ママ美容師経営の本音が漏れる!?女性美容師の独立秘話「THE リアル」

ママ美容師経営の本音が漏れる!?女性美容師の独立秘話「THE リアル」

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「仕事もわが子も大事にしたい。」私たちが辿り着いた、独立という道

「いつか自分のお店を持ちたい。」

美容師を志して、そう思う人はどれくらいいるでしょうか。

自分らしい空間、こだわりの商材、好きな音楽、癒しの香り。

店内には、ママ美容師たちが忙しく働きながらも、楽しそうにお客様との会話を楽しむ姿。

千葉県松戸市にある「Valcony(バルコニー)」のオーナー、星祥子さん。

彼女は仕事と子育ての両立に悩んだ末、自らの手でこんな理想のサロンを創り上げることを決意しました。

星 祥子(ほし さちこ) / Valcony 代表
Profile
星 祥子(ほし さちこ)

Valcony 代表

美容師歴:23年
サロン歴:1年
サロンの規模:セット面4席、シャンプー台2台、スタッフ2名
子どもの人数と年齢:3人(中1、小5、小3)

一方、愛知県北名古屋市にある「SUU(スー)」のオーナーのSAYAKAさん。

彼女も子育てをしながら、美容師としてのキャリアを再構築するために独立を決意した一人です。

SAYAKA / SUU 代表
Profile
SAYAKA

SUU 代表

美容師歴:20年(休業期間含む)
サロン歴:半年
サロンの規模:セット面数4席、シャンプー台2台
子どもの人数と年齢:3人(小5、小3、年長)

お二人は、それぞれ家庭と仕事を両立させながら理想をカタチにしたサロンを経営しています。

同じように美容師としてのキャリアを考え、独立を夢見る多くのママ美容師たちにとって憧れであり、希望の存在の彼女たち。

しかし、これまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。

それからどうやって、自分らしく子育ても仕事も充実した人生を歩めるようになったのでしょうか?

そして、仕事や育児に悩んだ時は、どのように解決してきたのでしょうか?

今回は、星さんとSAYAKAさんのサロンオープンまでの道のりや、日々の挑戦や葛藤、そして更なる未来への夢についてママ美容師ライターの盛(サカリ)がインタビュー。

ママ美容師経営について深掘り!

独立を目指す美容師さんはもちろん、「自分なんかに独立なんて…」と感じている美容師さんこそ聞いてほしい、自分の夢を追いかける勇気とヒントを得られるお話しでした。

さあ、彼女たちのストーリーに耳を傾けてみましょう。

育児に奮闘中でも独立を決めたワケ

ということで、始まりました!

ママ美容師経営について深掘りインタビュー!

お二人とはママ美容師オンラインコミュニティの「MAMABIPARK(ママビパーク)」をきっかけに知り合ったのですが、日々コミュニティ外でも多方面でのご活躍を拝見しています。しかもサロンワークのみならず講師活動やイベントの企画なども行っていて、パワフルに活躍の場を広げてらっしゃいます!

さらにお二人とも男の子3人のママ!子育てをしながら仕事も充実させる秘訣なんかもぜひお伺いできたらなと思います!

さっそくですが!そんな育児も大変な中だったと思いますが、なぜ独立しようと思ったんですか?

独立前は15年同じお店でマネージャーとして働いてきました。そこで三度の出産と復帰をし、ママ美容師が働きやすい環境を作ってきました。

ずっと周りからは独立を勧められてきたんですが、実際自分たちで作ってきた環境は子育てをする上で本当に働きやすく、自分は誰かの下で人のために働く方が向いているんだと独立する気は全くなかったんです。

でも、特に40代を迎えてからのターニングポイントで「これからの人生どう生きるか?」みたいな自分の中での課題がありました。

コロナ禍ということもあり、自分の本当にやりたいことを見つめ直したりコミュニティで様々な人と話す中で、独立が自分にとってやりがいのある選択なのではないかなあと感じるようになったんです。

そこで三男が小学校に上がるタイミングで、他のオーナーの元で視座を高めるために店舗を変えたんですが、その時の環境だと一度も授業参観に行けなくて。それがとても心残りでした。

前職の環境のありがたさを実感しましたし、女性が充実して働けるサロンを自分で作るしかないという思いが強くなり、店舗独立に踏み切りました。

SAYAKA

主人がオーナーを務める美容室で、産後は現場から離れていた時期もありました。約15年お店やスタッフを間近でみていると変化や成長が目まぐるしく、お店にとっては良いことですが自分だけ取り残されていく感覚がずっとあったんです。

