低明度の中で煌めく、〈YVESS〉が提案するアイシー×ワンホン

低明度の中で煌めく、〈YVESS〉が提案するアイシー×ワンホン

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PHOTO:Sano Masami(KiKi inc.)

「海外スタイル」と一括りにできた時代はもう過去のもの。欧米の洗練された透明感、韓国や中国のツヤ感——それぞれのトレンドが交差し、ヘアデザインに新しいムーブメントが生まれている。そして秋冬にはハイトーンから暗髪へ、寒色から暖色へとトレンドが移り変わり、その表現も次々と進化。〈YVESS(イヴズ)〉のふたりが提案するのは、そんな海外のエッセンスを日本人になじませた低〜中明度のトレンドカラー。

PROFILE

(左)SHIORI/2001年生まれ、栃木県出身。足利デザイン・ビューティ専門学校を卒業後、都内サロンを経てYVESSのオープニングメンバーに。海外のインフルエンサーやトレンドを取り入れたスタイルを得意とし、エグゼクティブスタイリストとして活躍中。
Instagram: @shiori__kozuka

(右)manaka/2000年生まれ、群馬県出身。群馬美容専門学校を卒業後、都内サロンを経てYVESSのオープニングメンバーに。色落ちまで計算されたミルクティーカラーを武器に、トレンド感と肌なじみのよさを両立したデザインで支持を集める。
Instagram: @___manaka__

#SHIORI “アイシー”

「海外のインフルエンサーが暗めのブラウンへシフトした流れを背景に、お客さまとトレンドの接点を捉えながら導き出したカラーです」と語るSHIORIさん。

真っ白な雪を思わせる“アイシー(ICY)”なスタイルに艶やかな『ブルネットブラウン』が映える。ポイントは、暗すぎず、くすみすぎず、寒色に頼りすぎない絶妙なニュートラル感。芯のあるツヤと凛とした透明感を際立たせつつ、ストレートヘアでも表情が生まれる仕上がりに。

透明感を宿した、洗練のブルネット

Color

Recipe イルミナ 8オーシャン:8サファリ:8フォレスト:6ヌード=( ①:①:① )+10%
OX
4.5%

Base
地毛

Note 赤みを抑え、ブラウンのツヤと透明感を際立たせる

🅀 レシピのポイントは?

「赤みがない・暗すぎない・肌なじみがいい」の3つを意識して、オーシャンとフォレストで寒色のニュアンスを強調。ただ、それだけだと寒色に寄りすぎるのでサファリで中和し、肌なじみを良くしました。

さらに6トーンのヌードを少し効かせて透明感を引き立てつつ、明るくなりすぎないように調整。海外の女の子の地毛を思わせる、ナチュラルで洗練されたブルネットブラウンに仕上げています。

🅀 海外トレンドをどう落とし込む?

海外のセレブリティやインフルエンサーは常にチェックしています。特にシンガー兼インフルエンサーのマディソン・ビアーちゃんはUSのアイコン的存在で、彼女のような“地毛っぽい透明感”が今の気分にぴったり。お客さまも私と同じトレンドを見ているので、ブルネットへの気分は自然に共有できてる感覚があります。

また、中国のSNS「RED」も参考にしています。アジアと海外をミックスしたスタイルは中国でも人気で、その色使いやバランス感は日本人にも取り入れやすいんです。

#manaka “ワンホンモード”

「街でベージュカラーが目に留まると、この配合は何だろう?ってつい考えちゃいます。色落ちまで想像してレシピを組むのが癖なんです」と話すmanakaさん。

ミルクティーカラーを得意とする彼女が提案するのは、ワンホン風のツヤとモードさをまとわせつつ、ほんのり“ギャル”を仕込んだ『ミルクティーグレージュ』。春夏に多かったハイトーンから秋冬はブラウンやピンクをプラスして、肌なじみのいい温かみを演出。くすみを効かせて、上品さと抜け感を両立させた。

肌になじむ、艶やかなベージュ

Color

Recipe イルミナ 8ヌード:8ビーチ=①:①
OX
3%

Base
1ブリーチ / 10Level
微残留ミルクティーベージュ

Note 色落ち後の黄みを抑え、色落ちもきれいなくすみ感を作る

🅀 レシピのポイントは?

ヌードは絶対に入れる色で、ベースのくすみ感をつくるのに欠かせません。ビーチはピンクみのある色味で寒色に寄りすぎるのを防ぎ、肌なじみを良くしてくれるのがポイントです。今は“色落ちまでかわいい”はマスト。一番気になる黄みを抑えつつ、透明感と抜け感をキープしました。

この色は、私が初めて染めた思い出深いカラーで、デビューした時の勝負カラーでもあります。今回はワンホンっぽいモード感と“ちょいギャル”な遊び心をオンした、トレンドスタイルに仕上げました。

🅀 ミルクティーカラーのトレンド傾向は?

ピンクを取り入れたブラウンなど暖色系へシフトしています。注目しているのは、“ワンホン風カラー”。TikTokやYouTubeでも中華系ファッションやメイクが注目されていて、その流れがヘアカラーにもきていますね。

私自身も「RED」で中華ギャルをチェックしていて、“こっくりした儚げなカラー”を打ち出しています。カラーにくすみを足すと、唯一無二の雰囲気を作れるんです。お客さまもその“特別感”を求めているので、寒色と暖色のバランスがカギだと感じています。


木村 麗音
執筆者
木村 麗音

日本美容専門学校を卒業後、都内ヘアサロンを経てキャリア転換。少年ジャンプ編集部で3年編集アシスタントを務める。その後、髪書房に入社しウェブメディア「ボブログ」の編集およびメディアマーケティングを担当。

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