「髪を乾かさないで寝てしまいます。」あなたはどう答えますか?

「髪を乾かさないで寝てしまいます。」あなたはどう答えますか?

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髪の毛を髪を乾かさないで寝てしまいます。とお客さまに言われたら?

「髪が短いので、夏場はすぐ乾きますし、ドライヤーしません」

「髪の毛が長いと面倒で……乾かしません」

と、お客さまから言われたらどう答えますか?美容師の皆様ならじゅうぶん承知だと思いますが、髪の毛を乾かさないのは危険な行為ですよね。でも実際に髪を乾かさないお客さまは多いのが現状です。お客さまにどう伝えるべきなのでしょうか。

そこで今回教えてくれるのは、

毛髪診断士・毛髪協会認定講師の前田秀雄(まえだひでお)先生です!

前田先生

こんにちは!京都で美容室を経営しています、前田秀雄です。 毛髪診断士としての知識を活かし髪のかかりつけ医として今日は分かりやすく説明したいと思います。一緒に勉強していきましょう!

BOB編集部 小林

先生、今日はよろしくお願いします!私は、BOB編集部の小林です!
実は私、最近アルバイトとして入社しました。わからないことが多いので、たくさん質問させてください!

ヘアドライに関わるQ&A

お客さまが髪を乾かさない理由はさまざま。中には、SNSなどで言われている情報を鵜呑みにしている場合もあるようです。そこで、世の中に流布するさまざまな「ドライ」についての噂について、前田先生に答えていただきました。

髪は全部乾かさないとだめ?

お客さま

髪を乾かすことは大事なのは理解しています!ですが、濡れた髪の毛は約60°で変成すると聞いたことがあり、少しくらい水分が残った状態で乾かすのをやめた方が良いのかなと思っているのですが、実際どうなんでしょうか?

前田先生

確かに濡れた髪の毛は約60°で変成しますし、濡れた髪は柔らかくなって切れやすいんです。なので、ドライヤーの熱風を長時間、同じ場所に当て続けるのはとても危険です。

しかし、髪の毛のダメージ以上に、乾ききっていない水分が残っている状態は不衛生。頭皮にカビも発生しやすくなりますし、生乾き臭の原因になります!同じ場所に当て続けないように、ドライヤーを動かすことを意識しながら乾かしてみてください。

洗い流さないトリートメントをつけたの場合は?

お客さま

洗い流さないトリートメントを使っている場合は、毛先を保護してくれているので乾かさないで寝ても大丈夫ですよね?

前田先生

アウトバストリートメントには熱から髪を保護する役割があります。濡れた髪がコーティングされているので自然乾燥も遅くなり、何もしない以上に水分が残ってしまい、不衛生な状態になってしまうんです。そもそもアウトバストリートメントはドライヤーで乾かした場合に一番効果が出るように設計されているものですので、勿体ないですよ!

寝グセを直す時はどうしたらいい?

お客さま

翌朝寝グセを直す際に髪を濡らして2回もダメージを与えることになるので、結局髪の毛を乾かしても一緒ですよね?

前田先生

夜寝る前と朝の寝グセ直しの2回、同じことを繰り返してダメージが2倍になるのでは、ということですね。でも、髪を乾かさずに寝ると頭皮が不衛生。さらに寝グセの原因にもなります。これは後ほど説明しますね。髪を乾かして寝れば、翌朝はとても簡単に寝グセを直すことができます。

セミドライでスタイリングするパーマスタイルの場合は?

お客さま

髪を乾かさないといけない理由は、頭皮の雑菌を防ぐためですよね。でも、髪の毛を乾かせないパーマヘアの場合は、枕を毎日天日干しすれば雑菌の増殖を防げて清潔に保てますよね!

