やりたくないわけではないし、
美容師が嫌いなわけじゃない。
だけど、ただ日々をこなしていく中で
駆けるように時間は過ぎる。
ついこの間
産まれたばかりだった我が子も
いつのまにか走り回っている。
子供はどんどん成長してるのに
私なんて…
ブリーチ希望のお客さまが来ると緊張するし、
今なにが流行ってるのかもわかってない。
年齢的にもできないなんて言えるわけもない…
美容師は好き。
もっとできること
増やしたいよ。
「頑張んないと…」
そう思う心とは裏腹に
退勤と同時に雪崩れ込むタスク。
そして今日も寝落ち…
今月のママ美容師のお悩み
(山梨県・35歳・パートスタイリスト)
産後、なかなか練習する時間が取れずにいます。
技術や知識は産前のままで、自信がありません。本当はちゃんと練習したいです。
ママ美容師のみなさんは練習はしていますか?
ママで美容師でライターをやっています
美容師ライターの盛(サカリ)と申します。
美容師歴12年、2人の子供がいるママ美容師です。
現役でサロンワークをしながら、美容師専門のWEBライターとして活動しています。
また、ママ美容師オンラインコミュニティ「MAMABI PARK」にて、ウェビナーメインパーソナリティを務め、さまざまな美容師さんたちの経験や仕事に対する想いをお伺いし、言葉として世に伝えています。
ライフステージによって、働き方の変化を強いられることが多い女性美容師。
美容師として、女性として。その狭間で起こる苦悩。
そんな女性美容師さんたちのリアルなお悩みを、美容師×ママ×ライターならではの視点とたくさんのママ美容師さんたちのご経験を元に解決の糸口を探る、このコーナー。
時は、令和。多様化する生き方や働き方。
誰かが歩いた道を辿るのが、正解とは限らないのです。
女性美容師のカテゴライズできない日々の中で。
パラダイムシフトは加速していく。
「私のようで私じゃない。同じ時代に生きる、どこかの美容師さんのお話。」として読んでいただけたらと思います。
寝落ちする日があってもオッケー! できことから始めよう
産前は練習や講習会はサロンワーク終わりが当たり前だったママ美容師も、
産後は時短勤務でなかなかレッスンができない…
家に帰ってからしようとしても家事に追われ、寝かしつけをしていると気づいたら朝…
「練習しないで入客するなんて…」
産前にたくさん練習した方ほど、そう思ってしまわれるのだと感じます。
相談者様はきっと、これまでたくさんの努力をされてきたのですね。
「芸は身につく」ということわざがあります。
“財産や地位はその人から離れることがあるが、芸は一生離れることなく、能力として用いることもできる”というたとえです。
ママ美容師も産休で長期間休んだとしても、復帰後はちゃんとお客さまに携われる方が多いので、産前の基礎の賜物ですね。
相談者様も日々サロンワークで手を動かしていらっしゃるでしょうから、手が鈍らないための練習というよりも今回のご相談としては「もっと新たな学びを得たい!」という意欲を感じました。
日々仕事だけでなく家庭もあるのに、そう感じることがまず素晴らしい!
ですがもしかして、産前と同じように時間をかけたりする“練習”をご想像されていませんか?
今回もママ美容師オンラインコミュニティ「MAMABIPARK」の総勢180名のママ美容師に「練習事情について」のアンケート調査してみました。
ママ美容師、練習してますか?
「練習をしてる」が75%
「していない」が25%
筆者の予想に反して、多くのママ美容師さんが練習をしているという結果には本当に脱帽ですね。
練習時間はいつ?
「いつ練習しているか?」の質問で多かったのは、
「休日にサロンを開けてもらう」
「自宅サロンなので帰宅後家でやってる」
「少し朝早く出勤してやっている」
ですが、一番多かったのは
「サロンワークの空き時間は練習していいことになっている」
という回答でした。
30代以上のママ美容師は、営業中に練習するのはご法度のような時代でしたよね。
今は、多くのサロンがサロンワークの空き時間や、就業時間内に練習日を設けているところが多いようです。
独身時代のように毎日長時間できなくても、少しずつやったり、集中してできる日はガッツリやったり。
子育ても体力勝負で、寝落ちもママ美容師はあるあるです。
できなくても自分を責めずに、無理のない範囲でされている方が多いようでした。
練習内容は?
