コスメパーマとは?失敗しないために知っておくべき4つのこと【現役美容師が解説】
美容師の視点から「コスメパーマに向いている人」や「パーマを失敗しない秘訣」を解説していきます。
パーマをかけようかと考えている方や、過去に失敗してしまってパーマに苦手意識をお持ちの方、ぜひご覧ください!
“コスメパーマ”と検索すると、「髪にやさしい」「かかりも緩め」「ニオイが少ない」などと謳われています。
「髪にやさしいってことは、失敗しないんじゃないの?」と思ってコスメパーマをすると、イメージした仕上がりと違ってしまうかも…?実際に、「コスメーパーマ 失敗」と検索している方も多いようです。
今回は、「そもそもコスメパーマとはどんなものなのか?」というところから、現役美容師ライターが詳しく紐解いていきます!
- Profile
- 盛(サカリ)
ママ美容師ライター
山形出身・在住のフリーランス美容師。現役で美容師をしながら美容師専門のWEBライターとしてさまざまな業界メディア等で執筆。ママ美容師の新しい働き方や活躍の場を広げるために活動中の2児の母。ゆるふわパーマ全盛期に美容業界に足を踏み入れ、昼夜問わずワインディングの特訓に勤しんだ経験からパーマは得意。自身は万年ブリーチ毛なので人生で2回しかパーマをかけたことがない。
1.そもそもコスメパーマとは?
コスメパーマとは、化粧品として登録されている薬液(パーマ液)でかけるパーマのことです。
パーマのみならず縮毛矯正でも使用されるパーマ液には、髪の形状を変える性質の成分が含まれています。パーマ液にはさまざまな種類がありますが、主に髪の構造を切断するための還元剤、再結合するための酸化剤が配合されています。
コスメパーマは「化粧品」に分類されるため、成分がよりマイルドになる配合がなされています。ですから、一般的には髪への負担がより少なく、かかり方も優しめになるといった表現がされる場合が多いです。
2.髪にやさしいはずなのに失敗?
やさしいかかり方のニュアンスから、「失敗しにくい」というイメージを持たれることもあります。そのため「コスメパーマ“だったのに”失敗した」というお悩み相談をお受けすることもあります。
化粧品登録ということで、髪や地肌にやさしいというイメージから「ナチュラルでゆるい仕上がり」「スタイリング次第でストレートにもできる」「ダメージが少ない」というようなメニューの説明で打ち出されることも多いです。
ダメージの蓄積が失敗を招くことも
カラーや日常でのアイロンスタイリングを繰り返した髪は、パーマの薬剤に対応できる体力が少なくなっています。ですから、どんなに髪にやさしいパーマだからといっても、元々ダメージがある状態だとさらに傷んでしまいます。
ダメージの種類もさまざまなので、髪の構造のどの部分が損傷しているかでも効果が変わってきます。
また、ゆるい仕上がりというのは、一歩間違えるとパーマがかかっているというよりも、かかりが弱すぎるあまり単にモヤッとした印象のスタイルに見えてしまうことも。
主な失敗の原因
よく聞くこれらのお悩みは、コスメパーマに限ったことではありません。
美容師側がきちんと毛髪診断をして適切な薬剤選定を行わなければ、ダメージに繋がったり、かからなかったりしてしまいます。
そして、最初のカウンセリング時に「どれくらいの強さのパーマが希望なのか」をイメージ画像などを使って必ず擦り合わせることが必須です。
パーマが失敗してしまう原因は、特にこの2つのことの確認不足である可能性が高いです。
髪がダメージしているからといってコスメパーマでないとだめということではなく、ダメージを考慮する上でコスメパーマをあえて使わない場面も大いにあります。
メニュー表記だけを鵜呑みにせずに、コスメパーマでも失敗してしまうケースもあるのだと覚えておきましょう。
3.コスメパーマに向いている人
前提として、髪型で向き不向きがあるということではありません。髪質によってかかりに差が出てしまうということも、美容師の知識と技術力次第です。
では、そんなコスメパーマが向いている人とはどんな人でしょうか。
まず、コスメパーマは「化粧品」分類であるため、カラーリングとの同日施術が可能です。これは、他のパーマの薬剤だと難しい場合が多いので、1日でパーマもカラーもやりたい方にはおすすめです。
弱くかけることによって、パーマスタイルの持続性が短くなってしまいますが、逆にスタイルチェンジしやすいというメリットでもあります。
いろいろな髪型を楽しみたい方にも向いていると言えるでしょう。
今後の願望がある場合は、ぜひ担当の美容師さんに伝えてみてください。
4.パーマを失敗しない秘訣
ここまで、実際に美容室で働いている上でのコスメパーマの事実をお伝えしてきました。「髪にやさしい」という、一般的なコスメパーマの表記が全てではないことを、ご理解していただけたしょうか。
大切なのは、お客様がどんな髪型をお望みで、そのために適切な技術と薬剤を使うことです。
技術はもちろんですが、カウンセリング力も高い美容師選びが重要です。
これは、コスメパーマだけでなくカラーや縮毛矯正にも言えることでしょう。
特にパーマは、美容師の得意不得意が別れやすい技術でもあります。「パーマが得意」と謳っている美容師さんにお願いするのが無難です。
美容師さんのSNSやホームページのスタイル写真で、好みなものがあればカウンセリングの時に見せていただけると失敗は少ないです。
スタイリングに慣れることも重要
コスメパーマで弱くかけた場合は、スタイリング剤をつけることでパーマスタイルが完成するということもあります。
それを知らずに乾かしただけで、パーマが取れてしまったと思われて再度お問合せをいただくケースもあります。
かけた後、美容室と同じような仕上がりにするためのドライヤーの使い方や、スタイリング剤は必ずレクチャーしてもらいましょう。
スタイリング剤の形状によって、質感やパーマの動きも変わってくるので、美容室で使っているものと同じスタイリング剤を使うことをおすすめします。
2〜3000円くらいが美容室でよく使われる専用のスタイリング剤の相場ですので、来店時の予算に組み込んでおくと良いですね。
5.まとめ
美容室のメニューは名前だけが一人歩きしてしまい、耳障りの良い表現で実際の施術内容をお客様が勘違いされることがよくあります。
コスメパーマでなくとも、ゆるくかけたり髪のダメージに配慮したパーマをかけることは可能です。
良いパーマスタイルになるかどうかは、「なにを使うかか?」ではなく、適材適所でお客様に合わせて使うことが重要です。信頼できる美容師さんを選び、あなたにぴったりの理想のパーマスタイルを作ってもらいましょう!