前田先生

そうですね。これまでの質問への回答からもわかるように、髪の毛を乾かす目的は頭皮の雑菌を防ぎ清潔を保つことが第一です。

髪を乾かさないと頭皮に雑菌が繁殖し、それが次に生えてくる髪に影響して余計にパーマが取れやすくなることも。

ですが、枕が清潔であっても頭皮の中での繁殖までは防げません。結局乾かすのがベターです。

どうしても乾かすのが気になる・億劫な時は…

ドライヤーで乾かすことがダメージにつながる、と考えていたり、

そもそもお風呂上がりの暑いときに乾かすのが面倒くさい、と考える人は非常に多いと思います。そんな時は…

冷風で髪を乾かす

この時期、熱風で乾かすと汗をかいたりしてしまいますよね。せっかくお風呂で汗を流したのに、また汗をかくなんて…。でも冷風で乾かすと、火照った身体のクールダウンにもなります。風量が強めの冷風が良いでしょう。

扇風機で乾かすのはどうなの?

何しろ夏のお風呂上りは暑い!冷風がいいなら、扇風機で乾くしそれでよいのでは?という気もしてきますよね。

でも実は、扇風機の風ってとても埃っぽいんです!羽根にすぐ埃が溜まりませんか……?これは当然扇風機の風にも混ざっていて、あまり濡れた髪に当てていると髪に汚れが溜まってしまいます。

ちなみに、周りの空気を集めて吐き出すのはドライヤーも扇風機も同じですが、ドライヤーにはフィルターがありますし、また熱風であれば、ドライヤー内部では180°ほどまで温度が上がるので熱で滅菌された風が出てきているのです。

……やっぱり我慢して熱風で一気に乾かしちゃったほうがいいかもしれないですね。

正しく乾かすことでダメージを防いで、翌朝の寝グセを抑えられる!

BOB編集部 小林

前田先生!相談です。

上記の質問の中で「髪を乾かさないと翌朝の寝グセの原因になる」と仰っていましたよね?私は髪の毛を乾かしてから寝ているのですが、翌朝の寝グセが酷くて直すのにとても時間がかかってしまいます……。乾かしているのに何が原因なのでしょうか。寝相もかなり悪いです!これも原因ですか?

前田先生

確かに寝相が悪いと、寝ている間に髪の毛が枕やシーツに髪が押し付けてしまい、髪が圧迫されて摩擦を起こしてしまいます。従って、寝相の悪さと寝グセは比例します。

ですが小林さんは寝相以前に、髪の毛を正しく・しっかりと乾かしていないのでしょう。なので寝グセが更に酷くなって、直すのに時間がかかってしまうのではないのでしょうか。

BOB編集部 小林

正しい乾かし方!?知りませんでした。前田先生教えてください!!

正しい髪の乾かし方とは、頭皮を乾かすことだった

先ほどの質問の中で寝ぐせの問題を取り上げましたね。「髪を乾かして寝れば、翌朝はとても簡単に寝グセを直すことができる」と前田先生が仰っていましたね。髪を正しく乾かすのがポイントです。詳しく教えてもらいましょう。

前田先生

夜しっかり頭皮を乾かし、毛の流れを整えておけば翌朝寝グセを直すとき、根元を矯正するだけ!
ポイントは髪の毛の表面ではなく、頭皮(髪の毛の根元)を乾かすことです。
毛先がハネてしまうのは根元のクセの原因なのです!

お客さまに「正しい髪の乾かし方」を説明する際には、頭皮をしっかり乾かすことを説明してあげましょう。これはシャンプーする際にも共通することで、頭皮をしっかり洗うようにシャンプーすると良いでしょう。

水は上から下に落ちる

また、今更な話ですがお客さまが意外と見落としがちなことに、「水は上から下に落ちるから、根元から乾かさないと二度手間」ということがあります。

髪の毛が長くて乾くまで時間がかかる!とおっしゃるお客さまの多くは、頭のサイド~盆の窪辺りの毛量がたまる部分の根元を先に乾かそうとして、根元から水が落ちてくるので「いつまでも乾かない!」と感じている場合が多いものです。

これだと根元まで乾くころには毛先がパサパサ……そして、ドライヤー=髪が傷むというイメージが形成されてしまうわけなのですね。

「髪の毛を乾かさない」という行為は危険すぎる

前田先生

髪や肌が濡れたまま放置するのは、丸腰で戦場をさまようぐらい無防備!

