美容師国家試験が変わる?試験内容から合格率までも合わせて解説!

美容師国家試験が変わる?試験内容から合格率までも合わせて解説!

211

美容師になるための登竜門となる“美容師国家試験”。

受講者の方にとっては、これまで勉強してきたことや練習の成果が試される、まさに決戦の場です。さらに近年では、試験内容が変更の動きもあるようです。

緊張感が高まる話ではありますが、正しい情報を知ってきちんとした対策をしていきましょう。今回は、美容師国家試験の内容と合格のための対策、今後の変更点についてまとめました。

Contents
盛(サカリ) / ママ美容師ライター
Profile
盛(サカリ)

ママ美容師ライター

山形出身・在住のフリーランス美容師。現役で美容師をしながら美容師専門のWEBライターとしてさまざまな業界メディア等で執筆。ママ美容師の新しい働き方や活躍の場を広げるために活動中の2児の母。当時の実技試験はオールウェーブ。D判定から奇跡的に合格し、あれから10年以上経ち、同級生は数えるほどしか美容師を続けていないので、不器用でも続けることが大事だとこれから試験を受ける全ての方に伝えたい。

美容師国家試験とは

美容師になるのに必要な国家資格である美容師免許を取得するための試験のことです。美容師免許を持っていないと、美容室にてお客様に施術で行うことは美容師法によって禁止されています。

試験は2月と8月の2回実施されており、受験するには美容師養成施設か美容師通信課程の修了が必須とされています。毎年約2万5千人以上もの人が受験し、合格した人は晴れて美容師としてお客様に施術を行うことができます。

試験は2つの課題で構成される

試験は実技するために、試験と筆記試験に分かれています。試験に合格するために、内容を把握しておきましょう

実技試験

実際にウィッグを用いての技術チェックを行います。「カッティング」と「セッティング」の2つが必修で、正しく動画使われているかや事前に知らされている課題の見本と同様の仕上がりになっているかなどが細かく審査されます。

第1課題:カッティング

カットの試験で、試験時間は20分です。スタイル構成や技術条件などについて様々な条件が指定されるため、それに沿ってカットを行います。近年は、均等な長さでカットするレイヤースタイルが課題となっています。

第2課題:セッティング

セッティングはワインディングとオールウェーブセッティングの2種類があります。毎年試験前に、どちらの課題が出されるかが発表され、毎年変わります。試験時間は、ワインディングの場合は20分、オールウェーブセッティングの場合は25分です。

また、試験中は以下の3つ「衛生実技試験審査」も同時に行われています。実技そのものに問題がなかったとしても、衛生審査で不合格となるケースも珍しくありません。

1.「動的審査」 … 試験中に技術を安全かつ衛生面に留意して進めているか。

2.「静的審査」 … 試験を開始する前の受験者の身体と服装、また使用する用具類が試験においてふさわしいものであるか。

3.「確認的審査」 … 試験終了後に用具類の衛生的処理状況について正しいかどうか。

技術面だけでなく、美容師としてお客様の安全を考慮し、基準を満たす身だしなみや清潔な用具類の手入れを心がけておきましょう。

筆記試験

筆記試験では、美容師として必要な知識が問われます。美容師に関連する制度や法律、社会情勢と衛星に関する知識、人体や皮膚の構造などどれも必須科目です。
大きく分けると以下の8つの項目からランダムに出題されるので、幅広く勉強する必要があります。

1. 関連法令・制度
2. 公衆衛生・環境衛生
3. 感染症
4. 衛星管理技術
5. 人体の構造及び機能
6. 皮膚科学
7. 美容の物理・化学
8. 美容理論

学生時代は試験に合格するためだけに、詰め込むようにして勉強してしまいがちですが、実際に美容室の現場に立った時や店舗開業する際は非常に役立つ知識となります。試験勉強中から、実践で使用することを意識して学んでいきましょう。

近年の受験者数と合格率は?

