モデル編/M字の薄毛カバー【第6回】

モデル編/M字の薄毛カバー【第6回】

211

薄毛専門サロンRELIVE(リライブ/東京・吉祥寺)の栗田卓弥さんと益満千尋さんによる、薄毛対応のメンズカットテクニックを披露する連載です。
第6回はM字の薄毛に悩むモデルカット編です。

Contents

これまでのおさらい

前回のO字の薄毛カバーに続いて、今回はM字の薄毛カバーモデル編です。

ウイッグでの復習はこちらから!

before

M字部分
栗田さん

M字の薄毛をカバーするので、前髪の厚さをそろえていくことがカットのポイントです

カウンセリング方法については→こちらからチェック!

アンダーを切る

栗田さん

まずは薄毛のデザインとは関係ないアンダーを切ります。
今回のモデルの場合はアンダーの毛量も少ないので
バリカンは使わず、透けすぎない程度に短くカットしていきます。

1.こめかみの高さでサイドは平行ぎみに、バックはU字に分けとる。
ツーブロックラインを平行に分ける理由は→こちら
2.ツーブロックラインに沿って、1線目の長さを決める。
3.バック1線目も同様につなげてカット。
4.1線目のウエイト位置に合わせて下から切っていく。
5.もみあげはトリマーで下に向かって細長くなるように仕上げる。
6.アンダーの切り上がり。

もみあげはスッキリと

スッキリ前

スッキリ前

スッキリ後

スッキリ後
M字が薄い場合フェイスラインがなめらかにつながっていないと、薄くなっているように見えることも。

前髪を切る

栗田さん

切り始める前に前髪の厚さどのくらいの長さが似合うかを決めます。
短いほど厚みは出ますが、顔立ちに合わせてデザインしましょう。

疑似前髪をつくり、流す方向を決める

実際の前髪の毛量

実際の前髪の毛量

疑似前髪で毛量を増やす

疑似前髪で毛量を増やす
他の部分から前髪として足せる部分を持ってきて、毛量と厚みをだせる長さの確認をする。

ウイッグでのM字の薄毛カバーは→こちらで確認!

1.前髪の位置に引き出してカットしていく。
2.センターもそのままつなげてカット。
3.前髪の切り上がり。

パネルは必ず前髪の位置で引き出す

OK

OK
後ろやサイドから髪を足していても、前髪になるので、必ず前髪の位置でカット。

NG

NG
サイドに引き出すと長さが変わって穴があいてしまうのでNG!
4.ツーブロックラインのウエイトと前髪の端をつなげる。
5.そのまま平行にカット。
6.こめかみの髪をトリマーでカット。

こめかみの髪は前髪の長さにそろえる

スッキリ前

スッキリ前
M字の薄毛の場合、前髪よりこめかみの髪が出ていると、M字の深さが強調されてしまう。

スッキリ後

スッキリ後
前髪の長さに合わせてカット。こめかみ〜もみあげまでのカットラインがスッキリした。
7.5からつなげてサイドをカット。
8.バックまでつなげる。

トップ〜サイドを切る

1.トップにレイヤーを入れる。M字をカバーする髪の長さを確認。
2.カバーする髪を切らないようにレイヤーを入れる。
3.放射状にレイヤーを入れる。その際、ガイドは無視する。
4.トップとサイドをつなげてレイヤーを入れる。
5.カバーする髪の手前まで放射状に切り進める。
6.カバーする髪を切ると穴があいてしまうので絶対に切らない。

バックを切る

栗田さん

バックは薄毛に関係ない部分なので
ヘアデザイン重視でカットしていきます

1.トップとバックをつなげる。
2.レイヤーを入れる。

切り上がり(ウエット時/ドライ後)

毛量調整する

栗田さん

サイドとバックは通常通りにセニングを入れます。
M字が薄い場合、頭頂部のO字部分も薄くなり始めている場合があるので、
髪を梳きすぎないように注意しながらセニングを入れましょう。

梳いてはいけない部分はブロッキング

M字まわりはもちろん

M字まわりはもちろん

O字まわりも注意が必要

O字まわりも注意が必要
1.サイドは薄毛と関係ない部分なので、通常どおりに根元からセニングを入れる。
2.バックも同様に根元から梳く。O字周辺は梳きすぎないよう注意。
栗田さん

M字の前髪にセニングを入れるときは
表面から入れると、梳き具合がわからないため
必ず生え際からスタートします。

1線目→梳く必要があるのか確認しながら、毛先中心に。
2線目→重なる透け感を確認しながら、毛先中心に。
3線目以降(表面)→動きを出せる部分なので、中間〜毛先中心に。

2線目までが前髪の厚さに影響します。
必ず十分な厚みを確保できているか確認しながらセニングを入れましょう。

3.前髪の生え際1線目は毛先のみセニングを入れ、ぱつんとしたラインをぼかす。
4.2線目は透け感を確認しながら毛先中心にセニングを入れる。十分な厚みを確保できたかチェック。
5.3線目以降は動きを出したい部分の中間〜毛先にセニングを入れる。
6.頭頂部付近はO字の透け方を確認しながらセニングを入れる。

セニング後

眉カット

RELIVEでは眉カットも基本メニューの1つ。セニング後に眉を整える。

スタイリング

栗田さん

スタイリングするときの毛流れの方向をお客さまに伝えながらセットしていきます。

1.濡れた髪にパウダーミストを15〜20プッシュし、手ぐしでなじませる。
2.全体にしっかりとなじませる。
3.スタイリングしながらポイントを説明する。前髪の流す方向を確認。
4.バックもつむじの位置から前方へ流す毛流れの方向も伝える。
5.流す方向に沿ってドライヤーの風を当てる。
6.バックも毛流れに沿ってセット。
4.男性は汗をかきやすいので、前髪を少し浮かせる。最後にハードスプレーで固定する。

薄毛専門サロンのスタイリングのコツ

ウエット時に使うスタイリング剤は、太い束感ができないものを選ぶのがポイント。ワックスだと束感が太くなり、地肌が見えて薄毛が目立ってしまうため。
RELIVEではスタイリング剤はステージワークス パウダーシェイク(資生堂)を使用している。ウエット時につけて乾かすだけで適度なゴワつきができ、セルフスタイリングでも再現しやすい。

スタイリング後

どこから見てもクールなビジネスマンヘアに

益満千尋、栗田卓弥 / RELIVE(リライブ)代表/東京・吉祥寺
Profile
益満千尋、栗田卓弥

RELIVE(リライブ)代表/東京・吉祥寺

(左)ますみつちひろ
1988年2月25日生まれ。鹿児島県出身。日本美容専門学校卒業。都内2店舗を経て、2014年、東京・吉祥寺にCOLOオープン。’22年同地に薄毛に悩む男性のための完全個室美容室RELIVEをオープン。

(右)くりたたくや
1987年9月11日生まれ。埼玉県出身。日本美容専門学校卒業。都内1店舗を経て、’22年同地に薄毛に悩む男性のための完全個室美容室RELIVEを益満氏とともにオープン。

RELIVEのwebサイト
https://relive-tokyo.com/

マキピピ
執筆者
マキピピ

ヘアデザインのこと、パーマ、データ分析が得意な全頭ブリーチ族。好きなことは海外旅行。苦手なことは貯金。

Prev

Next