【理容院と美容院の違い】あなたが向いているのはどっち?

【理容院と美容院の違い】あなたが向いているのはどっち?

211

理容院と美容院、どちらもお客さまの外見や髪型を綺麗に整えてくれる場所です。ですがその違いについて、よく知らない人も多いのではないでしょうか。まずはその違いと、それぞれの特徴を理解してみましょう。

今回、この記事を執筆したのは、、、

盛(サカリ) / 現役美容師。歴13年目。
Profile
盛(サカリ)

現役美容師。歴13年目。

美容師専門のWEBライターとして多数の美容師へのインタビュー記事、美容師の技術や働き方などについての記事などを多数執筆。二人の子供を持つママ美容師。フリーランス美容師として美容師の可能性を広めるため、サロンワークのみに囚われず、さまざまなことで活動中。山形県在住。

Contents

美容院と理容院の【特徴】

まず、美容院と理容院の本質的な違いをみていきましょう。

美容院は、主に女性向けの美容サービスを提供する場所であり、美容師が髪型、メイク、ネイルケア、スキンケアなどの美容関連の施術を行います。とはいえ、現在は男性専門店なども増え、男性も利用する機会が増えています。

一方、理容院は男性向けの理容サービスを提供する場所で、理容師は主にひげ剃り、髪のカット、男性の髪型に特化したサービスを行います。

メンズ専門店が増えている美容院と比べると、女性専門の理容院は少なく一般的ではありません。しかし理容院では美容院で不可能な顔そりが行えるため、個室などを設けて女性をターゲットにしたメニューも展開している店舗も存在します。

どちらも国家資格の免許が必須で、専門知識とスキルを習得する必要がありますが、主要な顧客と提供されるサービスに違いがあります。

【美容院】は技術の幅が広い

美容院では、幅広い美容関連のサービスを提供するため、その分の知識とスキルが必要です。

美容師はヘアカット、ヘアスタイリング、カラーリング、メイク、ネイルアート、まつ毛エクステンションなどを通じて、クリエイティブなアイディアも発揮でき、おしゃれなトレンドに敏感なお客さまも多く来店します。

美容師は外見を美しくプロデュースし、ブライダルや成人式、卒業式など人生の特別な瞬間に貢献する機会も多いですね。

【理容院】は主に男性向け

次に、理容院の特徴を見てみましょう。理容院は主に男性向けのサービスを提供し、リラックスした雰囲気で外見を清潔に整えてあげる場所です。

理容師はひげ剃り、顔そり、男性の髪型を作る専門家です。最も異なるのは、理容師はひげ剃りができます。

最近では、ただ身だしなみを整えるだけでなく、感度の高いおしゃれな男性に向けて、スタイリッシュな髪型を提供する理容師の需要を増えています。

【カット】にもそれぞれの特徴が

このような目的の違いから、カットの仕上がりに違いが生じる場合もあります。

国家試験で正確にまっすぐ切れるかを問われる理容師は、長さを正確に切り揃えたり、ツヤを出しながらキレイに切り揃える高いカット技術が求められます。

そのため、えり足や毛先などをきっちり揃えて仕上がる傾向があります。スポーツ刈りやツーブロックなどの清潔感のある髪型を得意とする方が多いイメージですね。

反対に、美容師はファッションや流行に合わせて、あえてばらつきや不揃いさを感性で作りながらカットします。そしてお客さまの悩みや希望に合わせて髪型を仕上げていくため、相性やセンスが関係してイメージが相違する可能性も。

ですが、美容師は一般的に高いデザイン性を持っているため、流行りのヘアスタイルにも対応できるケースがほとんどです。特に女性向けのミディアムヘアやロングヘアなど、パーマやウェーブがかったヘアスタイルに優れている方も多いですね。

もちろん、どちらも技術者のスキルの違い、分野ごとに得手不得手といった個人差が存在します。

美容院と理容院の【違い】

【必要な免許】が違う

美容師には美容師免許理容師には理容師免許とそれぞれ国家資格が必要です。美容師の免許を取得するためには、規定の美容専門学校を、理容師は理容専門学校での過程に基づいたトレーニングと試験が必須です。

どちらの職業も高いスキルを要求され、プロフェッショナルとして認められるためには技術のみならず、専門的な知識も在学中に修行します。

【法律上の定義】が違う

美容院と理容院は法律上も異なる定義があります。美容院は主に女性向けの美容サービスを提供し、美容室などとも呼ばれます。美容師法に基づき、パーマや結髪、化粧などによって容姿を美しくするのが目的です。

