今日のボブログは、執筆者(40代・女性)の悩み、ヘアカラーとアレルギー疑惑にまつわるリアルレポートです。
頭皮にかゆみが出るので、ジアミンアレルギーなのではないかと気になっています。
10代後半からアルカリカラーをし続け、20年以上、30代で白髪が出始めてからは3週間に1回のペースでカラーをしてきました。
気になっているのはかゆみだけで、かぶれたことはありません。
「あがりにくい」髪質のため、塗布時間は長め。花粉症と同じように、一定量を超えてしまっているのか? 最近はヘアマニキュアに変えて施術をしてもらっているのですが、それでもかゆみが出ることがあり……。ということはジアミンアレルギーではないのか?
ヘアカラーは関係のないかゆみであるなら、マニキュアだけに絞らず、もっと幅広い種類のヘアカラーを楽しみたい。白髪は染めたいけど、アレルギーはイヤ。もやもやしているこの状況、ともかく白黒ハッキリさせたい!
ヘアカラー工業会で発行している「理美容師向けヘアカラーリングハンドブック」の医師監修ページには以下のようなアドバイスがありました。
「よし、皮膚科でパッチテストを受けよう」
ヘアカラー工業会 理美容師向けサイト「キレイなヘアカラーを楽しみ続けていくために」
ヘアカラーでかぶれ等のトラブルがあった人にはヘアカラーは使用できない
ヘアカラー工業会のホームページには、「かぶれ等トラブルがあった方へのヘアカラーの使用はやめましょう」という明記があります。
最近では、ヘアカラーによる皮膚障害やサロンワークでの取り組みを理美容師に向けてわかりやすく動画配信もはじめています。
【解説動画】はこちらから
1)知識編:ヘアカラーによる皮膚障害
〜講師:藤田医科大学 松永佳世子先生〜
- ヘアカラーによる「即時型アレルギー」と「遅延型アレルギー」の違い
- ヘアカラーによる「アレルギー性のかぶれ」と「刺激性かぶれ」との違い
- 理美容師を守るために(理美容師の「手荒れ」と「アレルギー」)
- 手荒れをしないために「ハンドクリームの塗り方」
●実践編①:サロンワークでの取り組み
〜講師:小松健司氏 日本ヘアカラー協会 ヘアカラリスト kakimoto arms〜
- カウンセリングで聞いていること
- お客さまへのリスクの伝え方
- アレルギーが疑われるお客さまへの対応と伝え方
- 施術中に気をつけていること
- 万が一のトラブルに備えてのお店の取り組み
- 手荒れに関する対策
- 安全にヘアカラーを楽しむために必要だと思うこと
●実践編②:サロンワークでの取り組み
〜講師:江波戸大介氏 日本ヘアカラー協会 ヘアカラリスト imaii〜
- カウンセリングで聞いていること
- お客さまへのリスクの伝え方
- 施術中のトラブルの対処
- 手荒れに関する対策
- 安全にヘアカラーを楽しむために必要だと思うこと
20種類のアレルゲンを同時チェック
皮膚科でのパッチテストは、パッチテストを貼ってから決められた日数を空けて皮膚科に5回通うというハードルの高さがあり、ずっと先延ばしにしてしまっていたのですが、「これはもうパッチテストを受けよう」と予約を取りました。
アレルギー反応をチェックできるアレルゲンは「パラフェニレンジアンミン(染料)」の他、硫酸ニッケル(金属)、香料ミックス(香料)、パラベンミックス(防腐剤)など20種類。20個の窓それぞれに一定量のアレルギンが含まれた2枚のシートを背中の傍脊椎部に貼ることで、20種類のアレルゲンを同時にチェックできるというもの。金属製品やゴム製品、医薬品、化粧品などのかぶれの原因物質を特定しやすくなります。
【皮膚科受診パッチテストの流れ】
1日目 アレルゲンを貼る
日常生活上アレルギーが成立している可能性のあるアレルゲンを皮膚科医が貼付します。
⇓
2日目 貼付ままで過ごす
⇓
3日目 結果判定(1回目)
受診して、皮膚科医がアレルゲンを剥がします。剥がした影響が取れてから、皮膚の反応を皮膚科医が確認。
⇓
4又は5日目 結果判定(2回目)
皮膚反応を皮膚科医が確認。
⇓
7又は8日目 結果判定(3回目)
遅延性のアレルゲンもあるため、皮膚反応を確認
(パンフレットに記載されている注意)
・パッチテストの結果、疑われるアレルゲンに対して陽性反応を示した場合は、テスト部位の皮膚に軽い赤みやぶつぶつができることがあります。
・陽性反応は20日後以降に出ることもあります。判定後、テスト部位に異常を感じたときは速やかに医師にご相談ください。
・判定後、速やかに治療をしますが反応が強く出るとしばらく反応が残存することがあります。
・一部のアレルゲンについて、テスト部位の皮膚が着色されることがあります。着色は2週間程持続することがあります。
・本剤により新たなアレルゲンにアレルギー反応を起こすようになる(感作される)可能性があります。
ジアミン、引っかからなかった!
結果は……「パラフェニレンジアンミン(染料)」には反応が出ませんでした。
アレルギー反応があるのは、硫酸ニッケル(金属)だけですね。金属アレルギーなので、アクセサリーや歯科用合金などの反応が出やすいということになります。
ジアミンは反応ないんですね?
反応ないですね。ただし、金属アレルギーがあり、肌や頭皮が敏感になってはいるので、今後も気をつけてくださいね。
ヘアカラーが直接的な原因ではないとわかり、ほっとしたと同時に、「じゃあ、なんで?」という疑問が……。今回アレルギー反応が出たニッケルは、食品にも含まれているそうで、金属アレルギーに注意しながらしばらく様子をみることに。
年齢とともに体質が変化することもあります。
これまでトラブルがなくても、ある日突然トラブルが起こることもあるそうです。
頭皮に異常を感じたときはすぐ「伝えること」、美容師さんはお客さまが「伝えやすい」よう導くこと。
ヘアカラーを楽しみ続けていくためには、こういったアレルギーなどの知識の浸透が必要であると改めて感じています。