「いつか」のためにも、今が大切!女性美容師の妊活心得

「いつか」のためにも、今が大切!女性美容師の妊活心得

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特集:フェムケア革命

もしかして女性美容師は妊娠しにくい…? 「いつかは」と思っている今の時期に妊活について知っておくことで、心と体の準備を整えておきましょう。

女性美容師のみなさんのなかにも、「いつか子どもを持ちたいな」と未来予想図を描いている人は多いと思います。

その一方で取材で出会う先輩女性美容師さんたちからは、妊娠までに苦労したという、いわゆる「不妊」の話もよく聞きます。

もしかして、女性美容師は妊娠しにくい…!?

そんな不安を払拭するべく、妊活療法士として妊活アドバイスを行なっている、マタニティ専門アロマセラピーケアサロン「はなみらん」代表の花香さんにお話しを伺ってきました!

一緒にお話しを聞いたのは、現在、アメリカと日本で超遠距離結婚生活をしている片岡あかねさん。片岡さん、「来年には妊娠を!」と考えているそうなのですが「美容師の妊活」って何から始めたらいいのでしょう?

Contents


教えてくれるのは…

花香/はなか / マタニティ専門アロマセラピーケアサロン「はなみらん」/東京・赤坂
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花香/はなか

マタニティ専門アロマセラピーケアサロン「はなみらん」/東京・赤坂

マタニティアロマセラピスト・妊活療法士。会員制ホテル内のアロマサロン、高級宿泊施設のSPA、総合病院産科病棟専門セラピストなどを経て、妊活・妊娠中、産後のケアを行うマタニティ専門のアロマセラピーケアサロンをオープン。妊婦ケアの経験は8,000件以上。オンラインで妊活カウンセリングや妊活教室を行う。ホットペッパービューティーのマタニティ部門にて東京エリアの口コミ1位を12ヵ月連続で獲得した経験も。現在インスタで妊活についての無料勉強会を毎月開催中。


妊活美容師代表として登場してくれたのは…

片岡あかね/かたおかあかね / SALON87/NY・ブルックリン
Profile
片岡あかね/かたおかあかね

SALON87/NY・ブルックリン

1987年生まれ。中部美容専門学校卒業後、愛知県名古屋市を中心に展開する「ASCH」に入社。トップスタイリスト兼トップネイリストとして活躍後、2022年に退職し渡米。現在、NY・ブルックリンの「SALON87」に勤務。
プライベートは21年に結婚。現在、千葉県とNYの超遠距離結婚生活中。20代の頃から子どもを産む将来を意識して対策を始め、今のところ来年〜再来年の妊娠・出産を希望。

人間は妊娠しにくい生き物!?

花香先生 突然ですが上のクイズ、わかりますか? ねずみの妊娠率は100%と言われているのですが、人間の場合はどうだと思います?

片岡 うーん、24%くらい?

花香先生 すごい、ほぼ正解です! 人間の妊娠率は、20~30%くらいと言われています。つまり美容師さんに限らず、人間はそもそも妊娠しにくい生き物。これが私たちの大前提だと思ってください。妊娠しやすい体づくりをしないと、誰だって妊娠しにくいものなんです。

片岡 若かったらすぐに妊娠できると思っている人も多いですよね。

花香先生 ほとんどの方が知らないんです。それでいざ子どもがほしいと思ったときに、すぐにはできずに病院に行ったり、そこから生活習慣を整え始めたりするので、妊娠するまでにすごく時間がかかってしまうというのが現状だと思います。

片岡 妊娠したい時期の前から自分で確率を上げておかないといけないんですね! でも妊娠しやすい体づくりって何をしたらいいんですか? 私も冷えないように毎日腹巻きを巻いたり、サプリを飲んだりしているんですけれど。

花香先生 病院でやってくれること以外ですね。つまり食事、睡眠、運動といった生活習慣を整えるということを私たち自身でやっていく。今の状態にプラスすることで、妊娠しやすい体をつくっていきます。
そもそも、もし不妊治療を受けることになったとしても、精子と卵子をつくるのは私たち自身。病院の先生は精子と卵子を出合わせる仲人さんみたいなものなんです。ぴっかぴかの精子を卵子を預けられたら、それだけお見合いも成功しやすくなりますし、自然妊娠の確率も上がります。

片岡 美容師の妊娠率はさっき聞いた数字よりももっと低い気がします
美容師の知り合いからも、子どもを授かるまでに時間がかかったと聞くことも多くて…。美容室は床がコンクリートなどで、足元からすごく冷えやすいんです。しかも立ち仕事で常にむくんでいて、私たちが働いている環境って妊活という意味では絶対に良くないですよね。

花香先生 しかも美容師さんの生活は、睡眠も食事もかなり不規則じゃないですか?

