NEXT LEADER編集長が「NEXT LEADER 2024年7月号」取材ウラ話を語る!

NEXT LEADER編集長が「NEXT LEADER 2024年7月号」取材ウラ話を語る!

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6/1発売のNEXT LEADER7月号の特集テーマは「アジア進出」。

少子高齢化が進み人手不足に悩まされる中、サロン軒数は増加の一途を辿るばかり。こうした国内市場の行き詰まりに危機感を感じ、アジアに目を向けるサロン経営者が増えています。しかし、実際に海外で出店するには、法人設立や就労ビザなど数々のハードルが待ち構えています。国が違えば法律も文化も違う。日系サロンがアジア進出する際の留意点と成功のポイントを総力取材しました。


【編集部の取材ウラ話】

今月の特集は「アジア進出」です。きっかけはここ数年で特に若手経営者の間から「海外」、特に「アジア」というキーワードを耳にするようになったからでした。それが1年以上前のこと。海外に関しては事前知識があまりなく、ずっと企画を温めていたのですが、それがようやく今月号で形にすることができました!

ただ、こんなことはめったにないのですが、取り掛かってすぐに特集化を決めた自分に後悔しました(泣)。海外進出にあたっては、経営面でいうと「法人設立」「就労ビザ」の問題など、さまざまなハードルがあり、これらは法的な問題もあり、かなりシビアに取材しないといけないからです。今回ばかりは入稿〆切日まで気が抜けない日々が続きましたね。もちろん、掲載した情報は随時変更する可能性があるので、あくまでも取材時点の情報になりますが、今回の取材に協力してくれた経営者、㈱ミルボンの現地駐在の方々の協力もあり、何とか形にすることができました。この場を借りてあらためて感謝申し上げます。

アジア主要国の現状を取材してまず感じたのは、日本の特殊性でした。もちろん、名目GDP(国内総生産)が世界4位とまだ規模的には存在感を維持しているものの、経済成長率は長年伸び悩んでおり、平均年齢は48.7歳と少子高齢化が進んでいる。さらには37万軒という異常なほどの美容室軒数(もちろん廃業申請がない店舗も多く、正確ではないと言えますが)。アジア各国を取材していると、かなり成熟しきってしまった状況と言わざるを得ません。


これはフィリピンの状況と比べてみると明らかです。フィリピンの国土面積は日本の0.78倍ながら、人口は1億903万人と近年中に日本を超えると言われています。また、首都・マニラは首都圏人口が1,348万人で、東京とほぼ変わらない状況。経済成長率にも大きな差がありますが、何よりも違うのが24.2歳という平均年齢。街を歩いている人がほぼ20代。そんな状況が今の日本で想像できるでしょうか? そんな中、美容室軒数は未登録サロンを除いてですが約3万軒と少なく、美容ビジネスに関しては、国の成長とともにポテンシャルの大きさを感じます。


こうした状況がアジアの成長国では当たり前ということを理解するだけでも、経営者としての視野が広がるはずです。もちろん海外出店となると、資金の問題、現地パートナー探し、現地スタッフ管理など、さまざまな課題に直面するかもしれませんが、「海外出店」というキーワードに囚われることなく、「海外進出」という幅広い視点でビジネスチャンスに目を向ければ、そこには大きな可能性が広がっているはずです。

アジア主要国でみると、韓国サロンの進出が大きくリードしている感がありますが、日本の丁寧な技術、接客サービスにはまだブランド力があります。そして何よりも他国に先じて武器にできるのはケア技術。美容技術の発展、高齢化にともない、ダメージに対する技術や薬剤が発展してきた日本のケア技術は、これから美容ニーズが成熟していく国で大きな強みとなるでしょう。「カラーの後はケアが来る」これは日本の美容師なら誰でも実感していることです。出店ではなく、こうした技術や薬剤の輸出という面でアジア進出を捉えると、もっと日本美容の可能性が広がっていくのではないでしょうか?

今回はいつものような誌面の内容は割愛しますが、実際に海外進出に成功している5人のキーパーソンへのインタビュー、中国&韓国でのレポートなど、充実した特集内容になったと自負しています。ぜひ、手に取って読んでいただき、スタッフにも「アジアはこうなっているんだ」と広めてもらえるとありがたいです。ぜひ、新たな挑戦のきっかけにしてもらえることを願っています!

以上、現場からでした。

<今月のコンテンツ>
・アジアに目を向ければビジネスが変わる
・美容にハングリーな中国で教育ビジネスの展開をめざす(KANTARO/LIM)
・ローカルデビューした美容師がサロンを変えた(浜口大介/Number76)
・25年前に流行ったことがフィリピンでは価値になる(広江一也/NORA)
・インドネシアでも従業員ファースト(小林瑞歩/Lond)
・アカデミー事業で日本の技術を広めたい(TAKUYA/green)
・魔都・上海に魅せられて
・K-BEAUTYの台頭で韓国進出の潮目が変わった?
・店舗展開も集客もボーダーレス(小林Ken/ASSORT GROUP)


NEXT LEADER 7月号「アジア進出」のご購入はこちらから!

定価1,870円(本体価格1,700円)
ボブログ編集部
執筆者
ボブログ編集部

成長し続ける美容師のための髪書房ウェブメディア『ボブログ』。これまでにないスピードで変革する時代に必要な情報【パラダイムシフトの芽】をいち早く見つけ、掘り下げ、新しい常識を提案します。

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