私が清潭洞のトップサロン〈コムナナ〉で学んだこと【美容師の韓国留学】
神戸のヘアサロン「CARE(ケア)」で、韓国風ヘアを武器にする浦島菜月さん。ブームが到来する前から大の韓国好きで、コロナ前は月1のペースで渡韓していたことも。コロナ禍に韓国語を猛勉強したのち、美容留学を決行した彼女は現地で何を学んだのか?
写真提供:浦島菜月(CARE 神戸)/COMMENANA
안녕하세요!(アンニョハセヨ!)
ヘアサロン「ケア(CARE)」の浦島菜月です。
5/28〜7/31まで韓国に渡り、清潭洞(チョンダムドン)にあるトップサロン「コムナナ(COMMENANA)」に留学しています!
元々、ワーキングホリデーで韓国に美容師として留学を予定していたのですが、コロナ禍によりあえなく断念…ㅠㅠ
それでも沸き起こる留学意欲を抑えきれず、「コロナが終息したら必ず留学する!」と心にきめ、自粛期間を活用し韓国語を猛勉強していました。
2023年に入りしばらくするとコロナも収束の兆しが見え、留学計画を立てていたところにちょうど美容師向けの韓国研修ツアーを見つけ、参加することに。
待ちに待った、3カ月の留学が始まりました!
研修ツアーでの出会いが
思わぬ話へと発展
研修ツアーでは韓国を代表するサロンの見学や気鋭サロンの技術セミナー、韓国人美容師との交流など、たくさんの刺激と素敵な出会いに恵まれました。
私がツアーの後も韓国へ残って勉強することを知ると、皆さんとても応援してくださったのが嬉しかったですㅠㅠ
その中には「その熱量に感心した!」とバックアップを申し出てくれる方まで…!
素敵なご縁が発展し、なんと翌週にはコムナナさんとの面談をセッティングいただきました。そこからはトントン拍子でお話が進み、2カ月間働かせてもらえることとなりました。
セレブ街に佇むゆとり空間
〈コムナナ〉
コムナナさんがある清潭洞は高級レストランやブティックが立ち並ぶハイエンドな街で、まさにセレブが集まる場所です。
内装は高級感があり、外にはカフェテラスまであるとても素敵な空間。初めて行ったときの感動は忘れられません。
その中でもコムナナさんはウエディングがとっても有名。ウェディング会社がサロンにドレスを持ってきて新婦さんが着替え、メイク、ヘアセットを同じ場所で行い式場へ向かうという、日本ではあまり見られない光景が日々繰り広げられています。
もちろん、ウェディング以外にもヘア・メイクアップ・ネイルなどもできるトータルビューティサロンです♪
サロンワークは学びの宝庫
営業中はアシスタントのような立場でサロン業務全般のお手伝いをしながら、さまざまな技術を間近で見て勉強させてもらってます。
最初は飛び交う専門用語が理解できず、わからないことだらけでしたがスタッフが良い方たちばかりで優しく教えてくれましたㅠㅠ
文化の違いを最も感じたのは、お客さまとスタッフの関係性。
韓国のお客さまはシャンプー台へ移動する時はズンズンと先に歩いて行っちゃいますし、デザインも気に入らないところがあるとハッキリとデザイナーに伝えます。その代わり日本のように後からクレームや口コミが入ることが少ないなと感じました。
また、他にお客さまがいても手が空いてるスタッフ同士でテラスでお昼ご飯を一緒に食べたり、時にはお客さまともカフェ感覚でテラスでカウンセリングする光景も。
日本の丁寧な声かけやホスピタリティも大切ですが、こういったフラットな関係性も素敵ですね。
韓国、ここがスゴイ
日本スゴイとこも再確認
一番衝撃を受けたのは韓国のパーマ技術!再現力が非常に高く、一言で表すなら「お客さまのあらゆるニーズを全て叶えられる」そんなパーマです☆
例えば、根元パーマしながら中間にストレートをあて、毛先はワンカールデジタルパーマをかける。といった根元から毛先までそれぞれ異なるパーマアプローチをすることで、オーダーメイドのようなパーマを実現しているようです。
パーマのみで2〜3時間の施術時間で、価格帯も45,000円〜です。
韓国のデザイナーさんたちもパーマ技術にかなりの自信を持っているようで、私もこの留学で技術を自分のものにして、日本に持ち帰りたいと思っています♪
