美容師の「あの人はなぜ売れる?」を解明! “選ばれる理由”を追求するマーケティングの重要性

美容師の「あの人はなぜ売れる?」を解明! “選ばれる理由”を追求するマーケティングの重要性

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美容師は、毎日来店する顧客1人ひとりに美にまつわる技術やサービスを提供して対価をもらう仕事。コツコツと関係を積み重ねて成長することで、支持されるようになっていきます。

「美容師は素晴らしい仕事でサロンワークが大好きだからこそ、すべての美容師に“マーケティング”の知識と理論を通してもっと幸せになってほしい!」と語るのは、GOALD CMO 米田星慧さん。一見美容師の仕事と縁遠いように感じるマーケティングがなぜ必要?

1月22日に発売する米田さんの新刊『なぜお客さまはあなたを選ぶのか?』には、その理由のすべてが詰まっています。

当記事では、少しだけ内容を紹介しつつ、「なぜ今美容師にマーケティング?」という問いに迫っていきます。

なぜお客さまはあなたを選ぶのか? 米田 星慧[GOALD]
なぜお客さまはあなたを選ぶのか?
米田 星慧[GOALD]
定価 6,600円(税抜価格 6,000円)
美容師として支持を集め実績を残しながらいち早く本格的な「ブランド・マーケティング」を学び、美容業界内外のクライアントに対して多数の実績を持つGOALD執行役員・米田星慧氏が“美容師による美容師のためのマーケティングの教科書“を上梓。
自身の学んできた本格マーケティングの思考と理論を、美容業界に落とし込んで、よりわかりやすく初歩から学べる基礎読本です。
米田 星慧 / GOALD CMO
Profile
米田 星慧

GOALD CMO

1993年2月17日、神奈川県相模原市出身2019年GOALDオープニングに参加。27歳で店長に就任後、サロンワークだけでなく、2019年から3年かけて行政にアプローチした「校則改革」や、2021年のメンズメイク検定の監修など、日本初・業界初の挑戦を多数実行し形にしてきた。 現在はGOALD CMOの傍ら、マーケティングチーム「fureru.」で、マーケティング&コンサルティング事業も展開。多数クライアントを抱え、業界初の“美容師出身マーケター”として活躍している。

美容師の「なぜか売れる理由」はマーケティングで説明できる!

美容師の仕事は技術からサービス、接客まですべきことが多岐にわたります。だからこそ、売れる人が「支持される理由」には、言葉で説明できないことがたくさんあります。

技術がうまい、接客がうまいというスキルフルな人以上に「なぜか好かれてお客さまが集まる」という美容師さん。どなたも1人は思い当たるのではないでしょうか?

これまで、そういった「お客さまに選ばれる理由」は、美容師さん1人ひとりが個々で学んでいくものでした。だからこそ教育が属人的になってしまいがちという課題がありますね。

米田さん

マーケティングとは一言でいうと、「お客さまに継続的に選ばれる理由を構築してそれを求めている人に確実に届けること」です。一見マーケティングというと、数字とばかりにらめっこするもののように思われますがそうではありません。マーケティングは、人の感情を掘り下げて考え抜くためのものなんです!

ニーズの先の感情に触れるのがブランドマーケティング

「マーケティングは数字ではなく感情に触れる仕事」というと、かなり意外に感じる人も多いかもしれません。マーケティングといえば、集客サイトやSNSなどでいかに人を集めるか? ということを考えるものだというイメージがありますが……?

米田さん

美容業界でいう「マーケティング」は集客やSNSなどに特化した“How(やり方)”を研究する「セールスマーケティング」です。僕がぜひ美容師さんに学んでほしいのは「ブランドマーケティング」になります

セールスマーケティングとは?
商品やサービスを顧客に販売するため、集客やリピートを追う短期的なHow(やり方)のアプローチ

ブランドマーケティングとは?
商品やサービス、それらを通した企業の価値を感じてもらい、他社とは違う独自の価値(=What)を構築する長期的なアプローチ

米田さん

また、この「独自の価値」は、自分本意で打ち出すのでは足りません。本当に支持される続ける商品は、お客さまが自覚している「ニーズ」を満たすだけでなく、その奥で本人が自覚していないジレンマに寄り添い、解決するものです。それを常に考え、見つけ出すのがマーケターの一番重要な仕事なんです。

米田さん

SNSなどで自分の得意な技術や知識に特化して打ち出すことを「自己ブランディング」と言ったりしますが、それは実は「ブランディング」というには不十分です。本当に支持され続けるためのブランディングとは、常にお客さまの“感情”に向き合い、掘り下げるところから始まります。

