《スタイリング剤》《美容機器》ヘアサロンの2023年ベスト店販アワード【ランキング】

《スタイリング剤》《美容機器》ヘアサロンの2023年ベスト店販アワード【ランキング】

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編集部では、112サロン・計206名の美容師に「2023年最も売れた店販商品」についてアンケート調査を実施した。カテゴリは「シャンプー・トリートメント」「スタイリング剤」「美容機器」の3つ。その中で今回は「スタイリング剤」「美容機器」部門の結果発表をそれぞれ行う。

シャンプー・トリートメント部門はこちらから。

以下に各順位で売れた理由やその取り組みを紹介する。価格は編集部調べ。税込。

Contents

【スタイリング剤】部門

《1位》「トラック」ジョエルロティ

トラック オイル ナンバースリー(90ml / 4,180円)

ナチュラルケアブランド「トラック」から、2020年に発売したオイルシリーズ「トラック オイル」が1位に輝いた。中でも“金木犀の香りがする”とSNSでヒットした“ナンバースリー”が群を抜いて売れている。

人気に火がつき、欠品状態が続いていた2021年ごろと比べると希少性こそ落ち着いてきたが、その店販人気は今も健在のようだ。

アンケートでは、「認知度が高いので、スタイリング時に使ってもらうとスムーズに売れる」「香りがいいだけでなく、夕方になっても酸化臭がしない」といった声があった。

《2位》「モデニカ」中野製薬

モデニカ ナチュラル J(90g / 2,178円)

モデニカ アート グリース(90g / 2,420円)

メンズ向けスタイリング剤「モデニカ」が2位に。今回は同票として集計したが、「ナチュラル」と「アート」シリーズが多くの票を集めた。

自然なウェット感と束感で、“ツイストスパイラル”や“波巻きパーマ”といったトレンドスタイルをはじめとする、メンズパーマ全般との相性がいい。パーマメニューに連動した提案が鉄板のようだ。

アンケートでは、「パーマ初心者は過半数買ってく。使いやすいのでパーマ常連のリピートも多い」「あえて最後のスタイリングを時間かけずに時短で仕上げて、『これなら簡単にできます』と伝える」といった声があった。

《3位》「ルミナススプレー」ウエラ カラーモーション+

カラーモーション+ ルミナススプレー(200ml / 1,980円)

ウエラのカラーモーション+シリーズから、オイルスプレー「ルミナススプレー」が3位にランクイン。スタイリングの仕上げにスプレーすることで、紫外線や湿気といったダメージの要因から髪を保護する。

春夏にX(旧Twitter)やTikTokで「一瞬で自然なツヤツヤ髪になる」と話題になった。UV効果に加えスプレータイプのため手がベタつかないといった、使い勝手のよさも人気の理由。

アンケートでは「オイルだけどベタつかなくて扱いやすい。仕上げで使うと『欲しい』と言ってもらえる」「とにかくツヤが出る。自然な“イイオンナ感”が演出できる」など、今の女性が求めるツヤ感にマッチしているようだ。

【美容機器】部門

《1位》「リファストレートアイロン プロ」 リファ

リファストレートアイロン プロ(23,000円)

美容機器部門の1位は「リファストレートアイロン プロ」だ。2023年10月に発売し、現在は一部取り扱いサロンのみで先行発売されている。なお票数は「リファビューテック ストレートアイロン」との合算。

独自のカーボンレイヤープレートを搭載し、水・熱・圧による髪のダメージを軽減することで美しいストレートヘアをつくる。水蒸気爆発を起こしにくいなど「プレートの違い」からくる効果を、美容師がプロ目線で説明することが店販では効果的なようだ。

アンケートでは、「色もち、ツヤ、プレートのクッション性の良さを他のアイロンと比較しながら伝えて店販につなげている」「認知度が高く、お客さま側から『欲しい』と言われる機会が多い」といった声があった。

《2位》「リファビューテック ドライヤープロ」リファ

リファビューテック ドライヤープロ(43,000円)

続く2位もリファのドライヤー「リファビューテック ドライヤープロ」が獲得。2021年の発売以来、新たな高価格帯ドライヤーが次々と登場する中、根強い人気を誇っている。