子どもが離れた時に「自分には何も残らないんじゃないか」と不安もありました。

SAYAKA

そこで、3人目が生まれたときに今後の自分のキャリアを見直す必要があると感じ、また美容師に戻る決意をしました。主人に頼んでアシスタントから始めました。

数年ぶりにサロンに戻ると、以前担当させていただいたお客様が戻ってきてくださったんです。となると、髪質や身体がすごく変化しているのに気がついて。

とはいえ、サロンが若い子たちが多いような空間でなかなか悩みを共有しづらかったりして。

自分も経験した悩みですし、お客様も他の女性美容師も安心できる環境を作りたいと思い、SUUをオープンしました。

独立する勇気と行動力の源は?

子どもが生まれると、自分の思うように働けなかったりして悶々としてしまうことはあるかと思いますが、子育てで精一杯で環境をガラッと変える気力がなかったりしますよね。

そうなると、どうしても本当の気持ちに蓋をして我慢してなかなか行動できない方が多くいらっしゃいます。

お二人はなぜ行動に移せたのですか?

私はお店をオープンする時、一人でするイメージが湧かなかったんです。

前社のスタッフと同志のママ美容師に声をかけたら、二人とも「明日BBQするけどやる?」「やるやるー!」くらいのテンションで二つ返事で快諾してくれたことに逆に驚いてしまって(笑)。

オープニングスタッフの二人が背中を押してくれた部分は大きいですね。

SAYAKA

私はタイミングにも恵まれていたと思いますが、出産を経験してマイナスでしかないと思っていたことをプラスに変えられるチャンスかなと思えたことですかね。

周りは目標に向かって成長していたり、特化して輝いていく中で「私には何もない」って悩んでいましたが「そんな私だから」ここからプラスに変換できると。

MAMABIPARKのメンバーも行動力のある人が多くて、影響されたところも大きいです。

理想のサロンのコンセプト

タイミングってよく言いますけど、自分を焚きつけて自分で作っていくものなのかなとお二人の話を聞いていて思いました。

出産・復帰を繰り返して、育児に追われて戻ってこれないケースも多い中で、自分のことを見つめ直し、やりたいことに向かって行動するってなかなかできないですよね。

そんなお二人が作った美容室のコンセプトや売りはなんですか?

Valconyは『10年後も美しく』いていただくための美容室を目標に掲げています。

ストレートの講師活動もしていて、多くのお客様の髪を施術してきましたが、特に大人女性世代の方はクセをただまっすぐにしたい訳だけではないことに気づいたんですよね。

でも、お客様は年齢を重ねた髪の変化をどうやって解消したらいいかわからない。ストレートも一つの方法ですが、それだけではないことに気づいていただくためにエイジングケアやフェムケアを取り入れ、お客様の髪質改善を通じて長期的に美しく健やかにあってほしいなと。

講師活動で培った知識を活かして、女性の悩みに寄り添うサロンを目指しています。

明るい女性の未来のために、まっすぐ突き進む熱きリーダー

セミナー講師としても全国を飛び回る

セミナー講師としても全国を飛び回る
女性限定セミナーなど、初心者にも寄り添いわかりやすいとママ美容師に大人気。

同志のスタッフと充実したサロンワーク

同志のスタッフと充実したサロンワーク
スタイリスト、アイリストもママであり、三人でお店を盛り上げている。
SAYAKA

SUUには「深呼吸」の想いを込めました。ゆらぎがあるのが女性です。

呼吸・ゆらぎのイメージがロゴにも込められています。

SAYAKA

先ほどお話ししたように、数年ぶりにあったお客様とお互いの変化を感じたり、サロンで働く女の子たちも女性特有のゆらぎがあったりするのを目の当たりにして。

子供の健康などもきっかけとなって東洋医学の世界を知った時に、改めて健康な身体や心があってこその綺麗な髪が生えてくるんだよなと感じました。

美容室で気軽に「心と髪の話ができて」スーッと心が軽くなる空間づくりを目指しています。

ママ美容師サロンの強みは?

子育てをしながらも独立の夢を叶えている姿は、コミュニティー内だけでなく多くのママ美容師さんの憧れですよね!

