最強メンター美容師になろう!!③ 〜自分の世界と相手の世界がある

最強メンター美容師になろう!!③ 〜自分の世界と相手の世界がある

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連載:最強メンター美容師になろう!

●手が空いてそうなアシスタントが、ヘルプに入ってくれると思ったら入ってくれずイラっとした。

●お店の中にモチベーションの高いスタッフ、あまり高くないスタッフがいて、どちらに合わせて教育したらいいのかわからない。

●「スタイリストデビューのために明日から朝練頑張ります!」と元気よく話をしていたのに、翌日遅刻してきた。

など…

挙げだすとキリがないくらい、美容室という環境では「人にまつわるモヤモヤ」が日々起きていますよね。

さらに、労働集約型産業である美容室では人が辞めてしまうことでのマイナスは非常に大きい。それがAIに負けない武器でありつつも、多様な価値観を持つスタッフたちの教育はとても難しいものです。

そんな悩みを持つ現場のリーダー、店長、未来のリーダーたちに知って欲しいのが『メンター美容師』という概念。

過去の連載はこちら。美容業界No.1エンタメコーチの中野友介さん・Lond代表取締役 甲斐紀行さんのお2人が、「メンターってなに?」「なぜ今必要?」という問いに答えています。

今回は第3回目。メンター美容師に必要な5つの心得の2つめについて学んでいきましょう。

美容室あるある2「先輩にとっての“適正”と後輩にとっての“適正”が違う」

今回も引き続き、「メンター美容師になりたい人」として徳永恵里さん(December/東京・原宿)に参加いただいています。

店舗の中ではディレクターとして、また「メンター美容師」をめざすリーダーとして、リアルなお悩みの一つを動画の中で紹介してくださっています。

今回のお悩みは…?

徳永さん

各月ごとの売上目標を立ててもらうのですが、「これくらいを目指して欲しい」という数字よりもちょっと低いな…と思ってしまったことがありました。

お店としても私としても、もうすこし売り上げに貪欲になって欲しいなと思うんですが、どんな風に伝えたらいいのか悩んでいます。

 

そんなお悩みに対する今回の動画はこちら!


メンター美容師心得その2 自分の世界と相手の世界がある

「自分の世界」と「相手の世界」とは?

お客さまと美容師との関係に置き換えて、考えてみましょう。

例えばお客さまのカウンセリング時にブルー系のヘアカラーを希望されたとします。

色の染め上がりを見て、美容師から見たら「ブルー系」に仕上げたつもりなのに、後からお客さまに「グリーンにされた」というクレームになった、そんなことを見たことはないでしょうか。

これが「自分の世界」と「相手の世界」の違いです。

価値観の違いとも言えますが、思っている着地点が違っていたり、思い描いている景色が違うということは誰にでも起こりうることです。

動画のように、

徳永さんが思っている「スタイリスト2年目だったら●●●万円くらい売り上げて欲しい」という世界と

BOB子さんが思う「自分の今の状態なら●●●万円くらい売り上げるのが当たり前」という世界があり、どちらが正しい・正しくないということではなく、両方存在していることを認識する必要があります。

「自分の世界」と「相手の世界」の違いに気づくにはどうしたらいい?

とは言え、「そんなこと言われなくてもわかってる! でもうまく理解できないんです(涙)」と言われる方が大半だと思います。

その違いに気づける人になるためには、

・自分の中の当たり前を疑う習慣をつける

・あらゆる事象に対して疑問を持つクセをつける

これらの習慣を身につけることが、遠回りのように見えながら近道になります。

ただし、大前提として

違いを見つけることが大事なのではなく、相手から言われることを受け止める姿勢が大事です!

つまり、「ありのままを受け入れる」という心得1つめの内容にもつながりますね。

相手の世界を見るためには?

相手の世界を見るためには、相手のことに興味を持つことが大切です。

そして興味を持つには、相手の視線に自分の視線を合わせることで興味の度合いが深まっていきます。

具体的にどんなことをするかと言うと、

・その子の過去1年を一緒に振り返り、追体験してみる(どんな目標を立てていたのか、どんな気持ちで過ごしていたのか、大変だったことや嬉しかったことを聞いてみる)

・目標を立てて達成できた経験・できなかった経験について聞き、目標に対してどんな認識を持っているのか一緒に振り返ってみる

相手が過ごしてきた過去やこれまでの思考について一緒にたどる時間をつくることで、より相手に対する解像度が上がっていきます。

むしろ、この振り返りがないまま一方的に「もっと目標値を上げないとダメだよ!」と頭ごなしに伝えるのは逆効果!! 絶対にやってはいけません。

「私のことに興味を持ってもらえているな」と思うからこそ先輩の話を真剣に聞こうと思うのです。自分を理解しようと言う姿勢が伝わらないまま、数字のことだけを指摘されてもスタッフには響きません。

メンター美容師としては、「自分から視線を合わせにいく」と言う姿勢が大事なのです!

