NEXT LEADER編集長が「NEXT LEADER 2024年4月号」取材ウラ話を語る!

NEXT LEADER編集長が「NEXT LEADER 2024年4月号」取材ウラ話を語る!

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3/1発売のNEXT LEADER4月号の特集テーマは「人材定着」

働き方改革の影響もあり、この数年で業界の待遇改善は間違いなく進みましたが、これから入社してくるZ世代は「冷静で見切りが早い」とも言われる世代。

中途採用市場の活性化もあり、会社を辞めるハードルは確実に下がっています。美容室が人材産業である限り、スタッフの定着率と売り上げは比例する運命にあります。

離職率の低いサロンの教育制度、キャリアパス、風土づくりなど、人材定着のノウハウを取材しました。


【編集部の取材ウラ話】

今月の特集は「人材定着」。低離職率のサロン特集は過去に何度か行っていますが、3月号の「12月最高売上レポート」の取材を行っていた際に、いくつかの離職率の低いサロンの情報が入手できたので、新入社員が入ってくる直前シーズンということもあり、久しぶりに特集化しました。

低離職率を代表するビッグサロンといえば、2013年に創業したLondでしょう。秋にある講演で吉田牧人代表の講演を聞いたときに、スタッフ100名まで離職ゼロ、スタッフ480名という大所帯ながらこれまでの累計離職者は約30名と、奇跡的な数字を叩き出しています。

同サロンの定着率が高い理由は、時間単価をKPIに据えることで実現した40%という高歩合率。さらにいわゆる2:6:2の法則で、組織内で意欲的な上位2割のスタッフをFCオーナーなど外に出していくことで、スタッフ全体の底上げが常に行われていることが挙げられると思います。

最近はFCオーナーほど積極的に多店舗展開したいわけではないというスタッフのために、店舗をそのまま引き継ぐ直営代表というキャリアパスも人気だとか。誌面ではFCオーナーと直営代表の仕組みの違いなど、具体的に解説しています。

続いて紹介するのが、福岡県糟屋郡中心に6店舗展開するアストレア。創業は2010年。夫婦2人からのスタートでしたが、2020年まで離職者ゼロ。創業14年目で離職者3名のみと驚異的な定着率を実現しています。

定着率の高いサロンの場合、長年築き上げてきたサロン風土などもあるので、具体的にどんな仕組みに落とし込まれているのかがわかりづらい場合があるのですが、百田直亮代表に話を聞いたところ、勤続年数や職務を重視した給与体系にも特徴があることがわかりました。

勤続手当として入社半年ごとに5,000円の手当を支給。最大4万円まで支給されます。さらに役職手当は副店長5万円、店長10万円、マネージャー15万円とかなりまとまった額が基本給+売上手当とは別に支給されます。そのうえ家族手当や住宅手当なども充実しており、総支給額は売上歩合率で換算しても約35~40%。売り上げ主義ではない評価制度には今後ぜひ注目したいところです。


岐阜のメンズサロンは2019年の創業以来離職者ゼロ。創業間もない成長期のサロンなので、離職率が低いのは当然と思われるかもしれませんが、実践に重きを置いた早期教育には目を見張るものがありました。

メンズスタイルだからできるという面もありますが、ウィッグトレーニングは入社後3カ月で終え、あとはひたすらモデルを使ったトレーニングを実施(モデルカルテ100枚)。入社2年目の春までには全員ジュニアスタイリストとしてデビューし、今のところ全員が100万円を売り上げています。

この時の成功経験が本デビューしたときの糧になるという考え方で、いわゆる昭和なスタッフ教育を取り入れています。その一方で大切にしているのが「プライベートと仕事は1:1」という社訓。プライベートが充実すれば仕事も充実するというのが鈴木恵太代表の考え方。

鈴木代表は前社に勤めていたとき、時間さえあれば車で釣りに行っていたとのこと。その移動中は気持ちがポジティブになっているから、仕事のことを考えても前向きでいいアイデアしか浮かばなくて、それが今のダグラスヘアの経営にも踏襲されているとのこと。「逆に仕事人間なら都会をめざすべき。岐阜には岐阜のやり方があるんです」という鈴木社長の言葉がとても印象的でした。


最後に紹介するのは、2015年の創業以来、離職者ゼロという神奈川県のn・mark。神奈川県内でも都市部からかなり離れていることもあり、創業時から自社に合う人を選ぶのではなく、入社した人材をイチから育ている方針を採っています。大切にしているのが心の教育。①寄り添い ②心理的安全性 ③インサイドアウトの3つの条件の重なりを、「markism」という独自の共通言語でスタッフに落とし込んでいった結果が9年連続離職者ゼロという実績。

今は求人応募の8割が紹介によるもので、中にはスタッフの親から「しっかり育ててくれる」と紹介されたこともあるそうです。

よくビジネス誌では、従業員満足(ES)、顧客満足(CS)、業績の相関性がよく語られます。「ではどこから手を付けるべきか?」と考えたときに参考にしたいのが、1994年にハーバード大学のヘスケット教授とサッサー教授らによって発表された「サービス・プロフィット・チェーンの考え方」。これを見ると従業員満足(ES)が業績アップの第一歩として最初に取り組むべき課題ということがよくわかるはずです。


以上、現場からでした。

<今月のコンテンツ>
・人が辞めないサロンがやっていること
・前進こそが最強の対策(Lond/東京・銀座)
・脱・売上主義に正義の女神が微笑んだ(ASTRAEA/福岡県糟屋郡)
・情熱の真っ赤な薔薇はメンズサロンでこそ育つ(Douglas hair/岐阜県岐阜市)
・親の紹介で求人が来る“本気”の心の教育(株式会社n-mark/神奈川県足柄郡)
・スペシャルレポート 美容の楽しさを詰め込んだ40年目の理想郷(KAINO/大阪府堺市)


NEXT LEADER 4月号「人材定着」のご購入はこちらから!

定価1,870円(本体価格1,700円)
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執筆者
渡辺 淳司

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