頭皮や髪の温度を感知し、温風と冷風を自動で切り替える“プロセンシング”技術や、独自テクノロジー“ハイドロイオン”を搭載し、思い通りの髪質・スタイルを実現する。

アンケートでは、「お客さまの家での美意識が上がった。そこに対しサロンの仕上がりを手軽に提供できる商品」「鉄板の売り方は見て触って持ってもらって、軽さや風量を体感してもらう」といった声があった。

《3位》「マグネットヘアプロ ドライヤーゼロ」ホリスティックキュアーズ

マグネットヘアプロ ドライヤーゼロ(32,450円)

3位はホリスティックキュアーズのヘアケアブランド「マグネットヘアプロ」から、「マグネットヘアプロ ドライヤーゼロ」がランクイン。髪質や仕上がりに合わせて5段階の温度と3段階の風量設定を使い分けることができる。また、大風量でありながら350gと非常に軽量で小回りも効くとサロンワークでの評価も高い。

なお、12月1日には新たにセルフクリーニング機能を搭載したリニューアルモデルも登場している。

アンケートでは「軽い、風量強い、髪の毛潤うの三銃士で使いやすい」「風量、温度の調整が細かくできる点と軽さ、ドライ後の収まりがいい」など、扱いやすさに加え「髪の保湿力」もウリとなっているようだ。

《番外》「レピ スクエアバー」クレイツ

レピ スクエアバー40mm(24,200円)

番外編は「レピ スクエアバー」。韓国で「大きなカールが簡単に作れ、また驚くほど長持ちする」として人気を集め、今年の5月から日本でも販売を開始した。2023年に入ってからの発売にも関わらず、多くの票を集めた。

独自開発の「ラウンドスクエアパイプ」により程よいテンションがかかり、40mmという太巻きのパイプながら、弾力とツヤのあるカールが長続きする。韓国でトレンドの「くびれヘア」「女神ヘア」を手軽につくれるとして注目されている。

アンケートでは「コンセプトがいい。ただ置いておくだけで売れる」「韓国で人気なのと、巻き方自体も簡単なので実際に巻いてもらうと感動してもらえる」といった声があがった。

編集部分析

スタイリング剤はオイルからメンズ向けまで三者三様

今回スタイリング剤部門は細かくカテゴライズせず「スタイリング剤」として総合的に集計した。そのため、それぞれ異なる特徴をもつ商品がランクインする結果となった。

ランキングでも触れたが、トラックオイルはSNSをはじめとしたUGCコンテンツが強く、インスタグラムの投稿数を見ても15万件以上(2023年12月現在)と圧倒的。香りや使い心地はもちろん、写真を撮りたくなるような映えるパッケージも、購買意欲をそそる。

また、ルミナスオイルも「このツヤ髪になれる」として、ツヤツヤの巻き髪と一緒に紹介する投稿がSNS上で目立っていた。実際の手触りもよく、サロンでそのツヤ感を自分の髪で実感することで購入につながるようだ。

モデニカは“扱いやすさ”と“手軽さ”の評価が特に高く、「メンズパーマに必須」という声も多かった。メンズは繰り返しリピートする傾向が強いため、一度気に入ってもらえればパーマ初心者から常連まで安定的に売れるようだ。

美容機器は高価格だからこそプロの意見が求められる

美容機器部門にランクインしたのはいずれも高価格帯のドライヤーとストレートアイロンだ。

リファは機能面に加え、ブランド認知度が武器となっている。一般からの知名度が高く、営業で使用しているだけで会話のきっかけになりやすい。高級感のある店舗ディスプレイやそのラグジュアリーな外観も、所有しているだけで満たしてくれるイメージだ。また、ストレートアイロンにおいてはプレートの違いからくるメリットを、プロである美容師が説明することでその説得力も増す。

マグネットヘアプロ ドライヤーゼロはサロンワークにおいて重要な、軽さ、取り回し、風量と熱のコントロールのしやすさなど、機能面での評価が高い。美容師自身がその使用感・扱いやすさに納得しているからこそ、そのまま店販でも自信を持ってすすめられるようだ。

木村 麗音
執筆者
木村 麗音

日本美容専門学校を卒業後、都内ヘアサロンでの勤務を経てキャリアを転換。少年ジャンプ編集部で3年間編集アシスタントを務める。その後、髪書房に入社しウェブメディア「ボブログ」の編集およびメディアマーケティングを担当。

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