まず、過去4回分の申込者数から合格率を見ていきましょう。

第48回美容師国家試験(2023年8月)
受験申込者数:4,387人
受験者数:4,149人
合格者数:2,478人
合格率:59.7%

第47回美容師国家試験(2023年2月)
受験申込者数:19,852人
受験者数:19,505人
合格者数:17,266人
合格率:88.5%

第46回美容師国家試験(2022年8月)
受験申込者数:3,828人
受験者数:3,548人
合格者数:2,145人
合格率:60.5%

第45回美容師国家試験(2022年2月)
受験申込者数:18,836人
受験者数:18,536人
合格者数:17,104人
合格率:92.3%

引用元:公益財団法人理容師美容師試験研修センター

美容学校の卒業時期とも被るため、毎年2月は8月に比べて倍以上の申し込みがあります。

専門学校では美容師国家試験の対策を強化しているところが多いため、8月試験の場合は約50%から60%に対して2月の試験の合格率は約80%から90%程度という差がつきやすいようです。ですが、2月8月で試験の難易度が変わるということはありません。

合格率を見ると不安を感じるかもしれませんが、しっかり勉強や練習をすれば高い確率で合格できますので、当日まで気を抜かずに試験対策に取り組んでいきましょう。

合格の基準と不合格の傾向

合格の基準も例年大きな変化はありません。筆記試験マークシート形式で50問出題され、60%以上の正答率で合格となります。

しかし、各項目で1つでも無得点があると60%以上の正答率でも不合格となりますので、満遍なく勉強することがポイントです。

実技試験は、減点方式で審査されます。カッティングは40点以上の原点、セッティングは50点以上の原点で不合格です。このとき気をつけたいのが受講者の身だしなみです。用具の衛生情報も審査対象となり、30点以上の原点で不合格です。

忘れ物をするといくら清潔にしていても大幅な減点対象になりますので持ち物は必ず確認しましょう。

試験当日まで気を抜かないで!

これまで真剣に取り組んできたからこそ、当日は不安や緊張もあるでしょう。落ち着いて毎日の練習通りに行えば、大きなミスに繋がる可能性は低くなるでしょうから、焦らず丁寧に試験に臨みましょう。

また、当日に体調を崩してしまうとこれまでの努力も水の泡となってしまいます。健康管理に気を抜かず、当日は万全の状態で実力が発揮できるように準備しておきましょうね。

オールウェーブが廃止に!
まつエクが実技試験に?

2022年3月30日に開催された、厚生労働省の「第3回 美容師の養成のあり方に関する検討会」において、美容業界の有識者を招いて今後の実技試験を見直す方針となりました。卒業後の学生がサロンワークの戦略になるまで時間がかかりすぎるという、長年の課題の解決のため挙げられていた点を改善するためです。

その中でも、「国家試験(実技試験)の改善」では、美容師国家試験の実技において「まつ毛エクステンション」を導入し、「オールウェーブ」は今後行うかどうか整理を検討することとなりました。

「まつ毛エクステンション」を導入するにあたり、公正で公平な試験の実施が可能かを具体的に検討すると同時にヘアカラーなどの他の実技試験科目についても検討予定とのことです。

詳しくはこちら「美容師免許国家試験 オールウェーブ試験を廃止へ」

見直しに対する美容師の見解

「オールウェーブ」の実用性と「まつ毛エクステンション」の導入については、受験経験者の美容師の見解は賛否が分かれているようです。

まつ毛エクステンションでは特に「男性美容師が女性の顔に近づいて目元に触れるという技術に抵抗を感じる」といった意見がありました。

オールウェーブでは、サロンワークでの実用性が低いことから見直しを求める声が多かったです。一方で「オールウェーブを学ぶことが基礎的な技術の習得につながる」、「成人式や社交ダンスなどのヘアメイクの場で活かすことができた」といった肯定的な意見もありました。

まとめ

今回の記事は、美容師国家試験の内容の詳細についてご紹介しました。

実技試験も筆記試験も、一朝一夕で身につくものではありません。日々の積み上げを大切に勉強に取り組みましょう。

繰り返しにはなりますが、技術が優れていても衛生面や忘れ物で残念な結果になってしまう事例も過去には多々ありますので、最後まで気を抜かないでくださいね。試験というと身構えてしまうかもしれませんが、きちんと試験内容の情報を知った上で対策を練っておけば、良い結果に繋がるはずです。試験当日は落ち着いて臨み、これまでの成果を十分に発揮してください。

そして、国家試験合格は美容師になるためのスタート地点です。試験に合格したらかといって勉強や練習はおしまいではありません。試験合格のために努力したことは、今後美容師としてさまざまな知識や技術を身につけていく上で重要な土台となることでしょう。
美容師になってからも練習や勉強を探求し続けれらる人が、長く売れる美容師になれるのです。勉強や練習をした習慣は、ぜひ続けてくださいね。

美容師を志すみなさんが無事国家試験に合格し、今後の美容業界の発展を担ってくれることを願っています。

サカリ
執筆者
サカリ

美容師ライター。二児の母。

Prev

Next