パーマ剤出荷額が前年比98% わずかに減少

日本パーマネントウェーブ液工業組合が6月19日、第60回通常総会を品川プリンスホテルにて開催した。

同組合は、安全なパーマ剤が提供されるよう情報の収集や共有を行う厚生労働省認可の団体である。総会には、会員であるパーマ剤製造販売業社や原料会社52社が出席した。

田尾大介理事長

田尾大介理事長は、「令和6年の化粧品カール剤を含めたパーマ剤全体としてはわずかにマイナスとなり、出荷額は昨年対比約98%(出荷数量は96%)となった」とコメント。円安や物価高による不安定な経済状況が背景としてあげられた。

◾️カテゴリ別の前年比出荷額出荷数量
チオ系パーマ剤約84%約84%
シス系パーマ剤約89%約87%
縮毛矯正剤約98%約98%
化粧品カール剤約105%約103%

医薬部外品のパーマ剤は昨年対比でマイナスとなったが、依然として化粧品カール剤は増加傾向となった。デザインと傷みにくいパーマの両立を求める市場変化が読み取れる。

続いて、技術委員会より活動報告が行われた。令和4年10月に、システアミン塩酸塩が化粧品基準における医薬品成分に該当することとなったが、同組合が提出した化粧品基準改正要望が認められ、令和6年7月に一部改正が適用となる。システアミン塩酸塩は引き続き「頭髪のみに使用され、洗い流すヘアセット料」に配合できるようになった。

また、現在EUにおいて化学物質の規制が強化されているため、パーマ剤の有効成分として用いられている臭素酸ナトリウムも将来的に規制対象になる可能性があるという。今後も継続的にモニタリングを続け、業界の健全な成長に貢献したいと語った。