フォロワー1万人超えを量産する〈AMA TOKYO〉間嶋崇裕のインスタ学

フォロワー1万人超えを量産する〈AMA TOKYO〉間嶋崇裕のインスタ学

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今や月間アクティブユーザー数が約20億人となったインスタグラム。若者だけでなく幅広い世代が利用し、美容師の集客ツールとしてもすっかり定着しています。
まだまだインスタグラム集客の戦国時代ともいえる今、どうやって勝ち抜くのか? 組織的なSNS運用で目覚ましい成果を上げるAMA TOKYO間嶋崇裕代表にインタビューしました。

スタッフ約20人が
半年でフォロワー1万人に!

今回お話を聞く間嶋崇裕さんは、東京・表参道のブランドサロンAFLOAT(株式会社エターナル)執行役員でありながら、同グループ業務委託サロンAMA TOKYOの代表も務めています。

SNS運用を軸としたスタッフの売上アップの実績があり、半年で有志スタッフの約20名のスタッフのフォロワーを1万人以上に! さらに、そのスタッフ1人あたり月間売上を平均100万円超引き上げることに成功しました。

間嶋崇裕  / AMA TOKYO代表/株式会社エターナル 執行役員
Profile
間嶋崇裕

AMA TOKYO代表/株式会社エターナル 執行役員

1992年香川県生まれ。高校在学中から美容を志し、JNA1級(ネイリスト資格)を取得。東京モード学園専門学校卒業後、AFLOATに入社。同社CEO宮村浩気氏の専属アシスタントを4年勤める。デビュー後1年半で総売上・新規集客でグループ1位となり、最年少で執行役員に就任。SNSマーケティングを軸とした教育に携わる。2022年には業務委託サロン「AMA TOKYO」をオープン。

──インスタグラムが集客ツールとしてすっかり定着した昨今。間嶋さんは自身だけでなく、スタッフ教育やコンサルティングを通してフォロワー数増加、新規数増加を叶えています。まず、そのビジョンを教えてください。

間嶋さん

まず、SNSは頑張った成果がわかりやすく数字に表れます。ですので、若いスタッフの教育的観点からしっかりフォロワー数や「バズ」を目標にこだわることを教えています。
また、フォロワー数はしっかり追っていけばリターンや紹介にもつながると思います。たとえば、飲食店を人に話すとき「1つ星のお店」とか「1年待ちのお店」と言ったりしますよね。美容師が当たり前にインスタグラムをやっている今、お客さまにとっても担当美容師のフォロワー数が多いことは承認欲求を満たすことにもつながると思うんです!

──おもしろい着眼点ですね! ここからは、そういった間嶋さん流のSNS運用について具体的に探っていきたいと思います。

新時代のインスタグラム運用
3つの流儀

間嶋流①
失客は恐れない! 数字は一気に上げる!

──ここからは具体的な「間嶋流SNS運用」のポイントをうかがっていきます。「バズらせない」というSNS戦略もある中で、あえてフォロワー1万人以上などの目標で高みを目指しているのはなぜでしょうか。

間嶋さん

まず、僕は根本として、今は「失客を前提にすべき時代」だと思っているんです。

──人口減少が問題視されている昨今ですが、なぜそう思われますか?

間嶋さん

現代は確かにお客さまの人数は減りましたが、SNSで情報が溢れることで、お客さまのニーズが変わっていると考えます。
美容師さんを1人に決めるのではなく、何人か気になる人がいる中から目的やニーズに合わせて選びたい、回遊したいというニーズになっているなと。

──それはおもしろい指摘ですね。ヘアカラーはこの人、バッサリカットするならこの人に、という具合でしょうか。

間嶋さん

そうです。ですから、まず一定数失客はするものとして、その中でいかに帰ってきてもらえるようにするか、あるいは失客の分を何で補填するかを考えるようにパラダイムシフトすることが重要です。

間嶋流②
ノウハウを共有してチームで闘う!

──とすると、やはりたくさんの美容師がいる中から、顧客にとって「回遊したい数人」に突出して選ばれなければいけませんよね。そのためにはどうすればいいのでしょうか。個別に指導していかれるのですか?

間嶋さん

僕のSNS教育は自分自身や周りの人の「成功モデル」がベースになっています。まず、そのやり方をスタッフに落とし込み、実行してもらいます。
そして、グループ全体で約300名のデータを分析します。伸びている子とそうでない子、しっかり取り組めている子とそうでない子のデータを細かく見ていくと、何がウケるか、新しい成功モデルが生まれるというわけです。

──その点はスケールメリットもありそうですね。スタッフに落とし込む、実行してもらう段階で苦労する教育担当者・経営者もいるのではと思うのですが。

間嶋さん

僕が自社でノウハウを落とし込んだ際は、グループ内店舗を回って有志のスタッフを31名集めました。有志というのがポイントで、まずは意欲がある人に「いかに早く成果を上げさせるか」が大切です。
SNSは意欲をもって素直に取り組めば数字に表れやすいので、その実績が他の人にも広がっていくというストーリーですね。

──取り組みが成果に直結しやすいとのことですが、「これは鉄板!」という取り組み例を教えてください。

間嶋さん

はい! それは、こちらです。

① ポジティブな「スマホ依存」で発信グセをつける!
② ペルソナ設定は「身近な人」で考えよう
③ 5秒で離脱されないプロフィールづくり

─「スマホ依存」というのがおもしろいですが。

間嶋さん

これは、最初の取り組み始めのうちは「SNSを触るクセをつけること」が大事だからです。とにかく毎日投稿するクセをつけよう、SNSを触ろうということを言っています。

──インスタグラム集客の初期に、1日に何度も投稿するスタイルで伸びている人がいました。いまだに投稿頻度は大切なのですか?

