【ゆく年くる年】2023年の振り返りと、2024年の展望

【ゆく年くる年】2023年の振り返りと、2024年の展望

211

新年、あけましておめでとうございます。

辰年の2024年。

天高くのぼる龍のように、辰年には「運気の上昇」「景気が上向く」などといった言い伝えがあり、政治や経済の変化やビッグプロジェクトのスタートなど、時代が大きく動く年として知られているようです。

皆様の2024年が新しい時代を切り拓き、実りある年になりますように・・・。

2024年の初投稿は「2023年美容業界の出来事」をランキング形式で振り返りながら、「今年の展望」についても触れていきたいと思います。

Contents

2023年「ボブログ」ニュースの閲覧ランキング

まずは2023 年に記事化した『ボブログ』ニュース(ニュース以外の記事は省く)から、閲覧数1位〜20位を発表。

1位 美容師免許国家試験 オールウエーブ試験を見直しへ
2位 カミカリスマ2024が発表 新たにヘアカラー部門が新設
3位 イノアの新色は透明感あるモカ
4位 OCEAN TOKYO10周年 高木琢也氏次の10年を語る
5位 【決算調査】理美容室の売上高ランキング
6位 ヘアキャンプコリア HAIRCAMP with BOB韓国で発足
7位 ディーラーのミシマが社名変更
8位 クレイカラー“テラ”の新色はリュクスなプラチナ
9位 前代未聞の青空入社式
10位 ミルボン 代表取締役社長 2024年より坂下氏に
11位 韓国で話題の四角いアイロンが初上陸
12位 田谷がフリーランス・FC進出か
13位 イーストハム新社長に大橋ケイ氏
14位 ボンドカラーにグレイシェードが新登場
15位 ロレッタに新ライン「ロレッタエメ」登場
16位 髪書房 新社長に中尾信一が就任
17位 代々木体育館で最大級の就職フェア
18位 韓国直伝! 韓流スタイルby無重力パーマ
19位 ウエラ 新ブリーチ「ブロンダープレックスH」発売
20位 デジタルサロン協会 西村経産相とインド視察

中でも具体的に掘り下げて記事化したトピックや、独自取材した記事をピックアップして解説していきます。

6位、11位、18位にラインクイン「韓国関連ニュース」に注目

3月にはHAIRCAMP with BOBが韓国で発足し、5月には髪書房と美KAKUの共催で韓国研修ツアーを開催。韓国関連の情報は2023年、髪書房への問い合わせが最も多いコンテンツとなりました。

【3月15日】HAIRCAMP with BOB 韓国で発足

HAIRCAMP KOREA株式会社(ソン・ジョンウン、ソン・チュンソプCEO)は、韓国・ソウル市内に新設した「HAIRACAMP with BOBスタジオ」にて『HAIRCAMP with BOB』の動画配信サービスをローンチした。

同サービスは韓国美容界の発展および日韓美容交流の促進を目的とした動画教育。同社は韓国・釜山などで美容事業を展開するLIVE X、動画教育プラットフォーム・HAIRCAMP株式会社(日本)、小社の韓国支社・髪書房KOREA、小社・株式会社髪書房(日本)の共同出資で創立。CEOには、LIVE X社長のソン・ジョンウン氏、髪書房KOREA社長のソン・チュンソプ氏の2名が共同代表として就任。取締役に当たる理事にはHAIRCAMP株式会社社長の森本賢志氏、小社・代表取締役社長(当時専務取締役)の中尾信一が就任した。

2023年4月1日より韓国でのサービスを開始している。

【5月29日〜31日】韓国研修ツアー【Thunder Trip2023 in seoul】を開催

5月29日〜31日、髪書房と美KAKUの共催で韓国研修ツアー「Thunder Trip2023 in seoul」が開催された。

ツアーは日韓美容師の交流を目的に実施。スタイリストからオーナーまでの日本の美容師80名が参加し、「韓流パーマセミナー」や「リアルトレンドを牽引するCHAHONGのブランディングセミナー」「JUNO HAIRアカデミー見学」の他、日韓交流会も行われた。

