「ECILA」発売から2年。導入サロンのリアルが示す、次世代ミラーの本質

「ECILA」発売から2年。導入サロンのリアルが示す、次世代ミラーの本質

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photo_吉楽洋平

タカラベルモントが2023年に発売した、次世代型スマートデバイスミラー『ECILA(エシラ)』。セット面のミラーにデジタル技術を組み合わせたことで、 顧客の悩みや好みに連動した情報を表示したり、カルテに情報を自動連携することでサロン体験を自宅につなげたりと、これまでのサロン体験をアップデートできるようになった。

リリースから2年が経ち、導入したサロンでどんな変化が起きているか、その実態が見えるようになってきた。今回は、ECILAを通じてサロンの課題解決をサポートするECILA推進室のメンバーとともに、導入サロンのリアルをたどりながらECILAの本質に迫っていく。

(右)宮川 淳(みやかわ・じゅん)/タカラベルモント ECILA推進室 室長
(左)高橋蘭丸(たかはし・らんまる)/タカラベルモント ECILA推進室

──さまざまな機能を搭載しているECILAですが、一言で表すとしたらどんなデバイスですか?

宮川さん

ECILAは、「お客さまが通い続けたくなる仕組み」をつくるためのデバイスです。搭載されたAIやテクノロジーのすべてが、その仕組みを構築するために設計されています。

もう少し分かりやすくいうと、理美容師さまとお客さまの関係をつなぎ続ける “パートナー”ですね。

──代表的な特徴・機能についても教えてください

宮川さん

来店前・施術中・退店後のあらゆる場面で、お客さまとのつながりを強化する4つの機能があります。

顧客に来店前にスマートフォン上で11の質問に回答してもらうことで、スタイルの希望や髪の悩み、ファッション、ライフスタイルの傾向を事前に把握することができる。来店後は、その内容がミラー上部に表示されるため、顧客の理解をより深めたうえでカウンセリングをスタートでき、寄り添った提案につなげられる。
取り外し可能な専用カメラで顧客の顔を撮影すると、AIが約70か所の特徴を解析。骨格やパーツバランスに基づいて、似合うスタイルがミラーに自動で表示される。好みの傾向や似合わせを、感覚ではなくデータにもとづいて提案できる。分析結果を共有しながら進めることで、顧客との信頼関係も深まる。
ミラー下部には、店販商品や追加メニュー、サロンからのお知らせなど、伝えたい情報を自由に掲出できる。ホームカウンセリングで把握した悩みに合わせて施術中や待ち時間にさりげなく情報を伝えられる。忙しいときや提案のしにくい場面でも、顧客の悩みに沿った情報が会話のきっかけをつくる。
仕上げ後に撮影したスタイルは、「お客様マイページ」に自動保存。スタイリング動画やバナー情報も記録でき、マイページ上でスタイリング動画を見返しながら、自宅で再現することも可能。また、ECILAのミラーに表示されていたバナーはマイページに自動連携されるため、バナーにECサイトへのリンクを設定することも可能。退店後のフォローが届くことで顧客とのつながりも強まる。

──4つの機能を見ると、来店前から来店後まで顧客への理解や提案をさらに深め、次回来店までの流れをサポートしていることがわかります。では、なぜECILAは「通い続けたくなる仕組み」にこだわるのでしょうか?

宮川さん

日本の人口減少は、サロンのカルテ客数や新規客数にも大きく影響し、年々減少傾向にあります。一方で総売上は増加傾向にあり、年間支払額10万円以上のロイヤルカスタマー比率の上昇と、それにともなう客単価の伸びがプラスに働いています。

宮川さん

人口減少が今後より一層進むことが見えている状況下では「新規を増やす」以上に、既存のお客さまの体験価値や満足度を高めていく=お客さまが通い続けたくなるサロンづくりというのが安定したサロン経営には欠かせません。たとえ年間10万円には届かなくても、継続来店するお客さまが増えれば売上は安定し、スタッフさまの休暇の取りやすさや満足度、サービス品質にも好循環が生まれると考えています。

来店前〜退店後まで、理美容師さまと二人三脚で満足度を高め、失客を防ぎ「また来たい」と思っていただける長期的な関係(≒ロイヤルカスタマー化)を目指す。それを叶えることこそが、ECILAの使命だと考えています。

──ECILAの特長が見えてきたところで、ここからは実際のECILAの実態にも迫りたいと思います。まず、導入の目的としてどんな声が多いのでしょうか?

宮川さん

ここからは、ECILAを導入いただいたサロンさまへ行ったアンケートをベースにお話ししますね。

導入目的の上位には、サービス・カウンセリング強化からサロンブランディングなど、顧客満足のアップを期待するような項目が並びました。

高橋さん

実際にどのサロンさまと話しても「どうすれば、よりお客さまにとって特別な存在になれるか」を真剣に考えていて、データと近い傾向を感じます。

固定客の多いサロンさまでは、長く通っても飽きさせない店づくりを意識したり、競合エリアではブランディングや差別化につながる要素を探されていたり。背景は違っても、目指している方向は共通している印象です。

宮川さん

次に、導入後に実際に得られた実感です。1〜3位は順位の変動はあるものの同じ項目が並び、目的通りの効果実感をある程度得られていると感じている結果となっています。一方で、最も大きな変化があったのが「来店中以外のお客さまとの接点強化(9.1%→18.2%)」です。ECILAを通じて、来店の前後にもお客さまとのつながりを実感いただいているのだと思います。

──サロンへの導入サポートなども行う高橋さんにも、現場の声を聞きたいと思います。導入後の実感として、どのような声が多いですか?