武装もせず戦場にいるのってどう考えても危ない!それと同じくらい、濡れて膨張した髪の毛は、超無防状態と言うこと。頭皮に残った皮脂でニオイの原因にもなるし、パーマ・カラーをするよりダメージ大なのです!!

濡れたまま寝ると、地肌は雑菌の住処に!


もしお客さまとの会話の中で「実はいつもちゃんと乾かさずに寝ちゃうんです…」と言われたら、以下の【前田先生とお客様のお手本トーク】を是非参考にしてみてください。髪を乾かさないと、髪の毛が痛んでしまい今後カット・カラー・パーマなどの施術する際にトラブルの原因にも繋がってしまうかもしれません。大切なお客さまと髪の毛のためにも、しっかりと伝えましょう。

【前田先生とお客さまのお手本トーク】

お客さま:寝る前の忙しい時間に髪を乾かすのが面倒です! どうせ翌朝に寝グセ直しするのに、どうして乾かさなきゃいけないんですか?

前田先生:お客さま、髪を乾かさずに寝るのは頭皮にも髪にも非常に悪影響です。まず、頭皮に残った皮脂に水分が残ったまま寝ると雑菌が繁殖する原因になります。お化粧を落として寝なければ肌によくないのと同じですね。また、髪も濡れているとキューティクルが開き、そのまま寝ると摩擦や絡まりの原因になります。

お客さま:雑菌にダメージ……!でも、毛量が多くて乾かすのが大変なの、どうにかならない?

前田先生:ご安心ください。正しい乾かし方をしっかりレクチャーいたします。ポイントは髪の根元をしっかり指で動かしながら、頭皮に風をあてるようにすること。髪でなく頭皮を乾かすつもりでドライヤーを使ってみてくださいね。

BOB編集部 小林

「髪の毛を乾かさない」という行為がいかに危険ということがよくわかりました。そして今夜からは、髪の根元をしっかりと乾かすイメージでドライヤーをします。先生に話が聞けて良かったです。前田先生、本日はありがとうございました!

美容師のケミ会話では他にもお客さまからの悩み「ホームカラーっていいの?」「市販のシャンプーってどれがいいですか?」「枝毛が気になるので、トリートメントで直してください」など25個以上の質問と適切な答え方が載っています!これを読んで、お客さまになんとなく答えるのはもうやめましょう!是非お手に取ってみてくださいね。

美容師のケミ会話 前田秀雄
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毛髪診断士の資格を23年持ち、サロンワークでは年間平均来店回数8回、店販購買率95%という驚異の数字を誇る前田秀雄さんが教える「ケミカルの知識を取り入れた会話=ケミ会話」なら、お客さま1人ひとりの悩みにフィットし、生涯顧客化がかないます。
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前田秀雄 / のりこ美容室(のりこびようしつ)
Profile
前田秀雄

のりこ美容室(のりこびようしつ)

まえだひでお/1965年9月6日、京都府生まれ。京都理容美容専修学校卒業後、1991年に母・紀子さんが創業したのりこ美容室に勤務。2007年に事業を承継し㈱NORIKOを設立。代表取締役社長となる。毛髪診断士および毛髪協会認定講師の資格は1995年に取得。小さな美容室の「行きつけマーケティング」という独自化経営のコアを支えるのが毛髪科学知識であり、徹底した悩み解決提案・施術にこだわる。趣味は天体観測。

ボブログ編集部
執筆者
ボブログ編集部

成長し続ける美容師のための髪書房ウェブメディア『ボブログ』。これまでにないスピードで変革する時代に必要な情報【パラダイムシフトの芽】をいち早く見つけ、掘り下げ、新しい常識を提案します。

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