【美容師の現実】離職率が高いのはナゼ?「辞めたい…」と思ったら知るべき現状と対策

【美容師の現実】離職率が高いのはナゼ?「辞めたい…」と思ったら知るべき現状と対策

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美容師を辞めたい..と思ったことはありますか?ご存知かもしれませんが、美容師は他の業種と比べて離職率が約2倍も高いという、厳しい現実があります。

この記事では、現役美容師ライターが厳しい美容業界の離職率の現状から、再び情熱を取り戻すためのヒントとなるような解決策をお伝えしていきます。

高い離職率の背景にある要因を掘り下げ、その対策を考えることで、より良い美容師人生を築くためのアクションに繋げていきましょう!

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ママ美容師ライター盛(サカリ) /
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ママ美容師ライター盛(サカリ)

山形出身。市内三店舗を経て、現在フリーランス美容師。現役で美容師をしながら美容師専門のWEBライターとしてさまざまな業界メディア等で執筆。ハラスメントや出産も経験しながら、一度も美容師から離れることなく美容師生活13年目。

美容業界の離職率

そもそも、離職率とは?

離職率とは、一定期間内にどれだけ離職者が発生したかを表す指標です。

業種別では、厚生労働省が毎月調査している雇用動向調査に基づき、各業種の離職率が算出されています。

では、実際に美容師の離職率はどのくらいでしょうか?

美容師の離職率

雇用動向調査では、美容師は「生活関連サービス業・娯楽業」に分類されます。

さっそく「令和5年上半期雇用動向調査結果」内で報告された、業界別の離職率を見てみると

「生活関連サービス業・娯楽業」の離職率は…

15.0%(1位)

全業界で1位です。

なお、次点では「宿泊業,飲食サービス業」が 14.8%、続いて「サービス業(他に分類されないもの)」が11.7%となっています。

この3つの業界の共通点として、サービスの対象が法人ではなく、個人の消費者であることが挙げられます。

個人の消費者の場合、平日のオンタイムだけ対応するということは難しく、残業や休日対応を強いられる機会も少なくありません。

こういった背景が長時間労働を招きやすく、高い離職率に繋がる傾向にあるようです。

ここからは、より美容師の特徴に着目してその要因を探っていきます。

美容師の離職率の主な要因

長時間労働と低賃金

まず第一に挙げられるのが労働時間と賃金です。比較的、美容師の平均労働時間は長く、賃金は低めです。

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、

美容師の平均年収は、約312万円(32歳時点・企業規模が10人以上の場合)

これは同年代の平均年収である約417万円と比べると、100万円以上の差があります。

さらに、特に見習い時期であるアシスタントや、指名客が少ない駆け出し美容師は長時間の労働に対して最低賃金程度の給与しかない場合がほとんどです。

一方の労働時間も、技術の練習や知識アップのためのセミナー、SNS運用なども仕事の一部となり、就業時間以外の労働があるサロンが多いです。

また、それらは売上を上げるために不可欠な作業ですが、給与に反映されるのは稀です。

コミュニケーションのストレス

美容師はお客さまと密接にコミュニケーションを取る仕事です。

無理強いをしてきたり、人間性的に合わないお客さまにも対応しなければなりません。また、職場の人間関係に悩む人も多いでしょう。

長時間労働かつ店舗だけでの営業のため、苦手なスタッフがいる場合、相当なストレスを抱えてしまいます。

キャリアアップの難しさ

もちろん美容師として成功すれば、より多くの収入を得たり、やりがいのある仕事につけます。

しかし、そこに至るまでの昇進やキャリアアップの機会は限られています。また、肉体労働のため、年齢による体力的な心配もあるでしょう。

多くの美容師は、それまでにストレスや将来の不安を感じ、結果として早い段階で道半ば諦めてしまう現状です。

では、そんな過酷の労働環境の中で、美容師を続けている人たちはどのような働き方をしているのでしょうか?

次の章で解説してきます。

美容師の離職率を下げるための対策とポイント

近年は労働環境を改善をすることで離職率の低い環境を作る美容室が多くなってきました。主な対策をいくつか紹介します。

美容室がする対策と、個人でもできる対策もあるので、身の回りのことから実践していきましょう。

対策1:長時間労働と低賃金の解決

労働時間の見直しと管理の徹底

各々のライフスタイルや希望収入に合わせてシフト制を導入することで、長時間労働を防止できます。

具体的には、お子さんのいるママ美容師の時短勤務若手美容師の遅番制フリーランス雇用など、柔軟な勤務体系を取り入れることで、従業員の働きやすさ向上を図ります。

また、アシスタントの練習を空き時間に行ったり、店内セミナーは休日ではなく営業日に実施するなど、不要な残業を削減。残業が必要な場合は、適切な手当を支給するサロンも徐々に増えています。

