TikTok美容師カウンセリング動画“親近感集客“の極意★TAKUMA[Lapis]

TikTok美容師カウンセリング動画“親近感集客“の極意★TAKUMA[Lapis]

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美容師のSNS集客で、今一番アツいコンテンツといえば「カウンセリング動画」! 美容師にとっては技術とカウンセリングと同時にアピールでき、お客さまにとっても写真や文章ではつかみづらい美容師の人柄や空気感を感じることができます。また、日々のサロンワークの中で撮影をすることができるので、手軽で効果大! マンツーマンサロンで働く美容師さんでも「やってみたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。

今回は、TikTokの「カウンセリング動画」で人気急上昇中🔥Lapis[ラピス/東京・渋谷]のTAKUMAさんにインタビュー! 再生回数の多さもさることながら、TikTokユーザー世代である10〜20代の心をつかむリアルなカウンセリングがとても面白いのです★

TikTok発信の戦略は? 集客の効果は? いろいろお聞きしてみました!

TAKUMA / Lapis[ラピス/東京・渋谷]スタイリスト
Profile
TAKUMA

Lapis[ラピス/東京・渋谷]スタイリスト

1996年5月21日生まれ、千葉県出身。17歳のとき、地元の美容室でのアルバイトを通して美容の道へ。国際総合ビューティカレッジ通信課程で美容師免許を取得。数店舗勤務を経てLapisに入社。同店の強いウリであるデザインカラーとエクステで10代〜20代前半の若い女性の支持を集める。
2021年からTiktokでの発信に戦略的に取り組み、平均数十万回の再生回数を記録。「渋谷のギャルの神様」として、若い世代の変身願望を後押ししている。

2021年1月に「TikTokでバズること」を目標に掲げた!

では、TikTokの取り組みについて質問していきます! 平均数十万回という再生回数で推移していますが、いつごろから 始めて、どんなふうに伸びていったのでしょうか?

TAKUMA

2021年1月です。1年の目標を「TikTokをバズらせること」と決めたんです!

はっきり目標を掲げて戦略的に伸ばして今があるんですね。まず何をされたんですか?

TAKUMA

最初は知識も戦略もなかったので、まずは詳しい人に聞くところから始めました。
TikTokで人気のアイコン的な女の子にモデルとして来てもらい、どんな動画が伸びるとか、音楽や尺など、ノウハウを教えてもらいました。

なるほど、先にバズっている美容師やメイク系など、似たジャンルを分析して…ということではなく、TikTokの戦い方の基本を学んだんですね。

TAKUMA

はい。影響力のある彼女たちの力で数字を伸ばすのも違うと思ったので…
TikTokは特にアルゴリズムの変化が速いので、考え方を理解しないと応用が利かないんです。なので、結果的に良かったと思います!

そこからはどんなふうに伸ばしていきましたか?

TAKUMA

まず、10月くらいまでは音楽に合わせてBefore/Afterを見せる変身動画をやっていました。
意識したのは「物語をつくろう」ということ。1分半のなかに、ヘアカラー塗布、塗りあがり、エクステをつける……といった工程を入れていきました。
でも、だんだんそれだとネタが少ないなと思って、プラスしたのが「難しいヘアチェンジ」に挑戦しました。それが、こちらの動画なんですが↓

▶︎2021年10月13日投稿

@takuma_aka_lapis 歴史的大変身❤️‍🔥必ず最後まで見てね❤️‍🔥❤️‍🔥#ラピスたくま #イメチェン #美容師#エクステ#なかまになりたそうにこちらをみている #ギャル ♬ 勝たんしか症候群 – Takayan

半頭セルフ刈り上げの修復!