一方、理容院は男性向けの利用サービスを提供し、理容室とも呼ばれます。理容師法に基づき、目的は頭髪の刈り込みや顔剃りなどによって容姿を整えることです。

「理容」・・・
理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう。 ( 理容師法第1条2項

「美容」・・・
美容とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。 ( 美容師法第2条1項

法律上の違いにより、美容師は理容院では働けないですし、理容師も美容室では働けません。

【仕事内容】が違う

法的な定義の違いによって、美容院と理容院では業務内容も異なります。

例えば、美容師は容姿を美しくすることが目的ですので、メイクアップアーティストやアイリストなどとして、業務のバリエーションが豊富ですが、理容師は容姿を整えることが目的のため、ひげ剃りや男性の髪型に特化した業務がメインです。

どちらもお客さまの美容や健康に貢献しますが、対象となるお客さまと定義状の目的が異なります。

理容師の将来性について考える

かつて理容師は主にひげ剃りと伝統的な男性の髪型に特化していましたが、近年は男性も外見に気を遣う傾向が高いめ、スタイリッシュでファッション性のあるおしゃれな理容院での“barbar(バーバー)スタイル”として人気です。

フェードと呼ばれる刈り上げスタイルやひげのデザインにこだわり、男気のある渋いインテリアのバーバーで海外風のトレンドを求める方も多いでしょう。男性にとっても美容の場所としての需要は増え続けており、ファッショナブルな仕事も理容院でも実現可能となってきました。

近年ではダブルライセンスという選択肢も

実は理容師免許と美容師免許のどちらも取得することが可能です。

両方の免許取得する際は、本来は全日制の学校の場合、理容師と美容師でそれぞれ2年ずつの計4年間という日数が必要でした。ですが、現在は片方の資格取得は1年で済むよう期間が免除されます。

ダブルライセンサーだけが得られるメリット

例えば、美容師で担当していた女性顧客が、顔そりをしたいけど男性理容師に抵抗がある場合、理容師としてもレディースシェービングの施術が可能です。

また、年齢が上がってきた男性顧客が、美容院で自分より若い美容師や周りのお客さんに気まづさを感じ、理容院を利用するケースもあります。生涯顧客として利用してもらうために、そういったことに備えて両方の免許取得は経営面でも役に立つでしょう。

理美容業界を目指す方へアドバイス

理美容業界は常に進化し、ニーズが高い職業の一つです。どちらの道を選ぶべきかを考える際には、あなた自身の興味のあることや将来のビジョンを重要視しましょう。

美容も理容も専門学校での技術や知識の習得は、将来に向けた基盤を築く大切なステップです。そして、あなたが情熱を持って取り組めるのはどちらの分野なのかを考えて進む道を選びましょう。

大事なのは学び続ける情熱を持てるか

美容師か理容師かの選択には、夢の実現のために絶えず情熱を持って学び続けられる分野であることが最も大切です。それは、国家試験に合格したら終わりではなく、お客さまの要望や世情に合わせて、常に専門知識や技術を磨き続けなければならない職業だからこそです。

また、接客方法や顧客ニーズを汲み取るヒアリング力や洞察力など、施術以外の人間力も必要です。常にさまざまな情報にアンテナを張り、顧客満足を叶え続けられる人が多くのお客さまに求められるでしょう。

美容院と理容院はそれぞれ異なる業務がありますが、どちらもお客さまを綺麗にすることによって感謝されたり、人生の節目を共に迎えられるのは他の職業には無い魅力があります。

将来のキャリアを選択する際には、自分にとって興味があることは何かを知り、どんな未来を迎えたいかのビジョンをしっかりと考えることが大切です。

実際に働いている先輩方に話を聞くのも、とても参考になりますよ。理美容業界は変化に富み、自分次第で成功への道はいくつになっても切り拓くことができます。

あなたが将来、理美容業界でご活躍されることを楽しみにしています!

ボブログ編集部
執筆者
ボブログ編集部

成長し続ける美容師のための髪書房ウェブメディア『ボブログ』。これまでにないスピードで変革する時代に必要な情報【パラダイムシフトの芽】をいち早く見つけ、掘り下げ、新しい常識を提案します。

Prev

Next