【7月12日】韓国発「ダウンパーマ」「チャンモリパーマ」が日本でも販売開始

月刊BOB2024年1月号 特集「韓国パーマ技術 完全版」では、2024年の最大需要と予測する韓国パーマを日韓の美容師が披露。 韓国ヘアの生みの親として知られる「CHAHONG」(チャホン)が、秘伝のパーマ技術を公開し話題になった。
さらに同号では韓国メンズヘアの必須技術として、韓国から来日したギュウォン(MAVEn)、ナムヒョ(normal shop)、ムジン(Faire)の3名が韓国直伝の「ダウンパーマ」もレクチャーしている。


【ボブログでも「韓国ヘア」企画が人気】

1位にランクイン「国家資格からオールウエーブが消える」

以前から「サロンワークでの実用性がない」という声があった一方、「基礎的な技術が学べる」という声も根強くあったオールウエーブ。2029年2月から新たな課題での実施が決まり、X(旧Twitter)でも美容師の間で話題になりました。

【7月4日】美容師免許国家試験 オールウエーブ試験を見直しへ

日本美容サロン協議会提供

美容師養成の在り方を議論する厚生労働省の検討会は、国家試験科目の見直しなどについて本年度以降の対応方針を取りまとめた。

現在の実技科目の1つで1960年代ごろに流行したパーマ「オールウェーブセッティング」は、より幅広く技術を検証できる試験内容に見直し、2029年2月から新たな課題で実施する見通しを示した。

人工まつげを付ける「まつげエクステンション」実技試験導入に関しては、必修項目として教えている美容学校が全体の42.5%にとどまっていることから現時点では困難と判断し、検討を続けるとした。当面は全国の美容学校で教育が行われることを目指す。

ボーリー

「オールウェーブ」の廃止について、美容師の見解は賛否が分かれているよね。

「サロンワークでの実用性が低い」ことから見直しを求める声が多い一方、「オールウェーブを学ぶことが基礎的な技術の習得につながる」などの肯定的な意見も。

2029年2月からの新たな課題に注目です!


3位、8位、14位、19位にラインクイン「ヘアカラーの新色と新ブリーチ」

続くハイトーンブームにより、新色や新しいブリーチ剤、ケアブリーチなどのケア商品の発表は2023年も注目をあびました。

おしゃれ層だけでなく全国に広がるハイトーンカラーや白髪ぼかしハイライトの需要は、企業の髪色ルールにも変化をもたらしています。

【2022年からの流れ】髪色ルールを見直す企業相次ぐ

ここ数年、髪色のルールを緩和する企業も増え、2021年にスターバックスコーヒーやユニバーサル・スタジオ・ジャパン、2022年にドン・キホーテやスーパー大手のユニー、2023年にはりそな銀行などで、今まで制限のあった髪色を自由化する動きが広まっています。

これにはコロナ禍によるリモートワークで人に会わない働き方が日常化したことで、自分が本当にやりたい髪色にチャレンジする人が増えた背景が。

ユニーでは、髪色や服装の規定を緩和したことで「従業員のモチベーションが上がった」「従業員同士や客とのコミュニケーションが増えた」「パート従業員の応募者数増加」「主体性が伸び、売り上げ・来客数が前年よりあがった」店舗もあるそう。

SDGsの観点からも、見た目の印象で「企業イメージを守る」という考え方が払拭され、各企業は「自社らしさ」を模索しています。

【2022年からの流れ】これからのアラフィフの頭皮に危険信号

ここ数年、大人世代を中心に頭皮トラブルをうったえる声が増えていると言います。

高校卒業と同時にヘアカラーブームを迎え、ファッションカラーを長年楽しんできた世代が白髪世代に突入。

3〜4週間に一度は白髪のリタッチを行うなど、白髪染め頻度が増えたことにより、頭皮へのかゆみや違和感を覚える女性が急増していると言えます。

ボーリー

「白髪ぼかし」によるヘアカラー頻度のコントロールや「ヘナ」「ノンジアミンカラー」など剤の提案、さまざまな対策方法を『ボブログ』では今後も企画していきます。

月刊NEXT LEADER 2023年11月号
月刊NEXT LEADER 2023年11月号
1,870円(税込)
高齢化が進む中、大人世代が美容室のメインターゲットとされてきたが、日本人の年齢の中央値である40代後半を境に、そのマインドは変わっていく。
バブルの恩恵を受けなかったため、ラグジュアリーに対する憧れはさほどない。
茶髪ブームを機にカラーを続けてきた結果、頭皮と髪の状態は以前より深刻だ。
SNSを駆使しトレンドに敏感な一方で、素材面ではエイジングに悩む40~50代。
これからの大人世代のスタンダードとなる“新・エイジング世代”を徹底研究する。


