ミルボン2022年12月期決算

株式会社ミルボン(佐藤龍二社長)は2月14日、2022年12月期(第63期)の「通期決算説明会」を大和カンファレンスホールB(東京都千代田区)で開催した。オンラインでの視聴参加も併行。

経営成績は、国内におけるブリーチオンカラーなどダブルカラーの人気や海外で高まったヘアケアニーズ対応のプレミアムブランドが好調で売り上げが伸長。併せて韓国・米国などの売上伸長や円高効果により海外事業全体の増収につながった。原材料高・人件費の増加・中国工場及び海外R&D費用などが営業利益の押し下げ要因。

※以下の単位は百万円、カッコ内は昨年実績と比較した増減率

連結 経営成績
当期売上高=45,238(10.7%)
当期売上総利益=29,509(10.2%)
販管費=21,957(11.6%)
営業利益=7,551(6.6%
経常利益=7,829(9.4%)
親会社株主に帰属する当期純利益=5,577(9.2%)

部門別売上高

ヘアケア用剤部門①
当期販売実績=26,312(9.5%)

ヘアカラー人気によるヘアケアニーズ増加でプレミアムブランドは前期比13.1%増と好調に推移。「オージュア」は新商品エクスシールドラインを投入するも、新ジャンルであることや商品特性・使用法の訴求が難しく計画通りに展開できず。「グローバルミルボン」は各国で窓口設置が進み育毛ケア:エンハンシングビバシティ含むプレミアムポジションで販売高を伸長。プロフェッショナルブランドでは「エルジューダ」および海外で展開が進んだ「グランドリケージ」が伸長し4.4%の増収。

ヘアケア用剤部門② 新商品

・22年2月発売 オージュア クライマティックケアシリーズ エクスシールドライン
当期実績60(達成率19.8%)

・22年3月発売 グローバルミルボン プレミアムポジション エンハンシング ビバシティ
当期実績213(達成率125.8%)

・22年6月発売 グローバルミルボン リアウェイクシリーズ
当期実績191(達成率82.4%)

【ブランド別情報】

オージュア
窓口軒数は増加するも新製品の苦戦で販売高は計画に届かず

・窓口軒数 6,022軒(15.8%)
・当期販売高10,288(6.1%)

グローバルミルボン
各国の窓口づくりとプレミアムポジションの新製品で伸長

・窓口軒数 18,400軒(26.2%)
・販売高 5,341(30.8%)

染毛剤部門

幅広い世代でブリーチオンカラーなどダブルカラーが浸透し国内前期比12.4%増。既存のオルディーブアディクシーに加え6月投入の新ブランドENOGの好評による。海外染毛剤売上は前期比21.1%の増収。

当期販売高=16,631(14.3%)

オルディーブアディクシー
当期売上高=7,126(14.7%)

ENOG
当期売上高=614(122.9%=達成営つ)

<ブランド別情報> 

ヴィラロドラ①

染毛剤の進捗続きで販売高は堅調に推移

・窓口軒数= 12,458(10.1%)
・販売高= 1,328(8.6%)

ヴィラロドラ②

・ヴィラロドラ カラー
当期実績=1,025(11.3%)

・ヴィラロドラ カラーパレット
当期実績=94(62.8%)

化粧品部門
当期販売実績=572(△1.3%)

コロナ禍でタッチアップ等の紹介~訴求が停滞、3月発売の新商品トーンアップCCクッションファンデーション(当期実績34/達成率70%)は肌カバーとは異なるトーンアップ機能だったため商品理解の訴求に苦戦。秋冬のプロモーションでヘアカラーと連動したアイブロウ提案や楽しみながらインプレア体験につながるエンジョイコスメ施策で前期比増収に転じた。

<ブランド別情報> 

インプレア

売上は未達(当期実績572/△1.3%)だったが窓口軒数は計画を超過(22年度期末1,601/45%)

連結売上高
当期実績45,238(構成比100%)

部門別売上高
※単位は百万円、カッコ内は増減率

・ヘアケア用剤= 26,312(9.5%)

・染毛剤= 16,631(14.3%)

・パーマネントウェーブ用剤= 1,450(1.8%)

・化粧品= 572(△1.3%)

・その他= 272(2%)

連結 国内・海外の売上高
当期実績=45,238(10.7%)

・日本= 35,334 構成比78.1%(7.3%)

・海外 9,904 構成比21.9%(25.2%)

グローバル研究開発

ミルボン中央研究所を軸に海外3拠点(米国・タイ・中国)でのグローバルR&D連携、また23年末に開設予定の「羽田イノベーションセンター」でより長期的な視点での製品・サービス開発を創出。

グローバル物流

Global 2Week Delivery実現に向けた国内・外相互での貿易体制・物流戦略を推進。

[国内体制] 

海外出荷までの期間短縮の取り組み

貿易センター……国内(西淀川)に輸出品専用倉庫を設置、海外用在庫を確保(23年夏予定)

貿易フローのDX化……受注~出荷までの内部フローをオンライン化して効率化(23年春テスト運用)

[海外体制] 

オランダ物流倉庫……22年9月稼働開始、北米向け物流 および ASEAN倉庫を検討中

[グローバル人材] 

人材開発センター始動に向けて準備……同社社員教育の更なる強化

1.全グループ社員の人材育成支援が実現できる教育拠点へ

2.MP/FP研修の更なる進化(カリキュラムのアップデート・育成キャパシティの拡大)

3.グローバルリーダー人材育成

2022年に神奈川県小田原市に2,494㎡の土地を取得、2023年着工、2025年予定

また、「Milbon Group中期事業構想(2022-26)」の推進と23年度(第63期)の概要は以下のとおり。

[ビューティーライフケア戦略]

ヘアケア

・オージュア
新製品「インメトリィライン」でケアの新たな領域へ

・グローバルミルボン
「ブロンドプラス」でハイトーンのダメージケア、「milbon &」で若年層アプローチ/店舗起点型サロン創り

ビューティヘルスケア

・花王との協業プロジェクト進行中

・ALANOUS(アラナス)
約20年にわたる「5-ALA」基礎研究を経て誕生した、見た目のキレイづくりをかなえるビューティサプリメント

スキンケア

従来のコスメ提案活動に加え、smart salonとの相乗効果を期待

・コーセーとの協業新ブランド「アイエム」
若年層をターゲットに、代理店による幅広い面展開

美容器具

他社との協業を通じて美容室で顧客が体験できる様々な美容アイテム~サービスの拡充へ
パナソニックと共同でヘアードライヤー「ELMISTA」を開発

なお、2023年度の売上高目標は49,200(8.8%)で、2026年度の目標は58,000とのこと。
具体的な施策は、以下を参照。
https://boblog.tv/news_detail/2023020622702/