NEXT LEADER編集長が「NEXT LEADER 6月号」取材ウラ話を語る

NEXT LEADER編集長が「NEXT LEADER 6月号」取材ウラ話を語る

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5月1日発売のNEXT LEADER6月号の特集は「売らない店販」。

コロナ禍を経て、再び盛り上がってきた店販マーケットにおいて、体験の場である美容室ならではのアドバンテージと浸透するECの可能性について取材しました。

【編集部の取材ウラ話】

前回このウラ話を書いてみて、あらためて投稿後にクリックしたら思っていたよりあっさりしてたので、今回は長く書きますね!(反省)

美容室をショールームに

毎年、この時期は店販特集を行うことが多いのですが、最初のきっかけは昨年末の店販で美容機器が非常に好調だったことでした。ドライヤー、アイロンだけでなく、マッサージ機、電気ブラシ、脱毛器など、肌や健康にアプローチする商品のバリエーションが増えていて、高額な商品であればあるほど、美容室で触って試してから購入したいという消費者マインドを感じました。

当然、ネットで大きく割引されていない商品という前提はありますが、ひと昔前のように家電店の美容機器コーナーで購入する人は減ったように感じます。

たとえばアイロンにしても、あまりにも高機能な商品が増えたので、本当に自分に合ったものがわかりにくくなっている。だからこそ、自分の髪質がわかっている美容師にアドバイスを受け、使い方のコツなどを教えてもらったうえで購入したいというのが消費者の心理でしょう。

記事でも書きましたが、「美容室をショールームに」。

体験を提供する場として美容室の価値が高まっていることは間違いありません。コロナ禍が収束してきたころもあり、「ビューティフェア」を復活させたサロンが増えてきたというのもその証拠かもしれません。


ECの可能性

今回の店販特集。もう1つのポイントが「ECの可能性」です。

美容室のECを取り巻く環境はコロナ禍の3年で大きく変わりました。

以前は自社でECサイトを構築するか、既存のネットショップサイトを利用するしか選択肢がなかったのですが、それだと予算もかかるし、専売品のラインナップも増えない。だったら、やはり「店頭で」となってしまいます。

しかし、この3年間でメーカーEC、ディーラーEC、予約アプリECなど、業界内のECサービスがかなり整備されました。顧客の紐づけが簡単になったことで、取り扱える商品も増え、配送も自社で行う必要がなくなりました。

まだ美容室のEC比率はアパレル業界ほど高まっていませんが、スタッフの負担が減ったという意味ではECサービスの浸透は非常にインパクトがありました。負担軽減は梱包・発送だけではありません。

店販あるあるだと思うのですが、美容師は失客のリスクの方が大きいから「なかなか全員に店販を説明できない」「時間がないからクロージングに焦りが出てしまう」。

一方で顧客は「急に提案されても決断できない」から「考えとくわ」と場が気まずくなる。EC以前は「わかりました」としか言えなかった美容師も、ECがあれば「時間があるときにチェックしてみてください」と前向きな対応が可能になります。このクロージングの変化によるスタッフの心の負担の軽減こそがECの一番の恩恵だと思います。

今回の取材でECの未来を感じたのが、MINXが2月にオープンしたシブヤスマートサロンです。敷地の1/3が店販スペースという斬新な設計もありますが、今年3月は店販購買率が44.6%。また同月の店販売上の51%をECで計上していたのです。キャンペーン期間だったとはいえ、オープン2ヶ月でEC売上比率が50%以上というのは衝撃でした。しかもEC購入単価は15,995円と平均よりも5,000円も高く、複数購入が多いことがわかります。

今回の特集には、こうしたサロンレポートだけでなく、夏と冬の店販商戦対策として、4サロンの店販オリジナルカタログの中身を詳しく解説しています。

これまでは誌面のスペースの都合で、店販カタログの表紙しか紹介できないことが多かったのですが、実は内容にもこだわっている店販カタログは多く、今回はしっかり紹介できたのではないかと自負しています。ぜひ参考にしてみてください!

以上、現場からでした。

<今月のコンテンツ>
・現場から生まれるサステナブル店販(FRACTAL DESIGN/長崎県長崎市)
・エリアをつなげるビューティフェア(COLCHE/静岡県伊東市)
・リアルとデジタルを融合し店販購買率50%は目前(MINX shibuya smart salon/東京・渋谷)
・店販に強いサロンがEC導入で見えてきた未来(MISS ESSENCE/愛知県名古屋市)
・店販オリジナルカタログ見本市



NEXT LEADER6月号「売らない店販」のご購入はこちらから!

定価1,870円(本体価格1,700円)
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執筆者
渡辺 淳司

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