右はセミロング、左の耳前が刈り上げというヤンチャな状態に。

これはやばい。

TAKUMA

やばいですよね(笑)
これが、カウンセリング動画になる前の形で初めて100万再生を達成した動画です。

なるほど。でも、実際にちゃんと内容がおもしろいと再生されるんですね。

「見て得する+ちょっと面白い+かわいい」が必勝方程式

そこから「カウンセリング動画」の形になった経緯を教えてください。

TAKUMA

TikTokerの子が「今は声を入れた方がいい」と言っていたんですよ。2021年前半まではTikTokといえば音楽+変化(動き)だったのが、声入りのものが再生されるようになっていきました。

そういえばそうだったかも。最初はダンス動画とか、音声が入っているのはなかったですね。

TAKUMA

それで、美容師さんでも少しずつカウンセリング動画を出している人が出てきていたんですが「つくっている感」があってあまり面白くないかもなと思っていました。
でも、難しい子に特化し始めたおかげで、僕のカウンセリング動画は面白くできると思ったんです。履歴が複雑な子って、カウンセリングで聞くことがたくさんあるじゃないですか。それって「ストーリー」になるな、って!

その形で最初に100万再生を突破したのが、こちらですね。パーマ履歴×縮毛矯正履歴のコンボ客! 履歴を聞き出していくようすがリアルで面白いです。

▶︎2022年3月7日投稿

@takuma_aka_lapis 高校生卒業おめでとうシリーズ第二弾🎉🎉🎊高一から切らせてもらってる子🔥これで制服姿最後かと思うとちょっと寂しいね🥺#ラピスたくま #イメチェン#美容師#エクステ#ギャル#おすすめ ♬ Romance no Kamisama – 広瀬 香美
TAKUMA

ショート動画とはいえ、ただ面白いとかただ映えるだけだと飽きられちゃうと思うんです。ショート動画も”情報が命”! 見て得する情報と、テンポの良さやユーモア、それにフィニッシングがかわいいこと。これがそろうと、安定して見てもらえます!

「美容師さんスゴイ」というコメントがつくのが良いバズり方

カウンセリング動画での人気が安定して1年半くらい。進化させたことはありますか?

TAKUMA

1分半にこだわらず、尺を長めにするようになりました。
たとえばこちら↓は4分以上あるんですが、今年3月にアップしてから、すでに390万回再生されています。情報がおもしろければ、長くても再生されるんですよ。

▶︎2023年3月11日投稿

@takuma_aka_lapis 卒業生シリーズ第三弾❤️‍🔥縮毛履歴は本当に怖いって事がわかる動画😭💦#ラピスたくま #美容師 #エクステ #ギャル #tiktokshortfilm ♬ アドベンチャー – YOASOBI

黒染めと縮毛矯正の難しいお客さま。ブリーチ後の説明もカットせずに見せることで、ストーリーに起伏があるし、美容師としての技術やカウンセリングの腕も光る1本ですね。

TAKUMA

ありがとうございます。それはとても意識してます。
美容師という仕事はあくまで脇役ではあるんですが、TikTokの場合、脇役に徹しすぎてもダメなんです。たとえば、出てくれるモデルさんやお客さまなどがかわいいことで注目され再生されるのは、フォロワーは増えないし、集客にもつながらないんですよ。これって、美容師的に”良いバズ”じゃないと思うんです。

なるほど、そういう視点でも分析してるんですね。じゃあ、逆に”良いバズ”だったと思う動画ってどれですか?

TAKUMA

それはこちらです↓

▶︎2022年3月25日投稿

@takuma_aka_lapis 髪の毛ちぎれすぎちゃって傷めたくないけどギャル色にしたいギャルちゃん❤️‍🔥おけ!お嬢任せろ🔥#ラピスたくま #イメチェン#ギャル#エクステ#美容師#おすすめ ♬ Star Love Ration – Kerakera

ハイダメージだけどハイトーンにしたい、希望もさだまらない……というオーダーに繊細にカウンセリングした動画でした。

TAKUMA

はい。このときは実際カウンセリングで苦労しているんですが、それを「すごい」と褒めてくださるコメントがたくさんついたんです。情報が視聴者に伝わっているんですよね。
ですので、コメントは何百件ついても全部チェックして、反省するようにしてます!

