ロレアル 節水シャワーヘッドを世界展開へ。環境スタートアップを買収
世界最大の化粧品会社ロレアルグループ(本社:パリ)は現地時間 1 月 9 日、水資源の持続可能な利用を促進するウォーターマネジメント関連製品開発のパイオニアであるスイスのGjosaギオサ社の発行済み株式を取得する契約を締結したことを発表した。
本買収は標準的な先行条件に従い、数週間以内に完了する予定だという。
ロレアルグループは、2021 年に自社のコーポレート・ベンチャー・キャピタル・ファンド BOLD (Business Opportunities for L’Oréal Development)を通じ、ギオサ社にマイノリティ投資を行った。
この買収は、水資源管理への包括的かつ科学的根拠に基づいたアプローチ等を通じ、専門家が定義するプラネタリー・バウンダリー(地球の限界)を尊重。ロレアルグループのサステナビリティへのコミットメント「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」を強化するものだ。本買収は、水という貴重な資源を保護しつつ、美を革新して行くためにギオサ社の技術をより多くの人に届けることを目指す。
ロレアルはすでにギオサ社とのパートナーシップを開始しており、2021 年にTIME誌の「今年の発明品ベスト100」に選ばれた、ロレアル プロフェッショナルのプロ用シャワーヘッド「ウォーターセーバー(L’Oréal Water Saver)」を販売している(日本での展開は未定)。
この製品は、特許を取得済である、搭載された水の微細化技術により、ヘアサロンはシャンプー台での水の消費量を最大69%削減。お客に快適かつ、しっかりと洗える体験を提供することができる。
2023年以来、ギオサ社のサステナブルなシャワーヘッドは、ヨーロッパと中東の10,000を超えるへアサロンに展開され、オリンピックサイズのプール72杯分に相当する1億8,200万リットル以上の節水に貢献している。
今後数年間で、世界中の20万軒を超えるサロンにこの展開を継続する計画だ。
【コメント一覧】
◆ロレアルグループ CEO ニコラ・イエロニムス
「ギオサ買収により、新たな処方やビューティーテックの革新に節水技術を統合させ、ロレアル製品とサービスに持続可能性を直接組み込む能力をより強化できます。このパートナーシップを通じ、資源消費を抑えながら、性能も向上させたサステナブルな美のソリューションをより迅速かつ大きな規模で、幅広い利用者にご提供することができます」
◆ギオサ社の共同創設者で取締役会 メンバー アミン・アブドゥラ
「私たちの最も重要なパートナーであるロレアルグループの一員となることは、ウォーターセーバー初期の成功を起点に、新しい使用法やメカニック面の仕様と新しい市場展開を目指すギオサ社にとって、非常に意味のあることです。このパートナーシップは、当初から非常にオープンで協力的なものでした。ロレアルグループの一員となり、新たな一歩を踏み出すことができ、ギオサ社の社員一同、大変嬉しく思っています」
◆ギオサ社CEO ローラン・マンカ
「ロレアルの美の市場におけるリーダーシップと、ギオサ社の中核にある節水技術の専門知識を組み合わせることで、持続可能なビューティーテックのイノベーションをより大きな規模でもたらし、美の業界の変革を推進することができます」