今回は、美容師YouTuberとしてヘアに関するアドバイス動画を発信するAYAMAR（あやまる）さんに、動画制作のキホンを教えてもらいました。
さらに、動画発信から成功に至ったブランド設立のお話も！


これを読めば、明日から集客に役立つ動画がつくれちゃいます♪

人気動画から構成や注目ワードを分析！

AYAMARさんのYouTubeチャンネル「AYAMAR美ヘアチャンネル」の動画988本（4月11日現在）の中から、人気な動画を例に「なぜ多くの人が視聴するのか」「構成内容」「人気動画の傾向」などを解説。
ふわっとしたイメージだけで終わらない「役に立つ」動画制作の入門編、はじまります。

ターゲットを決める前に
目標設定を明確に。

集客でもつまずきがちな、最初の関門「ターゲット選定」。
はじめに考えがちな「どの層に動画を見て欲しいか」より先に決定すべきは……
ズバリ、「自分が何をしたい・どうなりたいか」です！

この目標設定によって、ターゲット層や動画の方向性が変わってきます。
1.　集客・動画を伸ばしたい
2.　有名になりたい
3.　ブランドを立ち上げたい
4.　商品を売りたい　……など

今回は、「集客」を目指す動画のつくり方なので《1.　集客・動画を伸ばしたい》を目標に設定します。

■この場合の方向性
多くの人の共感を得やすい需要のある「王道コンテンツ」。あえてコンテンツを絞らず、幅広く展開させましょう。

■ターゲット層
動画を展開する場所に沿って決めます。
InstagramやYouTubeショートなどの縦動画は、情報を短時間で知りたい20代～30代。
一方で、YouTubeなどの横動画は、より詳細な情報が知りたい40代～50代の視聴者が多い傾向にあります。

動画内容は「簡潔でシンプル」に

王道の内容こそ、大切なのは「わかりやすさ」。
実際にAYAMARさんのチャンネルで人気な動画はこちら。

タイトルやサムネを見ても、簡潔な言葉やビジュアルでまとまっているのがわかります。

目を引く！
クリック数をUPさせるタイトル

伝えたい情報は動画の中に詰まっているので、タイトルが情報過多になるのはNG。【 】♡☆！（記号）などを適度に使用しながら刺さる言葉選びを意識しましょう。

AYAMARさん直伝のクリックワード

■○○専門の～
■9割が知らない
■世界一○○な
■美容師が教える（エリアを付け足しても◎）

構成の良し悪しは、60秒で決まる

多くの人に見られる動画は、いったい何が決め手なのでしょうか？
「AYAMAR美ヘアチャンネル」の人気動画「世界一分かりやすい 基本の巻き方」を例に解説していきます。

この動画は、451万再生を記録。約3年前の投稿にも関わらず、現在でも再生回数は伸びています。

サムネは、目立つより分かりやすく！

最近はビジュアル優先のおしゃれな動画もたくさんあります。おしゃれさを求めるのはとても良いことですが、偏り過ぎるのはNG。
動画内の情報を凝縮し「世間が求めていること（共感）を可視化」します。

このサムネでは、巻いた髪のOKとNGを半頭ずつで表現。
右利きが多い世の中では、髪を巻く際に左側が苦手というのは、ヘアアレンジあるあるになっています。
この問題をサムネとして大々的に可視化することで、ヘアアレンジの動画を探していて左側を巻くのが苦手な共感者に刺さるのです。

つまり、サムネで意識すべきことは
「世間が何を求めているのかニーズを考える」⇒「その情報をいかに目立たせるか」なのです！

長尺でも10分程度。はじめの60秒がキモ

情報を得るために動画を見ている視聴者は、その動画は結局どういうものなのか？という結論が知りたいもの。
伝えたいことはたくさんあると思いますが、情報を整理してあまり尺が伸びないように意識しましょう。

はじめの60秒で
「動画を見ることで何が得られるか」を言い切る！

多くの人は見始めてから数分で、自分に必要な情報かどうかを判断します。ただ「～に役立ちます」と使えるのではなく、「○○な時ありませんか？」という話題から入り視聴者心理を掴むと◎
共感に語りかけます。

尺は長くても基本は10分前後！

最近の流れはInstagramのリールやTikTokをはじめ、短尺の傾向。
YouTubeも、ターゲットや動画の内容が違えど、特にHOW TO系のものは短尺が吉です。