SAYAKA

売りや強みと聞かれると悩んでしまうんですけど(笑)。

特に「フェムケアがやりたい!」とかではないんです。自分自身が当時は健康やメンタル面に自信が持てなかったし、丸つけできなかったので。

「どうやったら自分のような女性たちがもっと生きやすくなるだろう」と思った一つの道がこういう形であっただけで。

サッチー(星さんの愛称)みたいに「ストレートがめっちゃすごい」みたいなのが、私には全然なくて悩みましたよ…

 

そうそう、私もストレートの講師はしてますけど「それしかしません」っていう訳では全くなくて。

女性が十年先も美しくいられることをお伝えしていきたい。それはお客さまだけでなくて、働いているスタッフにも思いますね。

 

SAYAKA

だけど美容室で話をしたり、女性の月並みの悩みを和らげる方法をお伝えしていくことで、私もお客様も自分に花丸をつけてあげられるような環境を作っていきたいです。

経験を糧に、ゆらぎを受け入れ、次世代の女性も働きやすい環境を目指して

ゆらぎを知ることで生きやすく

ゆらぎを知ることで生きやすく
3度の出産を経て、さまざまな壁にぶつかったのが自分を見つめ直すきっかけに。その時に取得した資格などが今全て繋がっている。

心と身体の話ができるサロン

心と身体の話ができるサロン
言いにくいお悩みもSAYAKAさんの優しい人柄と豊富な知識で安心して話すことができる。

ママ美容師が独立する最大のメリット

子供の予定とサロンワークのバランスを自分で決められるのは、ママ美容師にとって独立の一番の強みですよね。

時間の自由度は高くなりますね。子どもの用事にも柔軟に対応できるので、家庭との両立がしやすくなりました。

技術面だけでなく、家族や仕事のバランスが取れてメンタルが安定するものですし。

あと、お客様との距離が近くなってより信頼関係が深まったのも独立してよかったことですね。

SAYAKA

私はオープンしたことで家族を頼れるようになりました。

仕事を始めてどんどん自信が戻ってきたんですよね。

主人にも土曜日休んで育児をしてもらって自分は土曜日フルで出勤したいと、自分の意見を伝えられるようになったのは大きな変化かな。

SAYAKA

つい楽しくて家庭を後回しにしそうになった時もちゃんと家族で話し、サポートし合う環境を意識してます。

そうした日常の中で、家族に感謝しながら働けることが何よりも嬉しいです。

仕事も育児も家庭もバランスがとれた理想のライフスタイル◎

独立して大変だったことは?

急な入院で1週間休業しなければならなかった時が一番大変でしたね。

つい全部背負って自分に厳しくなってしまう性格なんですが、この経験をしたからスタッフやお客様との信頼関係がどれだけ重要かを実感しました。自分がいなくてもサロンが回るようにスタッフを育てることの大切さにも気づきました。

SAYAKA

本当にお客様や家族に救われますよね。日頃から信頼関係を作って周りを味方につけておくというか。

以前は子どもがいるということをあまりお客様に言えない雰囲気で、頼れない性格も相まって強くいようとしてしまっていました。

子供って国の宝だし、後ろめたさは感じなくていいはずなのに、なぜかこれまでの独身時代の会社員の感覚からも抜けられなくて。

SAYAKA

自分一人で背負わずに、社会全体で育てていくものだということに今は行き着いてます。女性が力を合わせてそういうムーブメントを作っていくことが大切かなと。

まだまだ手探りな経営面も、こうやって少しずつですが周りの手を借りながら頑張っています。

これからの夢と展望は?

どのお話もとても共感できます。いろんな葛藤や想いの先にオープンされたお店ですね。

独立という一つの理想が叶った今、これからはどんな展望がありますか?

私自身が「女性の明るい未来のために」というテーマを掲げていて、そのためにできることはチャレンジしていきたいです。女性限定の技術セミナーとか。

あとは同じ志のメンバーを集めてチームで何かしたいなとも考えています!

お店の展開はまだ未定ですが、仲間づくりはしていきたいですね。

SAYAKA

私も今のサロンで同じ想いで働けるスタッフを募集したいなとも考えていますが、今いるスタッフの子たちがこれから結婚や出産など人生の節目があったときに受け入れられる体制を会社で作りたいです。

まずはそれを実現できる力を私がつけていき、基盤を整えていきたいなと思っています。

今のスタッフも大切に、そしてこれからのために。

ママ美容師にアドバイス!