ランキング外「2023年の美容業界関連ニュース」

【5月8日】新型コロナウィルス5類へ

2023年3月13日からマスクの着用は個人の判断となり、5月8日からは新型コロナウィルス感染症の感染症法上の位置付けはインフルエンザと同じ5類に移行。

大半の美容室ではお客さまにマスクの着用を求めなくなりました。

一方、美容室限定のデータではありませんが、MS&Consultingが接客業を対象に行なったアンケートでは「マスクなし接客」に抵抗を感じる声も。スタッフに営業中はマスクを着用するように義務づけている美容室も数は減ったものの引き続き見受けられます。

『マスクなし接客』をお客様はどう思っている? |2023年3月調査

2023年3月13日からはマスクの着用は個人の判断が基本となりました。歓迎する声がある一方で、不安視する声もあります。お客様は店舗の「マスクなし接客」についてどう捉えているのでしょうか? 消費者1,060名にマスクなし接客についてどう思うかを聞いたところ、「すべてのお店でマスクを着けていてほしい 」と回答した人は 44.0%でした。

(出典:(株)MS&Consulting「『マスクなし接客』をお客さまはどう思っている?」https://www.msandc.co.jp/info/column/ms/corona/case291

【7月28日】最低賃金が過去最大の上げ幅 全国平均1002円に

2023年度の最低賃金(時給)について、厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会が28日、全国平均で41円に引き上げるとする目安を取りまとめた。この通りに改定された場合、最低賃金の全国平均は時給1,002円となり、初の1,000台に達する。引き上げ額は昨年度の31円を上回り、上昇率(4.3%)とともに過去最高となった。

ボーリー

ニュースの後に審議会を経て、最終的な全国平均額は1,004円になりました。改訂前の全国平均は時給961円だったので、時給1,004円まで上がると「客単価をどれだけ上げる必要があるのか」「客数をどれだけ増やす必要があるのか」など、美容室経営者はさまざまな改革をしていると思います。

2022年〜2023年はカット料金の値上げも全国的に加速しましたよね。

賃金改定や料金改定を行って1年・・・、各サロンではどんな影響が出ているかを2024年は追い取材します!


どうなる2024年? 変化に負けない価値観を。

2024年に向けて、今後の方針を検討している各編集部に「2024年の注目トピック」を聞きました。

月刊『BOB』

むっしゅタイパ

1年前の『BOB』2023年2月号(1月1日発売)の特集「22名の美容識者の未来予測」では、2023年のキーワードを挙げました。

①美容料金値上げの動き
②外国人の体験型・交流型の美容消費
③美容室のDX化
④美容室のSDGs
⑤動画教育
⑥さらに多様化する働き方
⑦ハイトーン時代の「ケアメニュー」
⑧フェムテックとメンテック

中でも話題になったのはこちら↓

K-BEAUTYの衝撃
K-BEAUTYの衝撃
1,650円(税込)
瞬く間に浸透した韓国ヘア。あなたは、発信源の美容師を知っていますか? 実はいま、海を越えたMZ世代の活躍が著しく、個性豊かな美容師たちが技を競い合っています。そこで今回、BOB編集部は緊急渡韓。そこで見えたのは技術を追求し、マーケティングに長け、発信力があり、何より野心がある——本当の韓国美容師たちの姿。完全保存版の1冊です。
韓国パーマ技術 完全版
韓国パーマ技術 完全版
1,650円(税込)
日本でも定番化している韓国ヘアですが、現場ではカラーよりも実はパーマがスタンダード。デザインはもちろん、質感や毛流れもすべてパーマでつくります。今回、渡韓し本場・韓国パーマを探るべく取材・撮影を実施! 韓国ヘアの生みの親として知られる「CHAHONG」(チャホン)が、秘伝のパーマ技術を公開します。また、日本人の髪質に合わせて髪質改善をプラスした、巻き髪パーマの達人2名を取材。韓国パーマ技術の完全版をご覧あれ!