間嶋さん

1000人台とかの最初のうちは大切ですね。まずは「習慣化」、次に質だと思います。



──投稿する“ネタ”に苦戦することはありませんか?

間嶋さん

最初のうちは僕や幹部のつくったヘアスタイル写真を上げていいよ、とも言って渡しちゃってます。そのくらい「投稿する習慣づけ」を重視します。
習慣になって投稿経験を積んでくると、データが溜まります。そうすると自分から、どうやったら反響が上がるかな? と質にこだわるようになっていくんです。

──実行しやすいことから段階的に指導していくから実績につながりやすいのですね。②のペルソナ設定はなぜ必要なのでしょうか?

間嶋さん

自分の中で投稿の「正解」のものさしをつくるためです。年齢や職業、年収など細かく人物像を設定して、それが伝わるプロフィールに「テキスト+投稿」でデザインするのが鉄則ですね。

──特化型の時代でいろんな美容師さんのウリがアピールされる昨今、「ペルソナ」を決めるのは難しそうに思えます。

間嶋さん

難しく考える必要はなく、自分の好きなことでいいと思うんです。好きなことを極められない人は、何をやっても極められないと思いますので。韓国が好き、メイクが好き、アレンジが好き……という風に、まずは自分の好きなことから、それを求める女性像をイメージしていく感じです。

──なるほど、女性美容師の場合は自分を中心に考えやすいですが、男性美容師にとっては難しそうだと感じますが。

間嶋さん

そういう場合は、僕は「好きなタイプの女性でいいじゃん」「彼女はどんな人?」と声掛けをします!

──彼女! なるほど!

間嶋さん

彼女なら、間違いなくそのスタッフの好きな世界観だと思うので(笑)。ロングヘアなのか、ショートなのか? どんな服装で美容にどのくらいお金をかけていて……というのを具体的にイメージするには、身近な人で考えるとわかりやすいですね。

韓国ヘア特化を分かりやすく打ち出した蓬莱たけるさん[AFLOAT RUVUA]※名前クリックでインスタグラムに遷移します
得意のウルフを打ち出し成功した藤田圭介さん[AFLOAT GINZA]※名前クリックでインスタグラムに遷移します

間嶋流③
バズ+会社のフォローで安定成長を目指す

──実際にフォロワーはどのように増えていきますか? 一気にバズってしまっても大丈夫なのでしょうか。

間嶋さん

インスタグラムは長期でバズるものではないので、1カ月くらいで伸び率が下がってきてしまいます。ですから、セーブして段階的に上げよう、とするよりも波に乗って一気にバズらせるべきだと僕は考えます。

──技術やオペレーションが不安なので、少しずつ枠を増やすケースが多そうですが。

間嶋さん

僕はバズったらすぐに枠を広げた方がいいと思います。
2~3枠を一気に5枠に増やしたりするのは一見無茶に思えますが、そういった負荷こそが技術や接客のスキルを伸ばすと思います。そもそもAFLOATはデビューに3~4年かかり、世間より少し遅いので、デビュー時点で基礎力が高くて負荷に強いという背景もありますが……!

──ほどよい負荷が重要ということですね。スタッフは応えられますか? ついていけない子が淘汰されて離職しないかという不安もあります。

間嶋さん

逆に本人がSNSで「成果が出ている」と実感しているときに環境を整えないお店だと思われる方が辞めてしまうと思います。
また、成功体験を実感しているときは、自分に自信がついています。そこで枠を広げると「サロンワークって1人ではできない」と気づき、アシスタントや仲間に感謝が生まれ、伝え方や振る舞いが変わるるんです。
最初に話したように、失客等のリスクはありますが、1人の美容師を育てるために一番いいやり方かなと思っています。

山下広輔さん[AFLOAT GINZA]の実例。フォロワーの伸びに比例して総売上も押し上げ、フォロワーは10倍以上、総売上は4倍に。
間嶋さん

こちらは僕がサポートした中でも、フォロワー・売り上げともに理想的な伸び方をした事例です。
”質”にこだわるようになると撮影に積極的になるので、モデルの準備や撮り方の指導などをこまめにサポートしました。
成功体験をしたスタッフが意欲向上した際に勉強できる場が整っていることが重要で、撮影サポート以外にも動画教育サイトを全スタッフ見放題にしたり、メーカーさんの売上フォローアップシステムも利用したりしています。

SNS新時代ならではの
“つながり方”で成長し続ける

──間嶋さん流のSNS戦略は、美容師として支持される喜びと成果が上がる成功体験をともに得られると感じました。最後に今後の展望をお聞かせください。

間嶋さん

僕はAFLOATというブランドサロンだからこそ、組織で協力し合って取り組むやり方をもっと追求したいと思っています。
SNSは頑張った分だけ成果が出て承認欲求を満たしますが、チームで取り組んでいると、自分の承認欲求ではなく「自分の力を他人のために使いたい」という視点になる人が多いことに気づきました。
SNSというと一見個人集客に思えますが、使い方によってはチーム全体で高め合えるもの。そういう運用が僕の強みだと思うので、そんな“美容師力”を高めるSNS運用をもっと広めていきたいですね。

ななしま
執筆者
ななしま

直毛一族の末裔。毛髪科学、色彩学、財務が得意です。好きなものは宝塚と世良真純、さらば青春の光。

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