アリミノがシコンエキスの新規有効性を確認

株式会社アリミノ(田尾大介社長)が、シコンエキスの肌と毛髪の有効指標化を行い、皮膚のバリア機能亢進に寄与する効果と、皮膚・毛髪のカルボニル化を抑制する効果を見出した。
これにより、肌荒れ防止効果、肌と毛髪の抗老化効果、ダメージ防止効果などが期待できる可能性が示唆された。
研究結果は3月25日〜28日に開催された「日本薬学会 第143回年会」にて発表され、同社は今後のスキンケア製品・ヘアケア製品に活用していく予定とのこと。

シコンエキスとは、ムラサキという植物の根から取れる抽出エキスで、その魅力的な色味から古来より繊維の染色に用いられてきた。また昔から生薬や傷薬などに用いられ創傷治癒効果、殺菌効果等が特に知られているが、化粧品としての有効性報告はほぼなかった。アリミノは「色」を持つ天然成分の情緒的価値と人への有効性に着目して研究を進めていたことからシコンエキスに着目し、新しい有効性の評価を行った。同研究では肌荒れ予防と老化予防の観点から、シコンエクスによる皮膚バリア機能形成能評価と皮膚・毛髪に対する抗酸化作用の評価を実施し、その効果を確認した。

皮膚バリア機能形成能評価ではヒト表皮角化細胞(NHEK)を用いてシコンエキス添加によるバリア機能形成に関連する遺伝子発現量の評価を行い、その結果、シコンエキスの添加による遺伝子発現量が有意に増加し、シコンエキスはバリア機能更新に寄与することが示唆された。

また、加齢や紫外線による酸化ストレスによって生じるタンパク質の変化の一つにカルボニル化がある。カルボニル化は肌では「黄くすみ」の原因となることとして知られ、毛髪では「老化やダメージの指標」として考えられている。同研究では、シコンエキス添加による角質およびタンパク質のカルボニル化の抑制効果を試験しその結果、角層・毛髪どちらにおいてもシコンエキスの添加がカルボニル化の進行を抑制することを確認した。