感情にはどう寄り添う?

相手の過去の思考を掘り下げていく中で、「私は●●ができないから、これくらいの数字にしました」と言うような否定的な考え方をベースに目標を立てているケースもあります。

これをやみくもに「君ならできる!」とか「大丈夫!」と言う根拠のない励ましをされた経験・した経験、ありませんか?(笑)

そのネガティブな感情を無理やりポジティブに変えるのはとても難しいし、かえって「自分のことをちゃんと聞いてもらえなかったな、、」と相手に思われる可能性もあります。

【ネガティブ=危機回避能力】

のこと。売り上げの例で言うと、地に足のついた目標設定ができる子だと言い換えることもできます。

ネガティブな気持ちの中に、いかにメンター美容師が「未来に繋がるヒント」を見つけられるのか。

ネガティブをマイナスなことととらえず、その感情の中にも「良さ」を見出し、しっかりと伝えてあげるのがメンター美容師の役割です!

実践編/売り上げを上げたい!と思ってもらうには?

今までの内容、「わかっちゃいるけどな〜…売り上げはあげて欲しいんだよな〜…」と思っている方、大半かと思います(笑)。

そんな方に実践編として、「目標をめざしたくなるようなコミュニケーション」です。

※動画内で甲斐さんと徳永さんが実践しているので、もう一度チェックしてください!

要点をまとめると…

①その子がめざしたい未来をできるだけ具体的にイメージしてもらう

(どんな家に・どこに住みたいか、休みをどんな風に使いたいか、稼いだお金をどんなことに使いたいか、などなど身近なところから広げていく)

②そのめざす未来にはどんな働き方で、どれくらいのお金があったら達成できそうなのか、一緒に逆算してみる

③今の時点でどれくらい頑張れたらそのお金や働き方が叶えられそうなのか、一緒に逆算してみる

POINTは、その子自身でイメージしてもらい、自分で逆算してもらうこと!

メンター美容師はあくまで問いを投げかけて一緒に考える役割。

その子自身が具体的にイメージを広げられるように導いていくことが大切です。


中野さん

自分の中にある

「〜すべき」

「〜でなければならない」

「〜しなければならない」

と言う思い込みは、きっとこれまで皆さんが大切にしてきたものだと思いますが、

この長年の刷り込みこそブロックになっている場合もあります。

このブロックを外していくことで、コミュニケーションがスムーズに運んでいくかもしれませんよ!

甲斐さん

そういったブロックを外すことで、相手の世界に対する見え方も変わってきます。

相手の世界を知るには、「相手の世界に理解と敬意を払う」こと。

リスペクトと、「知ろう」と言う気持ちや姿勢を自分から見せていくことが、メンター美容師として大切なことです!

徳永さん成長日記

今回から、徳永さんがこのセミナーで得た学びをどんな風にサロンで活かしているのか、その成長日記の一部をお届けします!

徳永さん

コップの水の話は、翌日オーナーにもすぐ話をしました!(笑)

前回の学びから「ありのまま」、フラットに捉えるように意識をしています。

ちょうど4月の年度替わりで役職が変わったスタッフも多く、変化していくスタッフとの接し方が柔らかくなってきた気がします!

「こうしなきゃ」と言う捉え方を解きほぐして、柔軟な気持ちでこれからも接していきたいです!

次回は、メンター美容師の心得その3「自分の正義だけが正しいわけではない」の回です。

お楽しみに〜!

中野友介(エンタメコーチ)・甲斐紀行(Lond/東京) / メンターアカデミー代表
Profile
中野友介(エンタメコーチ)・甲斐紀行(Lond/東京)

メンターアカデミー代表

なかのゆうすけ/1981年9月6日、京都府生まれ。中学時代にグレて道を踏み外すが、24歳の時にメンターとなる美容室オーナーに出会ったことで人生が激変。美容業界No.1の売上をつくる営業マンとなる。現在は美容室のアシスタントやスタイリストのやる気をアップさせるモチベーター・また売り上げアップをサポートする「成功コーチ」として全国のサロンの人材育成に関わる。

かいのりゆき/1986年3月21日、神奈川県生まれ。日本美容専門学校卒業後、都内有名店に入社。その後、美容専門学校の同期6名で「Lond」を起業。現在、グループ企業含めて450名を超える。創業から10年を通して、離職者は総数の1割にも満たず、現在も拡大中。主にスタッフの人材育成とアイラッシュ事業を担う。長年に及ぶメンター教育やコーチング習得を経て、心のあり方から組織の内部強化を担っており、離職率の低下に力を注ぐ。

セミナーに関するお問い合わせは下記InstagramのDMか、LINEから!

ボブログ編集部
執筆者
ボブログ編集部

成長し続ける美容師のための髪書房ウェブメディア『ボブログ』。これまでにないスピードで変革する時代に必要な情報【パラダイムシフトの芽】をいち早く見つけ、掘り下げ、新しい常識を提案します。

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