13日投稿 165万再生

服部さんのInstagramより(画像クリックでリンクに飛べます)

ーー短い動画と言葉の中にも、お客さまのお悩みや「やってみたかった」という感情が詰まっていますね。

服部さん

そうなんです。美容師さんに「できませんよ」と言われることで、萎縮して希望が言えない……というお客さまは多いと思うんです。そういう方の心の後押しをするのが大事だと思っています。

「やめた方がいい」をどこまで攻めるか? 技術と説明の大切さ

ーー動画の中には、本当に「難しそう」という方も登場します。お客さまの声を中心に収録しながら、実際に「やめた方がいい」「難しい」というシーンはあえて入れているのかなと感じましたが、いかがでしょうか?

服部さん

そうですね、実際に本っ当に難しいからなんですが……!(笑)
動画ではカットしていますが、難しい履歴の方には「やめた方がいいと言われた理由」と「それでもやった場合にどうなるか」ということはちゃんと伝えています。

ーーなるほど。断られるのも悲しいですが、騙し騙しの施術を繰り返して取り返しがつかない状態になることもありますしね……

服部さん

そうなんですよね。ですが、やはり女性の心理として「それでもどうにか可愛くしてほしい」という気持ちはあると思います。また、美容師の立場からしても、一度「思った通りになった!」という体験を提供した方が信用してもらえるという側面もあります。
だから、リスクを背負っても「がんばってみますね」とオーダーを受け入れる選択をすることはありますね。

▶︎2022年1月5日投稿 80万再生 

服部さんのInstagramより(画像クリックでリンクに飛べます)

ーーその受け入れられる範囲を広げるのが技術力なんですよね。

服部さん

はい。ハイライトが好きでずっと研究してきたからこそ、他の方よりも「お任せください」と言える範囲は広いのかなと。そこは責任持って言えますし、そのつもりで発信しています。

動画のおかげでより深いカウンセリングにつながる

ーー最後に、カウンセリング動画の取り組みで良かったことと、今後の展望をお聞かせください。

服部さん

再生数だけで見ると仕上がりの動画だけで十分に反響はありましたが、カウンセリングを公開するようになって新規客の方へのカウンセリングの質が上がったと感じています。紹介のお客さまも一度インスタを見てくださっていて、話が早いんです。序盤の話が早い分、より深いお話や説明ができるのは利点ですね。
一定の反響が得られるようになったので、今はバズるよりも、インサイトをキープするために投稿している状況です。悩んでいる方、困っている方にもっと寄り添い、デザインを楽しんでもらえるような関係性を築いていきたいと思っています。

ーーこだわりの技術というバックグラウンドがあるからこそ、一過性のバズではなく継続的に反響があり、お客さまにも支持されているのだということがわかりました!

SNS戦略も、成功の秘訣は「自分自身の得意なこと」と「いつも来てくださるお客さま」という内なる要因を見つめ直すことにあるのだと感じました。

ななしま
執筆者
ななしま

直毛一族の末裔。毛髪科学、色彩学、財務が得意です。好きなものは宝塚と蛙亭と世良真純

Prev

Next