美容ディーラーのガモウが11月26日、ベルサール東京日本橋で第12回目となる「東京 ヘアドレッシング アワーズ(Tokyo Hairdressing Awards、以下THA)」を開催した。THAは「モデルクリエイション部門」「フォトコンテストのハイクリエイション部門」「リアルクリエイション部門」の3部門で構成され、総エントリー数は1334作品にのぼった。
THAは2020年の「インスタイル部門」の設立を皮切りに、ムービー部門やスチューデント部門を増設するなど進化を遂げてきた。2023年には「クリエイションに特化したコンテスト」としてリブランディングを実施。部門を見直し現在の形式に落ち着いた。美容業界の最前線で活躍するベテランから若手まで、多様な才能が一堂に会する場として“美容の天下一武道会”とも呼ばれ、その注目度は年々高まっている。
当日は「モデルクリエイション部門」に64名が参加し、会場内で技術とクリエイティビティを披露した。グランプリに輝いた「DaB」HARUTOさんは「去年準グランプリで悔しかった。次の日からモデル探しを始めて、1年間THAのことしか考えていなかった。でも一番大事なのは環境、応援してくれる先輩や後輩の存在。これから若手のホープとして引っ張っていきたい」とコメント。悔しさをバネに挑み続けた姿勢が、今回のグランプリ受賞につながった。
モデルクリエイション部門
※画像は大会公式インスタグラム「tha_gamo」から
グランプリ・準グランプリ
デザイナーズ賞
ハイクリエイション部門
グランプリ・準グランプリ
デザイナーズ賞
インスタライク賞
リアルクリエイション部門
グランプリ・準グランプリ
デザイナーズ賞
インスタライク賞
明暗を分けた
「人間性」と「表現力」のバランス
今年の審査ではリアルクリエイションとハイクリエイション、それぞれの部門が持つ定義や境界線に対して多くの議論が交わされた。特に注目されたのは作品における「人間性」と「表現力」のバランスだ。
「最近の作品はCGのような美意識が増えている」との指摘もあり、髪や肌、呼吸といった「人間らしさ」を再評価する流れが見られた。また毛流れやテクスチャーのリズム感、触りたくなるような質感の表現が審査員の目を引き、温度感と質感がカギとなった。
審査員の共通認識と新たな挑戦への期待
審査員全体のコメントから浮かび上がるのは、技術的完成度を超えた「人を引き出す力」への評価だった。モデルの自然体や楽しそうな表情、または内面的な魅力を引き出すバランスが特に重要視された。リアルクリエイションにおいては「リアルな中に存在する創造性」が、次世代のヘアデザインの方向性を示唆していた。