
メンズスタイリング剤とサロンの二軸で展開する「LIPPS(リップス)」が5月29日、東京証券取引所グロース市場への上場を発表した。同日に発表された2025年8月期の業績予想では、売上高44億800万円(前年比17.2%増)、営業利益9億1,000万円(同26.4%増)、当期純利益6億2,900万円(同48.7%増)と、いずれも2桁成長を見込む強気の数字が並んだ。なお、上場は6月30日を予定している。
なかでも伸びが顕著なのが商品事業。スタイリング剤やスキンケアなどのOEM製品を中心に、SNSとサロンでの体験価値を軸としたファブレスモデルで販路を拡大。商品売上高は39億7,200万円(前年比20%増)を見込んでおり、全体の約9割を占める主力事業としてさらなる拡大が予想される。
一方で、原点ともいえるサロンフランチャイズ事業は人材流動の影響もあり売上高は4億3,500万円(前年比3.5%減)と微減予想。ただし、年間40万回の来店実績を背景にブランド体験の入口としての戦略的価値は依然として高い。スタイリストの独立支援や技術指導を通じたシステムの構築も継続する。
LIPPSは1999年に竹下通りに1号手店をオープン。リアルなメンズニーズに応えるプロダクトを2006年より投入しブランド力を高め、メンズサロンを東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・宮城に29店舗展開。「Boys, Be Beautiful!」を経営理念に掲げ、メンズビューティーのスタンダードを目指してきた。
公募株数は5万株。106万500株の売り出しがあり、上限16万6500株のオーバーアロットメントによる売り出しを実施する。主幹事は野村證券で、公開価格の決定は6月19日。同社は上場を機に、さらなるブランドの知名度向上と成長を加速させていく考えだ。
※新規上場承認に関する詳細は、日本取引所グループのウェブサイト「新規上場会社情報」参照。