美容業界にSDGsを 美容週間2023開催

NPO 法人美容週間復興協議会(瀧川裕史理事長)は8月29日、東京・六本木の六本木ヒルズ ハリウッドプラザ ハリウッドホールで「The Beauty Week Awards 2023」を開催した。

9月4日の“くしの日”に先駆けての開催となったアワードのテーマは、SDGsに注目した「Save The Beauty」。
瀧川裕史理事長と吉田牧人実行委員長の「美容業界の中でSDGsに立ち向かう方法を知って欲しい」という強いメッセージで幕を上げた。

【SDGsとは】
世界中が直面している様々な問題に対する解決方法などをまとめた、2030年までに達成すべき持続可能な開発目標。

近年、様々な業界で具体的な取り組みが行われているSDGs。
美容業界としても持続可能な社会への賛同とその実現について“学び・考える”ステージで会場を沸かせた。



▶The Beauty Week Awards 2023

SDGsに取り組みつつヘアスタイルを楽しむ素敵な著名人・芸能人に贈られる「Best of Beauty」には、 モデル・タレントのゆうちゃみ・ゆいちゃみ姉妹が同アワード初となるW受賞。
色違いの美しいドレスに身を包みヘアスタイルのこだわりやポイント、受賞の喜びを語った。



▶ヘアドネーションステージ

迫力のある音楽とともにPATINA 枝村仁氏による、ヘアドネーションモデルのカット実演が華麗に行われた。
ロングヘアのモデルを枝村氏が最も得意とするボブスタイルにカット。短時間でモデルの骨格や雰囲気に似合わせたヘアデザインに仕上げた。

ヘアドネーションカットの様子
ボブスタイルにチェンジ

また、JHD&C 代表 渡辺貴一氏とLond 代表 石田吉信氏、資生堂トップヘアメイクアップアーティストの神宮司芳子氏が、ヘアドネーションについて語る「ヘアドネーションまとめトーク」も行われた。
神宮司氏は、病気や事故によりウィッグを使用する人が、“ウィッグカットをしている美容室が少なく困っている”という話を紹介。「ウィッグを使用する人でも気軽に美容室に行けるように。ウィッグカットに対応する美容室が増え、美容室がすべての人にとって美容を楽しむ場所になる未来を考えたい」と提言。
自らヘアドネーション活動を行う渡辺氏は、「誰もが少しでも生きやすい社会になるように美容業界では差別心を無くす必要がある」と力強く語った。

左から:Lond 石田吉信氏・資生堂 神宮司芳子氏・JHD&C 渡辺貴一氏


▶SDGs TALK STEGE

「美容師にできるSDGs」をテーマに、実行委員長でありLond代表でもある吉田牧人氏、大川印刷 社長 大川哲郎氏、LORANS 社長 福寿満希氏、Lond 代表 石田吉信氏の4名が登壇。それぞれの実体験を含めつつ美容業界や美容師一人ひとりができることや配慮したいことについて話し合った。
大川社長と福寿社長は他業界で活躍。
他業界ならではの視点で具体的な取り組み内容やSDGsへの想いを語った。
壇上で情報交換をする場面も。環境問題やLGBT+hQに関する幅広い問題が話題に上がり、意見や共感が飛び交う熱いトークセッションとなった。

左から:Lond 石田吉信氏・大川印刷 大川哲郎氏・LORANS 福寿満希氏・Lond 吉田牧人氏


今回のアワードでは、他業界と比べ“美容業界のSDGsに対する取り組みや意識が遅れている”ことが危惧された。
どのステージも、時代が急速に変化する今だからこそSDGsの知識や理解を深めることへの重要性に気が付き、新しい発見のある内容だった。
まずは、「様々な価値観を持つ人がいるということを意識する」。
一人ひとりがSDGsを少しずつでも“知る”ことで、美容業界はさらなる変化と進化を遂げる。

これからの美容業界に関わるすべての人やモノに期待したい。