シャンプー&トリートメント部門は「オージュア」が3年連続トップに|ベスト店販2025
編集部では都内90サロンを対象に「2025年に最も売れた店販商品」についてアンケート調査を実施した。今年は計7部門でトップ3と2026年注目のピックアップアイテムを紹介する。今回は「シャンプー・トリートメント」部門の結果発表を行う。
photo:佐野一樹

1位はミルボンのプレミアムブランド『オージュア(Aujua)』が3連覇を達成した。昨年2位だったロレアルプロフェッショナルの『ケラスターゼ(KERASTASE)』は今回ランク外となり、昨年3位のホーユープロフェッショナル『バイカルテ(BYKARTE)』が2位へ順位を上げた。3位にはウエラプロフェッショナルの『システムプロフェッショナル(System Professional)』がランクインし、上位には実績あるブランドが引き続き名を連ねた。
以下に人気の理由やサロンの取り組み、編集部が注目するピックアップ製品を紹介する。なお、プライベートブランドは対象外とし、価格は編集部調べ。

アルティール シャンプー
アルティール ヘアトリートメント

オージュアのなかでも最も票を集めたのが、2025年2月に発売した“アルティール(ALTIELL)”だ。主にカラーデザインを楽しむ大人女性に向けたヘアケアラインとして、エイジングとブリーチダメージによる保湿力の低下に着目。毛髪のケラチンタンパク質に近い構造で保湿力の高いMOIST-CMADK(毛髪補修成分)を共通成分の一つとして配合し、根元から毛先まで芯のあるやわらかい質感へ導く。
アンケートでは、「ブリーチや白髪ぼかし、縮毛矯正など、さまざまな施術によるダメージを抱える顧客が増え、そうした層から支持を集めた」「ダメージ補修力が高いのに重くなりすぎず、商品の持ち帰りが負担になる顧客にもECを通して購入してもらえた」などダメージ毛への対応力に加え、ミルボン公式オンラインストアーズ「milbon:iD」の活用も評価の要因となった。

リペアシャンプー CH+
セラムトリートメント MS+

昨年から順位を上げたバイカルテ。髪の主要成分のシスチンを配合した独自処方のサロントリートメントと連動したホームケア「リペアシャンプーCH+」と「セラムトリートメント MS+」が今年も支持を集めた。アンケートでは、「シャンプー後もきしまず、抜群の手触りに仕上がる」「シャンプーだけでもサラサラになる、匂いもいい」といった回答が多かった。SNSで紹介する芸能人も多く、指名買いも多いようだ。

リュクス ケラチン プロテクト シャンプー
リュクス ケラチン コンディショニング クリーム

昨年トップ3を逃し、ピックアップアイテムとして紹介した「リュクスライン」が今年ついにランクイン。毛髪保護成分として4種類の天然オイルとシアバター(シア脂)をブレンドし、さらにスキンケアにも使われる植物由来のスクワランを配合したオイルケアライン。髪にうるおいとツヤを与え、しなやかで美しい仕上がりをサポートする。アンケートでは「ブリーチ毛と相性がよく、サロンで取り組んだセット販売も好評だった」「重くならないリッチな質感で、顧客の美意識が一段上がった」と前年から評価を上げた。

つるりんちょ。
髪にドラマを。

ピックアップは、ここ数年SNSを中心に注目を集めている「つるりんちょ」。熱ダメージに着目し、ホームケア用として低濃度のレブリン酸を配合。縮毛矯正やアイロン施術など、熱処理メニュー後の毛髪内部の結合にアプローチし、質感の安定をサポートする。
開発を手掛けたのは大阪の髪質改善サロン「BISCO hair(ビスコ ヘアー)」。昨年にはへアケアメーカー「髪にドラマを。」として製造工場をM&Aし、生産体制を内製化。現場の声をスピーディに製品改良へ反映できる点も、サロン発ブランドならではの強みだ。12月からはテレビCMやタクシー広告もスタートし、一段と存在感を高めている。

「定番」が支えるシャンプー部門
その外で進むヘアケアの価値転換
ここ数年、シャンプー部門は「オージュア」を軸に定番ブランドが依然として強い。一方で、一般のヘアケア市場ではここ数年、高価格帯ヘアケア(1400円以上)に勢いがある。これまで「Essential(エッセンシャル)」などリーズナブルなブランドが中心だった大手の花王も参入し、2024年に「melt(メルト)」、同年に「THE ANSWER(ジアンサー)」、2025年には「MEMEME(ミーミーミー)」を発売している。
なかでも特徴的だったのは、開発の仕方をこれまでと大きく変え、機能ではなく“感情”を軸にブランドを設計したことだ。エネルギー、つながり、安心感といった情緒を色で整理し、それぞれにブランドを割り当てた。「melt」は優しさ・安心感のブラウン。「THE ANSWER」はこだわりや調和のブルー。「MEMEME」は躍動的でエネルギッシュなレッドに位置付け、既存ラインも刷新。「Essential」の広告にはNewJeansを起用するなど、ポップアップやキャンペーンを通じてブランドイメージの浸透を図り成長を続けている。
ヘアサロンの店販でも、スタイリング剤を中心にサロンの世界観の延長として提案するケースが増えている。髪質やダメージ、ライフスタイルに合わせた機能面での納得感に、デザインやブランドイメージの一体感が加わることで、一般市場で進む“感情に訴えるアプローチ”のような、店販の新たな広がり方も見えてきそうだ。
- 執筆者
- 木村 麗音
- Twitter : @kamishobo
- Instagram : @bobstagram_kamishobo
