〈チンジュ〉 パーマが主流の韓国で“ハイトーン”を極めるデザインカラーの伝道師

〈チンジュ〉 パーマが主流の韓国で“ハイトーン”を極めるデザインカラーの伝道師

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特集:K–ビューティの仕掛け人

韓国の首都・ソウルに編集部が飛び、現地取材。K-ビューティの最前線で活躍する、若き美容師たちを紹介する。
第8回はパーマが主流の韓国で、ヘアカラーを主力メニューとして人気を博す「チンジュ(진 주)」さん。

写真:パク・ラン
通訳:シン・ジェウン

※「BOB」2023年3月号より抜粋

カラー講師としても活躍する伝道師

チンジュさんが代表を勤める*「5SHUA(オシュア)」*はブリーチに特化したサロンだ。同じサロンに勤めていた同僚4人と3年前に立ち上げた。

*取材当時。現在は「MAY’V(メイブ)」代表。

そのヘアカラー技術は韓国の美容業界から高く評価され、デザインカラーの伝道師として活躍している。サロンワーク以外は技術セミナーで韓国を駆け回る多忙っぷりだ。また講師としてだけでなく、SNSのセルフスタイリング動画で人気を博すインフルエンサーとしての顔も併せ持つ。

カラー学び直し差別化サロンに

韓国は日本と比べパーマのニーズが非常に高い。そのため、サロンもパーマメニューを主力とするサロンが多い傾向にある。もちろんチンジュさんもかつてはそうだった。

しかし、ある日オンブレやバレイヤージュなどの世界で流行するデザインカラー技術と出会い、衝撃を受けた。そこからゼロからカラー学び直して猛練習。差別化の武器にした。

これまでパーマとカラーの比率は8:2程度だったが、SNSでハイトーンを推してからは5:5までに上った。
長年通ってくれているグラデーションカラーの顧客

「ブリーチはどこでもできますが、グラデーションカラーはできなかったので、ここに差別化しようと経験を積み上げていきました」

南アジア系の髪は赤みが強く、硬い人が多い。韓国人も3回ブリーチしないと赤みが抜けないそうだ。

毎回ではないが、デザインによっては2〜3回のブリーチ必須なのでチャージが100万ウォン(日本円で約11万3,000円)になることも珍しくないとのこと。

インテリア選びも
ヘアカラーが「映える」ものを

白とベージュのツートーンで清潔感のある店内。ナチュラル&シンプルイズベストで、ヘアカラーが映える空間作りを意識したという。

上部に設置されているのはゼログラウェーブ機

他がやらないから
ビジネスのチャンスがある

(取材当時)冬はトーンダウンする人が多く、根元の新生部を生かしたグラーデションカラーが人気なようだ。

チンジュさんが最近おすすめしているのが、ブロックカットしたスタイルの毛先だけに色を入れるデザイン。グレイ、ベージュが混ざった中間色が人気だという。

「韓国ではモグラ色ってよびます(笑)。NAVERの検索からの予約が多いですが、最近ピンタレストを始めました。これから伸びるんじゃないかと思っています」

今後はアカデミー事業やコスメ事業とビジネスの幅広げていく予定だ。チャレンジは尽きない。

チンジュ /
Profile
チンジュ

1994年2月12日生まれ。「サロンドブティック」を経て、2020年に前サロンで同僚だった4人とともに5SHUAを設立。現在はMAY’V代表。パーマを主力としていたが、カラーをゼロから学び直して当時まだ誰もやっていなかったバレイヤージュやオンブレを発信。ブリーチやヘアカラーを主力メニューとしたサロンに舵を切る。2017年よりYouTubeチャンネルも開設し、セルフスタイリングの方法をメインに発信している。

韓国のヘアシーンを追い求めた
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ボブログ編集部
執筆者
ボブログ編集部

成長し続ける美容師のための髪書房ウェブメディア『ボブログ』。これまでにないスピードで変革する時代に必要な情報【パラダイムシフトの芽】をいち早く見つけ、掘り下げ、新しい常識を提案します。

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