2024年は、以下のテーマを中心に特集を企画していきます。

【2024年の注力コンテンツ】
・特化型からデザイン/似合わせへの回帰
・多様化するブリーチの使い方
・韓国ヘア、ワンホンヘアを含めた「ニュー・アジア」のヘアデザイン
・パーマメソッドの進化
・海外美容師/海外美容室
・メニューと「タイムパフォーマンス」の見直し
・美髪はクセを「活かす」流れ

月刊『NEXT LEADER』

ネコスト君

1年前の『NEXT LEADER』2023年2月号(1月1日発売)では、美容業界における2023年の経営キーワードを7つピックアップし、関連特集を展開してきました。

インボイス制度の影響
原材料高騰によるインフレの影響
スモールM&Aの増加
ECの普及で伸びるサロン店販
教育サロンのフリーランスサロンの併設
⑥企業価値となるCSR
⑦ターゲットを絞った特化型集客

中でも注目されていた特集がこちら!

メンズ客の単価アップ
メンズ客の単価アップ
1,870円(税込)
依然盛り上がりを見せるメンズビューティ市場。来店周期が短い、失客しにくいというメンズ客のメリットは変わらないまま、課題だった単価が上げやすくなっている。美意識が高まれば、可処分所得が高い男性もいるだけにポテンシャルは高い。サロンの生産性を押し上げる単価アップ戦路をひも解く。
多様化時代の働き方
多様化時代の働き方
1,870円(税込)
この数年、美容業界では一気に働き方改革が進み、待遇も改善されてきた。しかし、柔軟な働き方は生産性の向上やモチベーションアップにつながる一方で、目標や将来像が定まっていない人にとっては自由さが不安につながる場合もある。正規雇用サロンへの出戻りが増えているのはこうした背景もあるだろう。多様性への対応がマストとなった今だからこそ、あらためて新時代の働き方を再考する。


2024年、月刊『NEXT LEADER』は以下のテーマを中心に総力取材します! 

【2024年の注力コンテンツ】
・スタッフが定着する待遇整備と教育改革
・時間生産性の高いメニューづくり
・サロンの出店戦略とFC制度の整備
・財務3表から考える経営体質の強化
・事業承継とサロンの出口戦略

2024年もご期待ください!!

2024年、韓国関連の最新情報

・韓国直伝の「ロッドに負荷をかけずに巻ける新感覚パーマ」が日本でも販売開始する。2月に無重力パーマ認定講師会も発足予定

・4月 「韓国研修ツアー」を開催(主催:髪書房)

・2024年夏頃、韓国BOBアカデミーが表参道に韓国ヘアアカデミーを設立予定

2023年、お申し込みが殺到した「韓国研修ツアー」。

今年4月の開催スケジュールとお申し込みは今月末から髪書房の公式インスタと「ボブログ」で告知します。お見逃しなく!

2023年に続き、韓国ヘアや日韓交流は盛んな動き。2024年は韓国だけでなく、海外へ進出する日本の美容室も増える動きがあり、国内だけでなく海外とのパイプも強化される年になりそうです。

WEBメディア『ボブログ』

2023年3月、髪書房のオウンドメディア「ボブログTV」は、動画を中心としたWebメディアから、より早く美容室に必要な情報を届けるWebメディアとして生まれ変わりました。

ボーリー

これまでになく早いスピードで時代が動いている今、「美容室の現場で何が起きているのか?」「これから何が起こるのか?」「ネットで話題の情報は実際どうなの?」「これまでの定説をくつがえす動き」など、パラダイムシフトの芽をいち早く見つけ、掘り下げ、お届けするWebメディアを目指します!

【2024年の掘り下げコンテンツ】
・ネットで話題の「あのヘア情報」実際どうなの?
・ハイトーンカラーのその先
・WEB3.0時代の美容室

・あのサロンがECで店販が伸びた理由
・値上げと年収
外国人美容師の活躍と外国人の美容消費
・美容師だけじゃない稼ぎ方 〜二足のわらじ美容師〜


変化が激しい時代こそ、変化に負けない価値観を持つことが欠かせません。

2024年も、美容師の皆様やその先のお客さまにとって価値ある情報が発信できるよう、髪書房一同努めてまいります! 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

YAHAGI
執筆者
YAHAGI

ほぼ毎日WEB記事、ときどき単行本。

Prev

Next