適正な報酬形態の設定

業績指標に基づいて実績を正しく評価することで、適正な報酬を設定します。

適切な報酬を提供することはモチベーションの向上に繋がるでしょう。さらに、技術レベルや保持資格に応じて段階的な給与を設定し、スキルアップも促進できます。

成長を給与に反映させることは、何よりやる気に直結しますよね。

健康と福利厚生の充実

近年はストレス管理のための研修を行ったり、若手スタッフには年齢や感性の近い先輩スタッフが相談役として教育を担う仕組みを持つ美容室もあります。

オンライン上でも、得意技術や階級ごとのコミュニティで悩みを相談し、メンタルを安定させている美容師も多い印象です。

健康保険の拡充、有給休暇の取得促進、リフレッシュ休暇の導入など、スタッフが健康的に働ける環境を整備することは今や当たり前と言えるでしょう。

対策2:人間関係のストレスを軽減する

コミュニケーションスキルの強化

当たり前ですが、コミュニケーションスキルの強化は円滑な人間関係に役立ちます。

技術だけでなく、接客スキル向上のための研修に取り組む美容室もあり、多様化する顧客のニーズを的確に理解し、満足度を高めるためのカウンセリングのセミナーは人気です。

経営者に向けた若手スタッフの教育や、ママ美容師のライフスタイルの理解を深める動きも増えています。

ワークライフバランスの促進

長時間の連続勤務を避け、適切な休息を設けることは心身のリフレッシュに繋がります。

サロンの飲み会や社員旅行なども、人によってはストレスと感じることも。そのため、働くスタッフのニーズをきちんとヒアリングした上で実施している美容室もあるようです。

顧客管理の効率化

サロンコンセプトを設定することで、得意な技術をマッチングさせたり、よりパーソナライズされたサービスを提供することができます。顧客満足度の向上と同時に、美容師の負担を軽減できます。

また、管理面においては予約システムも有用です。効率的な予約管理を通して、無理なスケジェールが組まれないようにします。

予約時間の適切な調整により、一人ひとりの顧客に集中できる時間を確保でき、心の余裕にもつながります。

対策3:美容師として成長を実感する

教育とスキルアップの機会を提供

最新の美容技術やトレンドに関する研修を定期的に行い、常に最先端の知識を身につけられるようにしておきましょう。

現在は、オンラインでも 業界のプロフェッショナルによるセミナーやワークショップへの参加ができます。

その費用の一部を美容室で補助することでスキルアップをサポートしている美容室もあります。

昇進・昇格システムの明確化

特に個人経営店では、経歴や能力の違いが成果に繋がらない場合も。

経営者は、定期的な見直しやスタッフとのミーティングを行い、適切な昇進や昇格の機会を提供することで、モチベーションの向上とキャリアアップを促進させましょう。

専門性・多様性に合わせた働き方

 ヘアアレンジ、アイリスト、ネイリストなど、特定の分野での専門性を深めるためのサポートを提供している美容室も多くありますね。

手荒れで美容師ができなくなっても、美容業界に携わることができます。

また、体力的に不安がある年齢になった時に、店舗運営やマーケティング、トレーナーなど、美容師以外の業務にも挑戦できる機会を作り、多様なキャリアを経験できる環境を整えると、将来安心して働けるでしょう。

他のサロンの美容師と交流する

辞めたいと感じる美容師の多くは、自分の美容室の悩みだけにフォーカスしてネガティブになってしまうケースがほとんどです。

隣の芝は青く見えるかもしれませんが、案外自分の思い込みが原因の場合もあります。自社以外の美容師と相談することは、自社や自分を客観視するきっかけとなるでしょう。

働く環境をかえる

それでも自社への不満がある際は、美容師を辞めるのではなく、環境を変えてみるのはどうでしょうか。

まずは、働く時間や雇用形態を変えることも良いでしょう。これまでお伝えしたような工夫をしている美容室もたくさんあります。

お店を変えるだけで、売上が上がった、休みが増えた、人間関係の悩みがなくなった、という美容師は多くいます。

また、キャリアアップとしての転職も、自己成長に繋がり、充実した美容師人生を送ることができます。

同じ美容師として

美容師として直面する可能性がある問題と、その対策についてご紹介しました。

長時間労働、低賃金、ストレスフルな人間関係、キャリアップの難しさといった問題は、美容業界特有のものかもしれません。

また、ライフスタイルの変化は美容師にとって大きな不安を感じることもあるでしょう。定年はないにせよ、体力的な問題や目まぐるしい流行の変化についていくことが難しいなどといった、将来の心配も拭えません。

しかしこれらに立ち向かい、克服するための方法は必ずあります。

今、あなたが美容師として抱えている問題に対して、一歩踏み出してみませんか。まずは小さな一歩から。

たとえば、労働環境の改善を目指す場合、自分の勤務時間や労働条件について管理者と話し合ってみてはいかがでしょうか。

スキルアップを目指す場合は、関心のある分野の講習会やオンラインセミナーに参加することで、新たな技術を学び、自己の価値を高めることができます。

重要なのは、自分自身の問題を明確にすることです。人間誰でも、一つ嫌なことがあると全てを投げ出したくなってしまいます。

サポートを求めることを恐れないで

苦しい現状だと、何かを変えることは勇気がいるかもしれません。そんな時は誰かと話したり、同じような悩みを解決した人の体験談を聞いたりしてみると、行動できるかもしれません。

周囲にサポートを積極的に求め、自分だけで抱え込まないことも大切です。変化を恐れず、新たな挑戦を受け入れることが、成長への道を開く鍵となります。

美容師人生には、大変な思いをする場面も沢山ありますよね。ですが、それは「大きく変わる」時です。この問題を乗り越えた先には、大きく成長する未来がきっと待っています。

あなたの情熱と努力が、より良い美容師人生へと繋がることを、心から願っています。

サカリ
執筆者
サカリ

美容師ライター。二児の母。

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