お二人がご自身の経験や葛藤から「人のために何かしたい」という気持ちになり、それを形にして周りの方に与えていったからこそ、今の活躍につながっているんだなあと感じます。

そんなお二人から、今後独立開業を目指す方にアドバイスをお願いします!

私なんかも右も左もわからない状態で飛び込んできてここまできたので、準備が完璧でなくてもとにかく行動することが大切だと思ってます。

環境のせいにしたり、周りのせいにしないで、自分がやりたいならやれる方法を選ぶしかない。選べないんだったら、その中でできるようにするためにはどうするかを考えること。

時には自分の考え方を変えながらも行動することで、人生が良い方向へ変わると信じています。迷っているなら、まずはやってみることですね!

SAYAKA

もうね、サッチーの熱いアドバイスが私にも刺さって仰る通りなんですが(笑)。

もっと欲張りでいいと思うんですよね。

ママになってから結構遠慮しちゃう方って多いと思うんですけど、子育ても仕事もプライベートも全部楽しみたいという気持ちを持ち続けてほしいですね。

行動ももちろん大事ですが、好きっていう気持ちを口に出すこと。言葉にすることで新しいご縁やチャンスにつながっていくかな。

自分がやりたいことを伝え、感謝の気持ちを忘れずに、どんどん前に進んでいってください。

いや〜〜言葉の重みがありますね!お二人は想いや目指しているところは似ていますが、対照的な表現の方法で、どちらもとても参考になりました。

今の現状から変えていきたい、という方にはとても響いたお話でしたね!

星さん、SAYAKAさん、貴重なお話をありがとうございました!

まとめ

これから独立開業を考えているママ美容師の皆さんへ、星祥子さんとSAYAKAさんの成功体験とアドバイスをまとめます!

1. 決意と行動

独立したいなとぼんやり考えているだけでは、理想には手が届きません。タイミングを見極めて決断し、不安な気持ちがあっても、やりたい思いがあるならまずは一歩を踏み出すことが大事!

2. コンセプトとわが子が自分の軸になる!

美容師としての自分の信念の部分と、母として子どもにしてあげたいことを明確にすること。この二つを叶えるための程よいバランスを取ること。それが自分の軸となります!

3. 周りのサポートとチームワークを固める!

ママ美容師が困難を乗り越えるためには、周りのサポートとチームワークが鍵です。スタッフや家族とのコミュニケーションを面密にとりながら、サポート体制を整えることが大切です。これによって、サロン運営もスムーズに進みますし、予期せぬトラブルにも対応しやすくなります。遠慮せずに周囲の力を借りましょう。

4. 未来のビジョンに向けての取り組み

子育てと仕事をしているとあっという間に時間は過ぎます。ビジョンを持ち続けることで、さらなる成長につながります。子どもが自分から離れた時に、また輝けるような環境や仲間づくりも取り組んでいきましょう。

5. ママ美容師の夢を叶えるマインドセット

失敗を恐れずに挑戦し、マイナスなこともプラスに変換するマインドが大切です。周りのせいにせず、自分の夢や目標、やりたいことを選択していくこと。

自信を持って、欲張りに。あなたの夢を叶えにいってください

Valcony(バルコニー)
Salon Information
Valcony(バルコニー)

住所 千葉県松戸市松戸1331-5アール松戸2F
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TEL 047-702-3262
店舗情報 【10年後も美しく生きる】を掲げValconyでは大人女性の髪質のお悩みに寄り添います。年齢を重ねると出てくる女性のお悩み。髪、頭皮、まつげ&眉も美しく、未来もキレイで頂くためのご提案を致します!髪にやさしく頭皮を傷めない施術が基本。分子構造から作った高品質の薬剤をオーダーメイドカスタム!年齢と共に変わりゆく女性の髪と体。Valconyでは美しくいられる為にお手伝いします
SUU(スー)
Salon Information
SUU(スー)

SUUには「深呼吸」の想いを込めました。~ゆらぎ~があるのが女性です。呼吸・ゆらぎのイメージがロゴにも込められています。色合いは女性ホルモンのカラーでピンクに。カットやカラー等のヘアケアを通して女性のサイクルに寄り添ったケアを提供したい。ヘア・頭皮・身体も含めてスーっと軽くなるヘアサロンを目指します。

住所 愛知県北名古屋市弥勒寺西1-95
MAP Google map
TEL 0568-90-8282
サカリ
執筆者
サカリ

美容師ライター。二児の母。

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