片岡 特にご飯は接客の合間にぱぱっと食べることが多いので、決まった時間に食べるのは難しかったです。

花香先生 そう考えると、「妊娠」ということにフォーカスした場合、美容師の仕事はなかなかにハードなお仕事かなと思います。

美容師の妊活、何から始める?

片岡 妊活に食が大切なのはわかっているんですけど、それがなかなか難しくて…。ジャンクなものが大好きで。

花香先生 たとえばどんな感じですか?

片岡 最近はさつまいもチップスとハリボーばっかり食べてます。ついでに言えば、今日のごはんはカップラーメン!(笑)

花香先生 それは!(絶句)

片岡 その分、運動したり、冷え対策をしたりしたらいいかなと思っているんですけれど、それではダメですか?

花香先生 運動も冷え対策も良いことなのですが、それでもジャンクなお食事は変えていきたいところですね。私たちは食べた物でできあがっているので、食事はとても大切です。

片岡 でも一気に変えられる気がしません。これだけは! みたいなものはありますか?

花香先生 バランス良くというのが大切なのですが、意識してほしいものを言うとしたらタンパク質。これはしっかり摂ってほしいです。たとえばハリボーを、ゆで卵に変えてみる。ゆで卵なら隙間時間でも片手でパクッと食べられますよね。

片岡 タンパク質が大事というのは、ジムのパーソナルトレーナーさんからも聞いたことがあります。

花香先生 私たちの体はもちろん、卵子も精子もタンパク質でできていますから。タンパク質を摂る量の目安は、1食で片手に乗るくらいの量。ゆで卵なら2個くらい、鮭の切り身も一切れがちょうど手の平サイズくらいですよね。高タンパク質のヨーグルトもおすすめです。
そして、もうひとつ言うなら食物繊維を摂るのも意識してほしいです。

片岡 じゃあ、さつまいもチップスはオーケー?

花香先生 うーん、できたらふかしたさつまいもを! タンパク質を摂ると便秘がちになることもあるので、お通じのリズムを整えるためにも食物繊維も摂ってほしいですね。あかねさんはお通じはいい感じですか?

片岡 問題ないです。

花香先生 いいですね! 排出が滞っていると、どんなにいいものを食べても腸で吸収ができなくて意味がなくなってしまいます。食べたら出すの循環ができて、はじめて摂った栄養が役立つので、そのリズムが崩れないようにしてくださいね。

サプリを探す、その前に

花音先生 この質問、本当によくいただくのですが、安いサプリは品質もそれなり。つまり結果もそれなりです。妊活のためのサプリに関しては、手頃なものという感覚で選ぶのはやめてほしいです。

片岡 やっぱりそうなんだ〜。でもあまり高額だと続けるのが大変で…。

花音先生 みなさん、そうおっしゃいます。でも続けられなかったら意味がないんですね。摂取したものが体に変化を与えるまでにかかる期間は、最短でも3ヵ月と言われています。だから3ヵ月以上は摂り続けないとお金も時間も無駄になってしまう。続けるのが難しそうだったら、サプリは使わずに、まずはメインである食事から十分な栄養を補うことを考えたほうがいいかなと思います。

片岡 普段から栄養を摂れていたらサプリはいらなくなりますもんね。

花音先生 そもそもサプリメントの和訳は補助・補足。絶対に必要なものではないんです。あとサプリも食事と同じで、食べたら出すという循環を順調にできる腸内環境が整っていなかったら、摂っても吸収されていきません。カス(便)が腸に詰まっていたら、栄養が体内に吸収されないんですね。ですからまずはきちんと排泄できるような整った腸にするために、体質改善をするのが先と考えてくださいね。

片岡 先生、そのうえでおすすめのサプリをやっぱり聞いておきたいです!