反対に、カラー技術はやはり日本の方が優れているらしく、営業後にデザイナーさんから質問攻めに合うことも多々ありましたㅋㅋㅋㅋ
薬剤についても韓国は高価格帯サロンを中心にミルボンや資生堂プロフェッショナルの日本製品が目立つ印象です。
他にも日本はシャンプー技術のレベルが高いという声を多く耳にします。私の印象だと、日本人の持つ丁寧さがシャンプーによく表れているのではないかと思います。
実際にスタッフの方にシャンプーしてみるとみなさんとても喜んでくださいます。チップをいただく機会さえあります♪
デザイナーと二人三脚
韓国ではアシスタントのことをインターン生と呼びます。営業終わりにはそのインターン生と技術共有したりすることも☆
サロンワークではインターン生とデザイナーさんで、まさに二人三脚のような一体感があります。
カットをする際も薬剤を塗布する際も、ドライやコテ巻きの際も全てペアのインターン生が一緒に施術しています。
例えばカットしているとき、ダッカールは使いません。上の写真のように研修生が毛束を持ち上げます。その距離感に私も最初は驚きました。でも見て聞いて、一緒にやりながら学ぶという姿勢がいいなと思いました!
ちなみに予約管理もインターン生の仕事!
インターン生の教育カリキュラムもちょっと特殊で、コムナナのテストは年に2回しか受けることができず、1〜7レベルまでのランクがあります。
テストの内容も、技術はもちろんですが自己ブランディング力を育てる内容が充実しています。YouTubeの動画を作って披露したり、自分がデザイナーになったときのコンセプトをプレゼンテーションするなどなど。
私が実際に見たときは、全店舗のデザイナーが見守る中施術するテストがありました…!
インターン生が全てのテストを合格してデザイナーになるまでには通常5年程かかるそうです。
韓国の教育プランは、“インターン生の時からさまざまな経験を積ませることで、自身で考え、発信する力を身につける”ことに重点を置いているように感じます。
国は違えど根っこは一緒
韓国留学を経てやっぱり思うのは「美容業は素晴らしい」ということ。
美容師はお客さまのニーズを叶えるために毎日努力する、それを買ってお客さまは来店してくださる。そこは世界共通だなと改めて気付かされました。そしてやっぱりどこで美容師をしたとしても学んできた技術は嘘をつきませんね!
また、私は昔から「韓国で美容師がしたい」とずーっと言ってきましたが、熱意をもって、それをうまくプレゼンテーションする大切さをこの留学で感じました。
ただ何となく“したい”と願うのではなく、それを実現させるために何が必要か、何をしなければならないのか、そこを見極めて積極的に行動することが大切だと思います。
私を受け入れてくれたコムナナさんにはとても感謝していますし、快く行かせてくれたCAREの会社や同僚にも感謝してもしきれないほどです。
本当に願い、行動を起こせばそれが叶うことがこの留学を通して実証されて自信につながりました。
もし韓国への留学を考えていて燻っている方がいたら、ぜひ一度飛び込んでみてください。熱意があれば受け止めてくれる、そんな国だと私は思います!
この貴重な体験を胸に、日本に帰ってもいつまでも新しいことに挑戦し続けたいと思います!
- Profile
- 浦島 菜月
CARE 神戸/チーフデザイナー
うらしまなつき/1996年生まれ。美容学校を卒業後、新卒でCAREに入社。学生時代から大の韓国好きで、アシスタント時代から月1のペースで渡韓。デザイナーに昇進した際には社内で韓国スタイルを推進するプロジェクトを発足し、デビュー長後から“本場韓国の女の子みたいなhair”を武器に高い再現性で人気を博す。コロナの自粛期間中に韓国語を勉強し、2023年5月、髪書房・美KAKUが共催すり韓国ツアーを皮切りに韓国への留学を決行。
- Instagram : @nannan_krd
- 執筆者
- 木村 麗音
- Twitter : @kamishobo
- Instagram : @bobstagram_kamishobo