美容室は元々“感情”に価値があるからマーケティングに向いている

お客さまの感情を考え抜き、「選ばれる理由=独自の価値」を追求するマーケティングは美容師に必要というだけでなく、「美容師こそマーケティングに向いた職種」と米田さんは強調します。

米田さん

ブランドが顧客に提供できる価値のことを「ベネフィット」といって、表面的なものから本質的なものまで「機能的ベネフィット」「情緒的ベネフィット」「自己表現ベネフィット」と3段階あります。
美容師は元々単に髪を整えるだけでなく、ヘアチェンジなどを通してお客さまにワクワクや感動を与えているはずなので「情緒的ベネフィット」までは、SNSなどを通して当たり前にアピールできている人が多いと思うんです。

InstagramやTikTokのBefore/After投稿やカウンセリング動画は、まさに顧客に「情緒的ベネフィット」を伝えるコンテンツなんですね。

米田さん

でも、だからこそ「情緒的ベネフィット」まででは差がつきにくいんです。その先の「自己表現ベネフィット」がとても大事! 美容を通したワクワクや喜びの先が重要です。お客さまが生活の中で「なりたい自分に近づけた」と感じてもらえることで、「あの美容師(美容室)でなければ」と思ってもらえる独自の価値に近づきます

美容師にとっては「この人に担当してもらいたい」を積み重ねることが売れ続けるための本質。人口が減り、失客を大量集客で補えない今、リピートは集客以上に重要な時代です。

米田さん

「自己表現」といわれると難しく考えがちですが、売れている美容師さんは無意識のうちにやっていることなんですよね。マーケティングではそれを論理的に考えることで、お客さまに実生活で価値を感じてもらう瞬間を戦略的に組み立てることができます。

元々リピートを大事にする美容師だからこそ、マーケティングを実装したときの価値はどの業種よりも大きいと思っています!

セミナー参加美容師の回答例付き!“読むだけで終わらない”読書を

このように、本書では米田さんが追求してきた本格的な「ブランドマーケティング」のすべてを、美容室と美容師にフィットする理論に再構築して収録されています。

米田さん

読書って、読んで「勉強になった」で終わっては何の意味もありません。読み込んで理解し、実践してときには失敗して、身につけて初めてその本の価値となります。
ですので、読んでくれた方が自分のサロンに落とし込みやすいようにということにこだわってつくっています!

理論を学ぶだけでなく、商品開発やサロンコンセプトづくりのロールプレイングも収録。自分が学ぶだけでなく、サロン内でグループワークワークなどを通してナレッジをシェアしやすい構成です。

さらに本書制作にあたり、2023年夏~秋に開催したマーケティングセミナーの受講生たちの回答例も収録しているのが大きな特徴です。

北海道から鹿児島まで、若手スタイリストからベテラン経営者、美容師免許を持たないサロン運営スタッフまで、幅広い参加者のリアルな実践の軌跡を通して、より身近に学んでいただくことができます。

米田さん

僕はこれまで美容師マーケターとして、1人で活動してきました。信念を持ってがんばってきましたが、孤独だったのは事実。それが、この本の制作を通してマーケティングの重要性と楽しさを共有できる仲間に出会いました。
読者のみなさんに手に取っていただくことで、さらに仲間が増えるのをうれしく思います。
まだまだマーケティングの重要性が浸透していない今、1人で本に向き合うのは難しく孤独かもしれませんが、僕とセミナー参加者のみなさんが味方です!

マーケティングというと「一見むずかしい数字の学問」「経営者が学ぶこと」というイメージがありますが、お客さまと深く長い関係を気づいていきたい美容師さん全員に関係のあるものだと思います!

スタッフさんと顧客との幸せな関係が築けるサロンさんが増える一助になること間違いなしの1冊です。

なぜお客さまはあなたを選ぶのか? 米田 星慧[GOALD]
なぜお客さまはあなたを選ぶのか?
米田 星慧[GOALD]
定価 6,600円(税抜価格 6,000円)
美容師として支持を集め実績を残しながらいち早く本格的な「ブランド・マーケティング」を学び、美容業界内外のクライアントに対して多数の実績を持つGOALD執行役員・米田星慧氏が“美容師による美容師のためのマーケティングの教科書“を上梓。
自身の学んできた本格マーケティングの思考と理論を、美容業界に落とし込んで、よりわかりやすく初歩から学べる基礎読本です。
ななしま
執筆者
ななしま

直毛一族の末裔。毛髪科学、色彩学、財務が得意です。好きなものは宝塚と蛙亭と世良真純

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