「あああ今日眉毛失敗した……🤤」
そんな気持ちで家を出ることありませんか? 女性なら一度は……、メンズメイクの流行する今男性にも共感してくれる人が多そうな、眉毛描くの難しすぎる問題。剃ったり抜いたり、自分でのお手入れも難しいですよね。
そこで今回は、東京の銀座・青山で人気のアイブロウスタイリスト・木高聡美さん[kakimoto arms/カキモトアームズ]にアイブロウのお手入れのコツをレクチャーしてもらいました!
kakimoto armsではヘアメニューだけでなく、10年前からアイゾーンのデザインメニューにも力を入れており、近年「ヘアとともに眉もデザイン」が新定番になりつつあるのだそう。サロンでお手入れについてもお聞きしていきます。
- Profile
- 木高聡美
kakimoto arms アイブロウ・アイラッシュスタイリスト チーフ
アイブロウ専門店で7年勤務ののち、2012年にkakimoto armsに入社。現在は銀座店・青山店に勤務し、同社のアイブロウ・アイラッシュスタイリストのトップとして、事業を牽引する。顧客本人の自眉・自まつ毛を活かした「似合うアイデザイン」の提案にこだわりをもち、美容室ならではのヘアとのトータル提案にも定評がある。
- Instagram : @satomi_kidaka
尽きない眉毛の悩み……アイブロウメイクってなぜこんなに難しいの⁉︎
眉毛は顔の中で唯一「自分で形を変えられる」パーツ
木高さん、眉毛のお手入れってどうしてこんなに難しいんでしょうか……。みなさん悩んでいますか? 私だけ?
難しいですよね。新しくお越しになるお客さまはみなさん悩まれていますよ。
難しい理由は、「顔の中で唯一自分で形を変えられるパーツ」だからだと分析しています。
確かに。目鼻口は変えようと思うと整形するしかないですが、眉は剃ったり抜いたり、整えられます。自由にできるからこそ、自分で素敵にできるはずなのにな〜……
そこがポイントなんです!
自分で好きな形に変えられるからこそ「理想の眉毛」にしたいと思いますよね。でも、それが骨格や表情の個性に対してお似合いになるとは限らないもの。だから迷走してしまうんです……!
盲点でした! 「理想=似合う」とは限らない!
そのほかに、日によって安定しないというお悩みもありますよね。光の当たり方や鏡との距離や角度などが変わると、仕上がりも変わってしまいます。
「眉毛は魅力的な表情」とセット! 左右対称が良いとは限らない
「自分に似合う形」がハッキリわかっていれば迷走しないんでしょうか。似合う形って何ですか?
骨格と生え方に沿った「本来あるべきところ」を見つけるのが、一番似合う眉のデザインにするポイントです。
迷走してしまう、描くのが難しいと感じられる方の多くは、骨格や生え方を大きく外れて描かれているケースが多いと感じますね。
なるほど〜……。せっかく「形を自分で変えられる」から、自分の理想の「ここにあってほしい」というラインで描きたくなってしまいます。たとえば、左右対称にしたいなぁ、とか。
「左右対称に描けない」というのも多いお悩みの1つですよね。ですが、私は必ずしも左右対称にデザインすることが良いアイブロウデザインだとは思っていません。
なぜなら、実際に眉以外のパーツも筋肉や骨格のクセによって左右対称ではないはず。しかも、表情によって眉は動きます。
左右対称に描くことにこだわりすぎるよりも、骨格や生え方の個性に合わせて自然に見せるほうが、どんな瞬間、どんな表情でもその人を魅力的に見せてくれるんです
確かに。顔には表情があるし、立体感もあるし、いろんなところから見られるものですもんね。
まずは “貼り付け眉毛“にならない描き方のポイントを聞きました
洗練ポイント① くっきりハッキリ描きすぎない!濃淡のつけ方
骨格の凹凸に沿った自然な眉を描くのにはどうすればいいのか?
まずは、アイブロウを描くとき全般に共通する基本的な技術のポイントを聞きました。
① 眉の下の輪郭をペンシルで描き、ぼかす。
② 眉の上の輪郭はパウダーでぼかしながら描いていく。
③ ブラシに残ったパウダーを眉頭に乗せる。
一番のポイントは全部くっきりと、ラインを出しすぎないことです。
眉の輪郭の下側〜眉尻はしっかりラインを出し、眉頭〜上側をふんわりと仕上げると骨格の凹凸に沿った自然な立体感を出すことができます。
全体を均一な質感で濃く描きすぎると、貼り付けたような「描きました!」という眉毛になりやすいですよね。眉の輪郭に濃淡をつける。これだけでだいぶ、垢抜けることができそうです。
洗練ポイント②自眉の存在感を消さない!パウダーの使い方
ペンシルやパウダーはどのように選べばいいですか?
道具は使い慣れたお好きなものでいいと思います。が、1つだけ。色選びのポイントは「自眉の毛の質感より濃くならないようにする」ということです!