伝えたいポイントが見ている人に伝わったかはコメントで効果測定ができるんですね。それに、ヘアカタログや予約サイト、Instagramなどの写真での集客では、正直いってモデルさんがかわいければ目に留まりやすいという側面もありましたが、動画だと技術やカウンセリング、人柄などの美容師さん本人の魅力が伝えやすそうです。

否定しない!「絡みやすい兄ちゃん」でいることが言いにくいことも伝えられるコツ

最後に、集客のお話をうかがっていきます。集客につながったのはいつごろからで、今はどのくらいTikTokきっかけで来店していますか?

TAKUMA

それもカウンセリング動画に切り替えてからすぐです。月330人くらいの客数のうち、150人くらい新規客で来られて、そのほとんどがTikTokきっかけですね。

最初に来店という形で反響が大きかったのがこちらの動画だそう。

▶︎2021年11月14日投稿

@takuma_aka_lapis エクステつける際は短期的か長期的かがすごく大切❤️‍🔥都内でアイドル頑張ってる子可愛くしたよ❤️‍🔥#ラピスたくま #イメチェン#エクステ#アイドル#おたく #おすすめ ♬ なんでもないよ、 – Macaroni Empitsu

アイドルというお仕事上髪型を変えられないけどエクステをなじませたいお客さま。コメントには、他店でエクステをつけた経験のある人の「元の髪を勝手に切られた」「こういう人につけてほしい」という声で溢れていますね。

元々カウンセリングは得意だったんですか? 10歳近く年が離れた女の子に接するときに気を付けていることも知りたいです。

TAKUMA

元々は少し年上のお姉さん世代をターゲットにしようと思って勉強していたんです。でも、なぜか10代が集まってきました(笑)
おそらく僕自身が絡みやすいからだと思っていて、10代が主要客層になってからは特に意識してますね。いかにアホっぽく見せるか、「イカつめの面白い兄ちゃん」感を出し、壁をなくすのがこだわりです。
10代の子が美容師に求めているのは、うまさよりも絡みやすい、親しみやすいことだと思います。そうすると、できないよ、ダメだよみたいなことも聞いてくれます。

なるほど。具体的には? 「こういうことを言わない」というマイルールとか。

TAKUMA

それはもう、絶対に相手の言うことを否定しないことです。「こういう色にしたい」に対し「無理」ではなくて「めっちゃかわいいけど、現実問題こうだよ」「こう近づけることはできるよ」という提案をします。
でも、相手を否定しないのは、カウンセリングだけじゃなくて人生において気をつけてます

深い。そういった人柄から、10代の子たちにとって「この人は信頼できそう」だとか、言葉や目に見える技術以外の部分も、動画から伝わっているのかもしれないですね。

「TikTokでバズる!」という目標を達成し、たくさんのファン客をつかんだTAKUMAさん。今後の目標を聞かせてください!

TAKUMA

有名になりたいです!今がんばっているのはYouTube。
元々「有名になりたい」と思って、ラッパーか美容師と迷って、音楽が全然ダメなんで美容師になりました(笑)
YouTubeをがんばるために美容師を辞めるか迷ったこともあったんですが、やっぱり美容師の仕事は大好き。
美容師として、業界内でも有名になりたいですし、一般の人にも広く有名な美容師になるのが目標です! それで「美容師ってキラキラしたかっこいい仕事」と思ってもらえるようなアイコンになりたいです。

1996年生まれで、いわゆる「カリスマ美容師ブーム」時代はリアルに知らないTAKUMAさん。そんな彼が、同じくそのころに生まれてもいない女の子たちの信頼と支持を本質的なアプローチで得て、新たなカリスマになりつつあることをとても頼もしく感じました!

ななしま
執筆者
ななしま

直毛一族の末裔。毛髪科学、色彩学、財務が得意です。好きなものは宝塚と世良真純、さらば青春の光。

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