前回(下記「シリーズ第2弾」参照)の奈良さんに続き、メンズファッション誌『CHOKiCHOKi』のおしゃれキングとしてモデルのイメージが先行していた三科さん。整った容姿は変わりませんが、結果を出し続けてきた彼に対する評価はすでにがらりと変わっています。
インプットとアウトプット、そしてアップデート。彼を動かし続ける継続力を聞きました。
月刊BOB2018年11月号「ぼくたちは継続力で、できている」特集から、トップランナーの継続力を深掘りしたインタビューを掲載します。
注)情報はすべて掲載当時のものです
知名度ではなく、美容師の腕でお客さまの心を掴みたかった
「カットは常に考えながら切っています。以前来店したお客さまが再来店したら、その場である程度答え合わせをする。『前回はこう切ったけど、ここが扱いづらかったのならもっとこうやって切らないといけないな』というのを考えながら。頭の中にある理論をサロンワーク中に組み合わせていますね」
サロンや自宅には山積みの本。美容技術書はもちろん、消費者心理学や経営学、薬剤のことが気になったら医学書にまで手を伸ばす。
「技術でも接客でも、そのときの問題点や課題に対して必要な部分が何なのかを考えるためには〝材料〟が必要。だから常に本から知識をインプットするようにしています」
元々は読書が苦手だったと語る三科さん。そんな彼を勉強熱心な読書家へ変えたのは、ある偶然がきっかけだった。
「アシスタントになりたての頃、コンビニでお弁当を温めていたんです。ふと、後ろの書棚を見ると、ある統計学の本があって、読んでみると〝年収1000万円を超える人は年間7〜8冊は本を読んでいる〟と書いてあったんです。先人たちが残した成功への近道が提示されているのに、そっちを選ばないのはすごくもったいないなと思って読書を始めたんです」
常にアップデートし続けることで、これからも進化を重ねていく
デビューして2年後、三科さんは中村トメ吉さんと髙木琢也さんに誘われ、OCEAN TOKYOへ参画する。
「僕にとって技術も接客も2人がベース。見て、感じて取り入れて、それを超えるためにまた考える。自由にのびのびとやらせてもらったおかげで、今のような考える力がついたと思います」
飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続ける、OCEAN TOKYO。本店の店長としてスタートした三科さんは今、原宿店代表となり、サロンの中核を担っている。
「僕は大きな目標に対して先にプロセスを組んでいくタイプ。そのプロセス1つひとつに必要な条件をバーっと出して、ひとつずつ行動に移していきます。必要な要素を細分化して考えると方法論にたどり着くので、おのずと目標達成に近づけるんです」
モデル時代の失った代償を取り戻すように邁進し続ける三科さん。そんな彼は、できることを頑張るのではなく、できないことをできるように努力することが大切だという。
「当たり前ですが、何もしないと成長は止まります。常にインプットとアウトプットを繰り返し、自分をアップデートしていかないともったいない。方法は何でもいいのですが、できないことから目を背けるのではなく、できないことこそやる。かっこつけず『俺、できないから』と言って頑張っているほうが、何倍もかっこいいと思います」OCEAN TOKYOとともに日々進化を続ける〝美容師・三科光平〟は、今日も考えることをやめない。
三科さんから学ぶ「継続力」
常に知識を取り入れながら熟考し、アップデートを重ねる
もったいないをなくす ことを心がける
- Profile
- 三科光平(みしなこうへい)
OCEAN TOKYO
1989年1月16日生まれ。山梨県出身。山野美容専門学校卒城。1店舗を経て、OCEAN TOKYO創業に参加。現在、OCEAN TOKYO Harajukuの代表取締役。若者を中心に絶大な人気を誇り、技術には定評がある。著書は『「考える」で人生は変わる』(宝島社)。