MIRARERUプロジェクト2025「人生に寄り添う美容を本気で考える日」開催レポート

MIRARERUプロジェクト2025「人生に寄り添う美容を本気で考える日」開催レポート

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目先ではなく、俯瞰で美容師の本質について考える。
500名以上の美容師、美容関係者が来場

日々のサロンワークの慌ただしさに忙殺される中、「どうして美容師を選んだのか?」「将来どうなりたいのか?」と立ち止まって考えられる美容師は意外と少ないのではないだろうか?

(株)リーディアルでは今年11月10日、MIRARERUプロジェクト2025「人生に寄り添う美容を本気で考える日」を大阪・梅田サウスホールにて開催した。同イベントの特徴は、美容師の本質や未来について考えるきっかけとなるコンテンツが多数用意されていること。

4回目となる今回のサブテーマは「10年後の美容の未来を考える」。会場内には関西の美容業界の未来をパネル展示するなど、趣向を凝らした演出が目立った。

上記は過去4回のMIRARERU projectのテーマ変遷。「人生に寄り添う美容を本気で考える日」という主題は変わらないものの、2023年は過去への原点回帰、2024年は現在、2025年が10年後の未来と、時間軸を変えた構成となっている。

大ホールで行われるメーカー出展には過去最大の40社が参加。中には技術教育に活用されているVRゴーグルを装着する来場者の姿も。

大ホールではルトーア東亜美容専門学校の学生40名による「10年後の自分に向けたメッセージ」をパネルにして展示。

行政などが発表した資料をもとに、AIを活用して予測した10年後の関西の美容業界の未来をパネル展示。198万人の人口減などインパクトのある数字に多くの来場者が足を止めた。

2023年開催時に会場内で書いてもらった「美容師になろうと思った理由」をパネルにして展示。今回のテーマ「10年後の美容の未来を考える」と対になるメッセージを伝えた。

「イベントを通じて、美容師の仕事の素晴らしさについてじっくり考えてもらうきっかけになってほしい」。こう語るのは実行委員長を務めた長谷川健太さん。

実は僕は美容ディーラーに転職する前は葬儀社に勤めていたんです。葬儀の場でも亡くなられた故人にメイクしたり、髪の毛を整えてあげたりする際に美容師さんが来られることもありました。ただ、この業界に来て美容師さんと深く関わってみると、赤ちゃん筆用のカットから始まって、七五三、成人式、結婚式、そして訪問美容、これだけ一人の人生に深く関われる職業って他にないんじゃないかと思ったんです。

50代以上の美容師さんは、こうした魅力を実感している方が多いのですが、若い美容師さんは給与や待遇に目が行ってしまい、離職率も高いのが実情です。そこで、美容師さんの仕事の素晴らしさを一番近くにいるディーラーの立場から発信することに意義があると思い、「人生に寄り添う美容を本気で考える日」というイベントタイトルにしました。

ありがたいことに来場者へのアンケートでも98.5%の方が「満足」と回答されるなど、大変好評をいただいております。お堅いイベントと思われるかもしれませんが、日々の仕事に忙殺される中で、この日だけはふと立ち止まって考えてもらえるきっかけになればいいなと思っています。

2019年までは一般の方に向けた「ハレプロジェクト」というイベントを行っていましたが、コロナ禍を経て“美容師さんとお客さまとの関係性の親密度”がより重要になってくると思い、2022年に美容師さんに焦点を当てた「MIRARERU projecr」としてリスタートしました。

70数年の歴史がある弊社が常々大事にしているのは、市場の約8割を占める1人や2人で営業しているサロンさんをしっかりフォローしていくこと。こうしたサロンさんの中には、賃金上昇や待遇改善など世間の動きに敏感じゃない方もいらっしゃるので、このイベントを通じて私たちの考え方や業界の動きを知っていただくというのが大きな目的になります。

今、業界全体では店販や髪質改善メニューによる単価アップの必要性が叫ばれています。もちろん、生産性向上は大事なことですが、この業界はやっぱり経済性と合理性では測れない側面がどうしてもあるじゃないですか?ですから、弊社としてはあくまでも美容師さんの本質的なところにフォーカスし、その中で何をサポートできるのか?を考えていきたいと思っています。

約500名の美容師が自分たちが選んだ仕事について振り返り、未来に想いを馳せる貴重な1日となった。

ボブログ編集部
執筆者
ボブログ編集部

成長し続ける美容師のための髪書房ウェブメディア『ボブログ』。これまでにないスピードで変革する時代に必要な情報【パラダイムシフトの芽】をいち早く見つけ、掘り下げ、新しい常識を提案します。

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