気になる練習の内容は、
「オンラインサロンで知識をつける」
「オンラインセミナーを購入する」
など、限られた隙間時間で動画などでのインプットがもっとも多いようでした。
また、
「リアルセミナーに行く」
「資格を取得するためにコースのセミナーに通っている」
とアグレッシブなママ美容師も多くいらっしゃいました。
一人で出来ないという方は、あえてそういう場に飛び込んでいるそうです。
周囲を巻き込み、学ぶ環境をつくる
アシスタントママ美容師さんは、
お店の方と相談しながらカリキュラムをすすめ、添削してもらったり、家でおんぶしながらウイッグをカットしているという強者も!
いずれにせよ、ご家族やお店の方、託児などもうまく利用しながら時間を捻出しているようです。
今はオンラインが普及し、本当にインプットしやすい環境になりましたよね。
MAMABI PARKでも講師の方をお呼びしてオン・オフラインセミナーをママさん価格で開催していただいたり、託児つきのセミナーがあったりとママでも学べる環境を用意していただいています。
また、メンバー同士でZOOMを繋いで技術を教え合ったりもしていて、一人でなかなか練習できない方もみんなで練習できるように工夫されているようです。
本当に意欲的で、
「逆にママになってからの方が勉強している」
「今が一番学びやスキルアップが楽しい」との声も!
「ママだから」というマインドブロックは外して、
励ましあってくれる仲間、理解してもらえる環境があれば、案外できることは多いのかもしれませんね。
今月のお悩みへの“MAMABI的”解決提案
①ママ美容師でも隙間時間で練習できる
②毎日できなくても自分のペースで少しずつでもやってみること
③周りも巻き込んでオッケー! できる環境は自分で作ること
なぜだかママになると臆病になってしまって、
昔より、失敗するのが怖くなっていませんか?
「子供を守るため」
なんていうのは
「自分を守るため」だったのかもしれないと
つくづく感じます。
だけど本当に怖いのは
失敗することじゃなくて
「今の不満な人生が何も変わらないこと」。
どう足掻いたって逃げたって、
昔には戻れない。
ならばせめてこれからは。
子供だって失敗しながら成長してるんです。
ママだって、きっとできるはずです。
これから進んでいきましょう。
良ければ、ご一緒しますよ。
次回のお悩みは・・・?
「転勤だって」
帰宅早々、主人がおとす、ジャケットと肩。
「え…?」びっくりすると、本当に言葉って出ないらしい。
結婚したら転勤はない、と安堵して復帰した美容師。子供も学校に慣れ始めた。お客さまもついてきた。
これからだってのに。かと言って、私と子供で残るなんて…
NEXT→ 夫がいきなり転勤に?その時ママ美容師は?
名前がつかない、この日々で、
パラダイムシフトの途中で。
そんなことを思いながら、今日もサロンに立つ私。
サカリさんへの質問やコラム連載で取り上げてほしいテーマなどは以下のボタンから! 悩みを抱えている女性美容師さん、女性美容師の輝き方を模索している経営者からの質問もお待ちしています。
※質問の際は「サカリさんに質問」と入力してからご質問ください。
- Profile
- 盛(サカリ)
美容師ライター(山形県山形市)
山形県出身、在住。現役美容師。歴12年。2児の母。「華やかに見えて、長時間労働や低収入、人間関係など課題のある美容業界。それでも愛を持って努力しつづけている美容師さんの想いを世に伝えてくこと」を使命に、美容師専門のwebライターとして2022年1月から活動中。美容師メディア「HAIRCAMP」他、美容商材、オンラインサロン等執筆多数。日本最大級ママ美容師コミュニティ「MAMABIPARK」ではメインパーソナリティを務める。当コミュニティメンバーで日々話題となっているさまざまな悩みやキャリアデザインのヒントから今回のコラム執筆に至る。
- Twitter : @waamama_room
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