なるほど。色味というより濃さが重要なんですね。
そうですね。自眉の毛質が存在感がしっかりしている方は、濃いブラウンやグレーをしっかり載せても毛の質感が消えませんが、細くて柔らかい毛質の方が同じものを使うと質感が負けて貼り付けたような眉に見えてしまいます。
一方で、毛質がしっかりしている人が淡くて柔らかい色のものを使うと分離して見えてしまいます。
「自分の眉毛より少しだけ薄い色」を選ぶのがポイントですね。
実際の木高さんが使っているパレットを見せてもらいました。
ブラウン系とグレー系があれば基本的には十分だと思いますよ!
柔らかめのブラシで取り、手の甲やティッシュで少し馴染ませてから使ってください。
眉も髪も白髪が気になる世代が気をつけることはありますか?
眉が白髪混じりの場合、細毛の方と同様に色が濃すぎると白髪が浮いてしまいます。やや優しい色味のパウダーを使うか、それでも気になる場合は眉マスカラで色味を足すのもおすすめです。
また、髪の白髪を活かしたグレイヘアにしている場合は、眉全体を濃いグレー系でくっきり描くと重すぎる印象に。私はグレイヘアの方にはカーキをお勧めしています!
カーキはおしゃれですね!
カーキは黄味寄りなので、日本人の肌色には似合いますよ♪
アイブロウパウダーには少ない色味なので、アイシャドウを活用してもいいと思います。アイシャドウは粒子が大きいので、アイブロウパウダーに混ぜる形で使ってくださいね。
客観的な「似合う」を提供するサロンでのアイブロウデザイン
形を整えるだけでも存在感とメリハリが増す
「自分に似合う形」は骨格と生え方の見極めが重要。「だからこそ一度プロにご相談いただきたい」と木高さんは語ります。
先ほども言ったように人間の表情には動きがありますし、それを自分で客観的に見るのは難しいものです。
「シェーピング」という形を整えるメニューはすべての方におすすめです
抜いたり剃ったり、自分でできるからこそで迷走してしまうんですよね。こちらはどのくらいの頻度で利用すればいいですか?
自分で手入れをされない方は1カ月に1度お手入れにこられますが、形を見慣れればご自分で整えられるからと、その後のデイリーケアは自分でされるという方もいますよ!
サロンケアとセルフケアを組み合わせてご利用ください。
眉毛が薄い人もシェーピングって必要ですか?
はい!薄い方ほど、輪郭をしっかり出すと存在感を出すことができますよ。
顔にメリハリが生まれ、リフトアップの効果もあります!
エイジングで顔のメリハリがなくなってきた、眉も薄くなってきた……?という人には、最適のメニューですね!
日本人の毛質におすすめ! ハリウッドブロウリフト
もう1つ、今人気のメニューが「ハリウッドブロウリフト」です。
ワックスなどで毛流れを矯正し、扱いやすい眉毛のベースを作ります!
このBefore/Afterはとてもわかりやすいですね! この方の眉尻のように、重なったり毛先の方向が不揃いだったりするから、眉毛を描くのに苦労するんですもんね。
そうなんです。
日本人は欧米人に比べて毛質が硬くて太いので、生えグセが強く出やすく、毛流れがまばらになってしまうんです。
こちらは2カ月1回くらいで扱いやすい毛流れをキープすることができますよ。
ヘアカラーやカットと同じように2カ月に1回手入れをすれば「今日眉毛描くの失敗した……」という絶望とサヨナラできるなら最高かも!
毛質によってハリウッドブロウリフトは必要なく、シェーピングだけでお悩みを解決できる場合もあります。
「他の方から見た好印象な眉」をしっかりご提案しますので、ぜひご相談いただきたいです✨
抜いちゃって生えてこない“安室ちゃん世代“こそサロンに相談してみて!
最後に。エイジングの悩みとは別に、今の大人世代は「若い頃に抜ていてしまって生えてこない」という眉毛のお悩みを持つ人もたくさんいます。そういう人も、サロンでのアイブロウデザインはできますか?
できます! 安室ちゃん世代ですよね。私も細眉ブームの世代ですのでよくわかります。
そういう方にほどぜひご相談いただきたいし、流行にとらわれすぎない自眉を活かしたアイブロウデザインをご提案します!
細眉さんの施術例も見せていただきました。
ハリウッドブロウリフトは長さがあればできますので、細眉さんでも存在感を出すことができます。
また、細眉世代の「生えてこない」とおっしゃるお客さまの中には、よくよくお話を聞くとこまめに切っておられたり、産毛が気になると抜いたりしているケースもあります。
一度客観的な目線で相談に乗らせてもらえればと思います♪
自眉を活かした好印象な表情と、手入れしやすい眉を手に入れるためのアイブロウデザイン。
これまでは「自分で手入れするもの」でしたが、プロに相談することでストレスのない快適な身支度の時間が手に入り、セルフケアで迷走するよりも自分のことが少し好きになれる、そんなメニューだと思いました。
まずは描き方だけでも参考にしていただき、アイブロウメイクが「ストレス」から「楽しくて奥深いもの」という印象に変わることを願っています♪