全美連、厚生年金改正案に対策を模索。第404回定例会を開催

全日本美容業生活衛生共同組合連合会(以下、全美連)は1月22日、第404回理事会と新年懇親会をホテルニューオータニ(東京都千代田区)で開催し、美容業界が直面する厚生年金法改正案への対応を議論した。冒頭では昨年11月に逝去した前理事長・𠮷井眞人氏を偲び、黙祷が捧げられた。

理事会では、次期国会で審議予定の「短時間労働者に対する被用者保険適用拡大」に関する課題が焦点となった。改正案が可決されれば、美容室を含む個人事業主で常時5人以上の従業員を抱える事業所が費用負担を求められる。一方で、既存の美容室には当面適用を見送る方向で行政に働きかけていると報告された。

全美連は被用者保険適用拡大の必要性を認識しつつも、負担増への懸念を表明。コロナ禍の融資負債やエネルギー価格高騰に苦しむ美容室経営者にとって、新たな保険料負担は経営体力をさらに圧迫するとの見解を示した。従業員50人以下の法人への適用拡大や個人事業所の非適用業種撤廃には反対の姿勢を明確にし、生活衛生業界全体の負担軽減に向けた支援施策の必要性を訴えた。

また、「企業規模要件」撤廃への反対や「任意包括適用制度」の継続を求める具体的な要望を整理。事業主負担増を防ぐ特例措置の導入や縦割り行政がもたらす「年収の壁」問題の再検討を提案した。旅費規則の一部改定や美容技術選手権大会の入場料に関する議案なども全会一致で承認された。

美容師にとって業界を取り巻く法改正の動きは現場の働き方に直結する課題だ。全美連は業界の声を行政に届ける重要性を強調し、今後も美容業の持続可能な発展に向けた取り組みを継続する。