花香先生 ビタミンDはサプリメントで摂ることを前向きに考えてもいいと思います。子宮内膜の環境や受精卵の着床などに関係があると言われている栄養素なのですが、食べ物からは摂取がしにくいんです。日光を浴びると生成されるのですが、UVケアもしていると思いますし、紫外線を浴びる機会も減っていると思うので、サプリに頼ってもいいのではと思います。

冷えが避けられない美容師にできること

片岡 さっきも少し言いましたが、美容室に一日中いるととにかく足から冷えてしまって。冷えにくい体に改善していくことってできますか?

花香先生 やっぱり運動ですね。腹巻きや靴下で対策をしても、体が温まるわけではありません。冷たいペットボトルに腹巻きをしても、飲み物が温まらないのと同じこと。それらは保温でしかないんです。
だから自分で自家発電をして温かい体にして、そのうえで腹巻きなどを。そうしたら冷たい床のサロンに1日いてもその温かさをキープできます。

片岡 運動って何がいいですか?

花香先生 私はまず筋トレをやっていただきたいなと思っています。筋肉があると血流を良くし、生み出す熱量を上げてくれます。ウォーキングなどの有酸素運動の効果も筋肉をつけると上がりますよ。

片岡 筋トレが一番自分でやるのが難しい運動な気がします。どのくらいやらないといけないですか?

花香先生 まずはスクワットで下半身の血流を良くするところから始めましょう。初日は1回、次の日は2回、10回まで行ったらそれを1週間と、少しつづ増やして続ける習慣をつくるのがコツ。最低3ヵ月は続けてくださいね。
あとはお風呂。あかねさん、NYのお家にはバスタブはありますか?

片岡 あるんですけれど、毎日入っているかと言われると入っていないです。

花香先生 湯船にはつかったほうがいいと思います。お風呂に入ることで外側から体を温めるだけでなく、自律神経が整いやすくなります。副交感神経が優位になって、末端の血管が広がるんですね。そうすると循環も良くなるので、自家発電しやすくなります。 毎日湯船に浸かる時間がなかったら、足浴だけでもしてほしい。ふくらはぎくらいの高さまでお湯を張って足を浸けるだけで、循環が良くなって、ぽかぽかボディに近づけますよ!

「いつかは…」だけど「今すぐじゃない」人も、これだけは!

片岡 私は若い頃から自分の将来設計のなかに家族を持つこと、子どもを産むことが入っていました。だから結婚するよりもずっと前、27歳くらいの頃に、自分が授かれる体なのか、リミットはいつ頃なのかを知りたくて、婦人科を受診しました。
そこで卵子の数を調べる検査をして、平均よりも卵子の数が少ないことを知ったんです。それで先生から妊娠を望む時期が来るまでピルを服用ことをすすめられて、それからずっとピルを使っています。

花香先生 それはとても素晴らしいですね! みんな、自分の生理の状態や子宮の状態が普通なのか、どうなのか、わかっていないと思うんです。わからないままだと改善のしようもないですよね。だからパートナーがいてもいなくても「いつか…」と思っているなら、一旦、婦人科に行ってみることをおすすめします
今は「ブライダルチェック」といって、一通り検査ができるプランも多くの婦人科にあります。これは結婚していてもしていなくても、気にせず受けられるプランです。

片岡 婦人科って、行きにくく感じている人もいるかもしれないけれど、全然こわくないですよね。プライバシーも他の病院以上に守ってくれように感じています。私は名古屋の婦人科医をたくさん巡って、今はずっと1つのところに通い続けています。いろいろ巡ったのでお客さまにもアドバイスできるようになりました。

花香先生 そんな美容師さんがいたら、女性のお客さまにはとても頼りになりますね!
あと人生設計を立てたというのもすごくいいと思います。今日お伝えしたような食事や睡眠、運動といった体質改善は、子どもをつくろうとなる前段階のこと。体質改善は最低でも3ヵ月かかると言われていますし、私個人としては6ヵ月がんばってほしいと思っています。良い形で「いつか」が「今」に切り替わったときのスタートを切るためにも、逆算して体を整えていっていただきたいです。

片岡 逆算して6ヵ月前から…。

花香先生 あかねさんが来年6月頃の妊娠を目指すなら、来年の1月にはハリボーやカップ麺はやめていただく、ということですね!

片岡 完全にやめるのは難しそう〜。今日いろいろと教えていただいたからには、今から少しずつ食べ物を変えて、いいものを積み重ねてその時期を迎えたいと思います!

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執筆者
mackey

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