剃り込みが深くなるM字、頭頂部が薄くなるO字、M字とO字が複合したU字の３つがあります。
ウイッグで擬似的に３つの型の薄毛をつくり、カバーするための基本的な考え方を紹介します。

ここからは、M字の薄毛をカバーする基本テクを学びつつ、アップバングにできるスッキリとしたショートスタイルに仕上げていきます。

薄毛をカバーするカットで大切なのは、どんな型でもカバーする髪を分けとっておくことです。
特にウエット時は髪が減って見えるので、厚めに残しましょう。

毛量が少ない部分は、サイドから前髪として髪を足すイメージです（プロセス1、4）。足した部分の髪は、必要以上に切りすぎないように注意しましょう。

トップはカバーとして残す部分です。これ以外は通常のプロセスで髪型をつくっていきます

前髪の端からバックセンターまでカットし、ウエイトを設定します。アンダーは刈り上げます。

カバーとして分けとっておいた髪を使って、トップにレイヤーを入れていきます。M字をカバーする部分や前髪の長さを切らないように、それぞれ引き出すパネルを見極めながら切るのがポイントです

カバーする髪の長さと、もともとの髪の長さが異なるため、真横に引き出すと長さが違います。通常は長さがそろっていなくて間違いですが、M字をカバーするカットなので、これが正解です。

剃り込みをカバーする前髪部分はもっとも注意が必要です（プロセス4）。これ以上長さを切らずにレイヤーを入れるため、バック方向にダイレクションをかけて長さを残しながらつなげます。

セニングで失敗する人が多いです。薄毛対応のセニングテクを習得することはもちろんですが、お客さまにとっては「髪をすく＝薄くなる、割れる」とデリケートなところでもあります。ていねいに、慎重にカットしている雰囲気づくりも重要です。

しっかりと深いM字の薄毛を隠したヘアスタイルに切り上がりました！

ここからは顔周りを長めにした重めスタイルを紹介します。基本的な考え方はショートスタイルと同様です。

横が張って見えるので、サイドはとり、トップはとりすぎないように毛量調整します。薄毛部分と毛量が多い部分の毛先の質感を合わせるようにセニングを入れましょう。

今回紹介した２つのヘアスタイルのスタイリング方法は連載第４回にて紹介予定です。
お楽しみに！