ホーユーが運営するホーユーヘアカラーミュージアム(愛知・名古屋)は、4月30日から8月31日までの期間限定で、企画展「ヘアカラー展 ナゼ染める、ナゼ染まる。」を開催する。ヘアカラーの歴史的背景から、染毛の化学的メカニズム、現代の多様なカラーリング技術までを3ゾーン・9パートで構成し、一般消費者が抱える「ギモン」に対して可視化と体感を通じて解説していく。

同展は、白髪染めを出発点に、ファッションとしてのカラー表現へと発展してきたヘアカラーの文化的進化と技術革新を一望できる内容となっている。「白髪は脱色できない」「色が入らない」など、サロン現場で交わされる言葉が意味する科学的根拠を掘り下げながら、ヘアカラーを“わかる”体験へと導く。
展示ゾーンは「ナゼ染める(歴史)」「ナゼ染まる(仕組み・製品)」「その他」の3つに大別。たとえば「ナゼ染める」では、黒髪文化の美意識や戦後のカラー自由化、自己表現としてのヘアカラーの変遷を、当時のスタイルを再現したウィッグや年表とともに紹介する。「ナゼ染まる」では、毛髪模型や4種に分類した実物のカラー剤展示により、構造的な理解を促す。
発端は、同財団の学芸員がヘアサロンでヘアカラーを予約した際、スタイリストに「白髪は脱色できない」「白髪には色が入らない」と説明され、その意味がわからなかった体験にある。これをきっかけに企画展の構想がスタートし、同じ課題意識をもつホーユーミュージアムと連携して実現に至った。
展示のラストでは、カラー剤の剤型や包装材の実物紹介、Tips集を通して製品との付き合い方にも踏み込む。
“染める自由”と“染めない選択”が共存する今、ヘアカラーの可能性を消費者目線で再定義する試みが始まる。
会場はミュージアム1階の企画展示室。入場無料、予約不要で、月曜・祝日は休館。公益財団法人せたがや文化財団生活工房との共催で実施する。