ヨコ動画とタテ動画の使い分け

◆ヨコ：YouTubeなど
具体的な細かい説明が必要なとき・解説など説明重視。
全体的な動作がわかるので、HOWTOにはもってこい。

例）ヘアアイロンの基本的な巻き方・デイリーからオフィスでも大活躍お団子ヘアのつくり方

◆タテ：Instagramのリール動画・TikTokなど

イメージはヨコ動画を10分としたときの1分という尺。
少し内容をかいつまんで届けたいとき・ヘアデザインなどビジュアル重視。

例）簡単なヘアアレンジ・お団子ヘアのおすすめ3選

競合の中で芽をだすために

動画の基礎がわかったところで、その動画が集客のきっかけになるかは、コンテンツの伸びにかかっています。
では、どうすれば多く人が自分の動画に興味を持つ仕組みをつくることができるのでしょうか？

近年では、おしゃれなフィルターや音楽などビジュアルを使うことは、もはや当たり前。競合である他動画と大きく差別化することが難しくなっています。

だからこそ、上辺だけの情報の時代は終わり！
視聴者が求めている情報をより共感できるように練られたコンテンツが選ばれるのです。

動画から踏み出した1歩。
ヘアケアブランドを立ち上げ

実は、動画だけではなく、サロン品質を低価格で提供する「kaminii」というプロデュースブランドも手掛けているAYAMARさん。
YouTubeでの発信がメインに行っていた彼女の、ブランド立ち上げの経緯や動画発信との関連性を聞きました。

――ズバリ！ 動画発信などの活動が 「kaminii」というブランドを始めるきっかけになったのでしょうか?
ブランドを立ち上げた経緯を教えてください。

きっかけは、SNSを通して多くの人に情報をお届けする中で、多くの人々の悩みを知る声ができたことです。
結果的に動画発信をしていたことで、たくさんの人のリアルな声を聞くことができたので、発信し続けたことが大きなターニングポイントになったのかもしれません。

実際に私のYouTubeをみて、「悩みが解決できた!」「自分に自信がつきました!」「今 まで嫌いだった自分の髪の毛が好きになりました!」などたくさんの嬉しいお声もいただきました。
その中でもっと皆さんの悩みを解決していきたい、もっと自分の髪を好きになって欲しい、もっとみんなが輝いて欲しいと思った時に「そうだ、私がみんなの悩みを解決できる商品をつくればいいんだ。方法や知識はお伝えしてきたけど、もっともっと効果が実感できるような商品を私が作ろう!」と思いました。

――美容師がブランドを始めることについて、どう考えていますか？

1番皆さんの髪のお悩みを直接知ることができるのが美容師だと思っていますし、そのお悩みを解決することが出来るのも美容師だと思っています。 髪が綺麗になるとテンションが上がるし、気持ちも晴れるし、自己肯定感もあがるし、 良いことしかありません。
そのお手伝いが出来る、一番近い存在だと思います。
だからこそお客さまの声を一番近くできける美容師が商品をつくることは、とても意味があると思って います。

――SNS発信を駆使したブランドのプロデュース。その利点と今後の目標は？

いつも観てくださっている皆さんがいるおかげで広告費がかかりません。わざわざ広告費をかけて宣伝しなくてもいいんです。なのでその分原料にお金をかけて、価格も抑えることができます。
つまり値段の高いサロン専売品クオリティの物を手の届きやすい価格でみなさんにお届けすることができるんです!
これが一番の利点ですね！
そして私にはSNSのおかげでたくさんの人の声を聞くことができるので、私ひとりよがりの商品ではなく、みなさんの意見を取り入れて、みんなで1つの商品をつくり上げることができます。

今現在でも、もちろん色々なメーカーさんからいい商品はたくさん出ています。
ですが「商品自体の質や効果は良いんだけど、値段が高いから一回きりで終わってしまう」「高い商品には手が出せない……」など違う悩みが出てくることも少なくありません。

実際、私のお客さまからもそういったお声を聞くことがあります。 でもSNSや動画で発信し続けたからこそ「こういった悩みも私だったら解決出来るな」と思うんです。


一番最初の商品のデザインもアンケートをとったりして、みんなつくり上げました。
これからもみなさんの意見を取り入れて、みんなでいい物をつくっていきたいです。

今回は、動画制作のキホンを紹介しました！

動画などの自己発信からつながる一歩は、はかり知れないですね。
美容師として集客のみならず、成し遂げたいものや目標のために、何かを発信してみるのもいいかもしれません。