韓国ヘアシーンを牽引する実力派 〈ペク・スンシク〉とスンシキヘアの17年
韓国の首都・ソウルに編集部が飛び、現地取材。K-ビューティの最前線で活躍する、若き美容師たちを紹介する。
第10回は、日本からの注目度も抜群なSOONSIKI HAIRの「ペク・シンシク」代表
写真:相原サン
通訳:イ・ジョンオク
※「BOB」2023年3月号より抜粋
SOONSIKI HAIR代表
ペク・スンシク
スンシクヘアのあるホンデ(弘大)は弘益大学校を中心に若者の集う、日本でいうところの原宿にあたる学生街だ。流行の移り変わりが激しく、この地で10年以上続くサロンは多くない。そんな街で17年間にもわたってトレンドを率いているのが「スンシキヘア(SOONSIKI HAIR)」だ。
サロンはカラーやメンズ、特殊スタイルメインで攻めたデザインが特徴のフラッグシップ店と、パーマがメインでコンサバ客層が多いロマンティック店の2店舗を展開している。ネオンサインが目を惹く内装はアパレル店などを手がける業者に依頼し、CM撮影などでもよく使用されるようだ。
クリエーションの探究
スタッフが入れ替わりながらも17年間にわたってトレンドを牽引し続けられる理由は、スタッフのクリエーションを追い求める姿勢にある。
スンシキヘアには、スタイリスト全員が定期的にポートフォリオを製作する文化が根付いている。さらにアシスタントも自主的に作品撮影をすると表彰される仕組みもあり、まさにサロン一丸となってクリエーションに取り組んでいるのだ。また、スタイリストデビューにはヘアショーを披露することが条件となる。ヘアメイクから演出はもちろんだが、宣伝から当日の進行まで文字通り“すべて”をアシスタントだけでつくりあげるのだ。
×理容のフュージョンスタイル
そんなスンシキヘアの代表、ペク・スンシクさんの強みの1つが理美容両方の免許を持つダブルライセンスだ。理美容のフュージョンスタイルにバーバー独自の接客カルチャーを取り入れ、スンシクさんを筆頭に他サロンと差別化を図った。これが功を奏し、中にはメンズ売り上げだけで月3000万ウォン(約340万円)を稼ぐスタイリストも誕生した。理容を取り入れたきっかけは、スンシクさんの叔父がバーバーを営んでいて、小さい頃からそのカルチャーに触れていたからだという。
「韓国にハイクラスなバーバーをつくって欲しい、という叔父の夢を叶えました」
理容業界の諸先輩に本気度を示すため、技能長という資格も取得。これは10年以上のキャリアがないと試験を受けることすらできない難関資格だ。そんな高い技術を求め、外国人のラッパーやモデル、ダンサーも多く来店する。
素人離れした筋肉の持ち主
実はスンシクさん、体づくりにも非常にストイック。少しでも美容師としての現役寿命を伸ばすために炭水化物を抜いたりと、食事にも気を遣っている。技術のトレーニングも独特で、バレイヤージュの練習ではあえて本番より重いボードを使ってバランス感覚を鍛え上げるのだとか。
韓国サロンの“おもてなし”
おもてなしも一流で、アメニティリストにチェックを入れると、充電器やウエットティッシュ、カイロなどをポーチに入れて持ってきてくれる仕組みがある。アンケートをとって香りや雰囲気、トイレのBGMに至るまでお客の要望に合わせて常に変化を欠かさない。
近年は日本美容学生からの就職希望も多く、K-POPアイドルのように日韓の移動が活発化しそうな兆しだ。“墨消し”のカラー技術は中東やアメリカのお客からの需要も高く、K-ビューティはますますワールドワイドになるだろう。東京・表参道エリアへの出店も夢見るスンシクさんの躍進は止まらない。
- Salon Information
- SOONSIKI HAIR(スンシキヘア)
代表:ペク・スンシク / 創業:2005年 / スタッフ数:45名 / 店舗数:2店舗
住所 | 5F,29 Wausan-ro 21-gil, Mapo-gu, Seoul |
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MAP | Google map |
- Instagram : @soonsiki
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