デジタルサロン協会のプロジェクトが本格化 日本最大級の美容師コミュニティへ

一般社団法人デジタルサロン協会は、今年から共創プロジェクト事業を本格化させる。日本最大級の美容師コミュニティの形成に取り組み、2045年までに会員コミュニティを20万人まで広げる構想を持つ。

協会設立の背景を説明する森越道大事務局長

9日に都内で開催された2024年活動報告&計画発表会にて、森越道大事務局長をはじめとする協会理事たちが報告を行なった。会場には会員や関係者ら約220名が集まった。

今年の活動計画に関する報告では、電子証明書「デジタルディプロマ」、会員向け福利厚生「デジサロプライム」、デジタルヒューマン「アイプロデューサー」といった協会が基幹とする3つのプロジェクトの推進計画を説明した。さらに新プロジェクトとして、美容室業界外の店販市場をターゲットとした「デジサロインカム」を9月にリリースする。またLINEヤフー社との連携を発表し、美容業界における中央集権型システムからの脱却に期待を高めた。今後も他団体と連携したイベント等を実施し、協会の認知と理解を広める方針だ。

DAO(コミュニティ)が主体のプロジェクトでは、デジタルを利用した人事評価システムや業界キャリアマップの制作が進行している。そのほかにも、美容師国家試験に不合格となった生徒をフォローアップして美容師の成り手を取りこぼさない環境整備へ取り組む。協会はこれらの計画にデジタルを活用することで、美容業界のDXリテラシー強化とマインドセットを構築する考えだ。

森越事務局長は「協会の目的は、大企業との意見交換や他団体と連携した政府への提言を通じて、美容業界とテクノロジー業界のハブとなること。その機能を果たしデジタルテクノロジーの業界実装を実現する」と協会の概要を改めて説明した。

発表会の冒頭では、ミルボンの坂下秀憲代表が賛助会員企業代表として挨拶。「接客においてリアルだけのコミュニケーションでは遠慮や時間的な制約によって溝が生まれる。その機会損失を埋めるのがデジタルの役割で、先に訪れる客数減少時代に必要な成長戦略だと考えている。デジタルサロン協会が成長の足枷となる業界課題の解決と、デジタルにおける成長戦略の両輪を推進していく。美容師の皆さんはいかに顧客に体験価値を提供するか、その過程でどのようなコミュニケーションを図るかに100%フォーカスしてほしい」とコメントした。

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