小学生からプロまで 九州発のカットメソッド「ポリカ」が東京上陸
NPO法人ジュニアヘアドレッサースクール(以下、JHS)が、東京・北区に「JHS東京校」を開校した。同校のお披露目会が11月26日に行われ、協賛企業やジャーナルが多数招かれる中での華やかなスタートとなった。
福岡県行橋市を本拠地とするJHSは、美容師を目指す若い世代に向けたカットトレーニングを提供する団体。これまで九州で実績を重ねてきた活動を、ついに東京でも展開する形となった。同校の代表であり、複数の美容室を経営する久保義明理事長は、「九州で期待以上の成果を上げてきたこの活動を、東京という日本の中心で始めることは永年の構想だった」と語った。
久保氏のキャリアは美容から始まったものではない。工業高校を卒業後は東芝に入社し、発電所設計部で原子力発電所の設計にも携わるという異色の経歴を持つ。美容業界に転じた後、美容学校で学び福岡県内外で4店舗の美容室を経営。また、エンジニアとしての技術を応用し美容関連製品や機器の開発にも力を注いできた。その一環として生まれたのが、「ポリカ(PORICA)」と呼ばれるカットトレーニングメソッドだ。
PORICAは特殊なペーパーをウイッグに装着し、パネルの引き出し角度やカット技術を体得するための画期的なトレーニング方法である。身体の使い方や体幹を正しく習得できる方法として、これまでに世界6カ国で特許を取得し美容師の基礎技術向上に寄与している。
現在、JHSでPORICAを使ったトレーニングを受けている最年少の生徒は小学2年生。また、キャリア20年以上の現役美容師が基礎技術を見直し「正しい型」を再び学ぶために通う例もあるという。地方で培われたこのユニークな練習法が、ついに東京で学べる場を得たことの意義は大きい。
JHS東京校では月2回、1回3時間のトレーニングが18,000円の月謝で提供されている。美容師を志す若者だけでなく、現役プロフェッショナルにとっても魅力的な選択肢となり得るだろう。
このプロジェクトには、多くの企業が協賛している。ミルボンや楽天グループ ビューティ事業部をはじめ、ウエラジャパンやタカラベルモントなど業界の大手が名を連ねていることからも、JHSの活動に対する期待の高さがうかがえる。今回の東京校開校が、美容師という職業を目指す人々にとって新たな一歩となることを願いたい。