高橋さん

サロンが密集するエリアではブランディング目的の導入も増えていますが、共通して多いのは「カウンセリングの質を上げたい」という思いです。発売当初は若手スタイリストの売上支援を目的とした活用が中心でしたが、2年が経った今では、ママスタッフさまが働きやすい環境づくりや、生産性を高める店づくりに役立っているという声も寄せられるようになりました。

商品や薬剤のクオリティが高くなった今、差が出るのは要望のくみ取り方や似合わせの的確さ。仕上がりだけでなく、カウンセリングそのものが満足度を左右する時代に、その精度を高めたいサロンさまが増えています。また、ECILAはカウンセリング内容やスタイル情報をカルテに記録できるため、担当が変わっても引き継ぎがしやすく、産休・育休といったライフイベントの場面でも失客しにくいという声をよくいただいています。

──導入サロンでは、客単価・メニュー比率・店販売上にはどういった変化が見えてきましたか?

宮川さん

導入前後で比較すると、総客単価が500円、技術単価も400円以上アップしています。特に大きかったのが店販単価で、1,000円以上も伸びており、これは、ECILAの機能のなかでも評価をいただいているバナー機能などが、提案機会の向上に貢献できているからと思っています。

宮川さん

また、メニュー比率でもトリートメントとスパが導入店では大きく伸びています。ECILAが髪や頭皮の悩みを具体的に引き出すため、より的確な提案ができるようになった結果、メニューの追加につながっていると捉えています。

──ECILAは「通い続けたくなる仕組み」をつくるものだと伺いましたが、リピート率などにも変化はみられるのでしょうか?

宮川さん

リピート率の推移を2022年と2025年で比較すると、ECILA導入店はすべてのステップで上昇しています。

なかでも「新規の再来(1→2回)」の伸び幅は+3.2%と、ECILA導入サロンでは、新規の失客を未導入店より防ぎやすい傾向がはっきりしています。

────ここからは、導入前後のサロンの声をもとに、リアルな実感にも触れていきます。ECILA導入前によくある悩みには、どんなものがありますか?

高橋さん

導入台数はみなさん良く悩まれますね。基本的には、サロンの平均入客数に合わせた台数を推奨しています。たとえば6面のサロンさまで、同じ時間帯に平均4名入客しているのであれば4台、といったイメージです。

理由は、台数が増えるほどカウンセリングから提案、アフターフォローまでをスタッフさま全員が同じルールで運用できるためです。ECILAを軸にオペレーションが仕組み化され、成果にも結びつきやすくなります。

高橋さん

実際に、導入前は「まずはカウンセリングだけで使いたい」というご相談から始まったサロンさまもありました。ただヒアリングを重ねるなかで、店販や単価アップといった本来の目的が見えてきて「施術中のバナー機能が活かせないのはもったいない」という話に。結果としてカウンセリングブースのみの想定がスタイリスト人数分の導入に切り替わり、導入後はスタッフさまが成果を実感している機能としてバナーが挙がっています。

もちろん、少数台数での活用で結果を出しているサロンさまもいます。先ほどのご相談のようにカウンセリング専用として活用したり、伸ばしたい若手スタッフさま中心に使うようにしたり。使う場面や目的を明確にすることで十分成果につなげているケースもあり、少数導入時の運用についてもサポートさせていただいています。そのため、サロンさまそれぞれの解決したい課題や使い方に応じて最適な台数があると思うので、お気軽にご相談いただければと思います。

──売上やリピート率といったデータも大切ですが、実際に働くスタイリストにも効果は実感してもらえているのでしょうか?

宮川さん

効果実感や満足度についても調査していますが、導入台数が多いサロンさま(50%以上)ほど手応えを感じていただきやすく、「効果を感じる」と答えたのは6割以上、「スタッフ満足度」も8割を超えています。理由は単にECILAを使う場面が多いからではなく、“どんな効果を実感しているのか”に違いがあるためだと考えています。

導入台数50%以上では、導入目的にも挙がっていたカウンセリング強化(1位)に加え、リピート率・店販売上・メニュー複合率(3〜5位)など、 数字に表れる成果で変化を実感するスタッフさまが増えています。この違いが、そのまま満足度の高さと導入効果への納得感につながっていると考えています。

高橋さん

「お客さまのことを、これまで以上に深く知れるようになった」という声もよくいただきます。インテリアの好みやライフスタイルの回答から意外な一面が見えたり、「いつもと一緒」と言っていた方が実はスタイルチェンジを考えていたり。

言葉だけでは拾いきれなかった部分が可視化されることで、提案の幅だけでなくスタッフさま自身のモチベーションも上がります。知らなかったことを知れた、関係性が深まったという実感が増えることで、隠れたニーズにも気づきやすくなるのも、大きな価値だと思います。

──「お客さまのことをもっと知れた」というのはシンプルに嬉しいですよね。デジタルデバイスって聞くだけで難しそうというイメージもありますが、サポートはどのようにしているのですか?

高橋さん

ECILAには20ほどの機能がありますが、すべてを一度に使いこなす必要はありません。サロンごとの課題に合わせて最初は触れる機能を絞り、無理なくオペレーションに落とし込めるよう私たちが伴走します。

それに実際に使い始めると「思っていたよりずっと楽だった」という声がほとんどです。初回は会員登録や撮影など負担に感じる方もいますが、それを越えると2回目以降は一気にスムーズになり、先ほどの効果実感とも相まってモチベーションを保ちやすくなります。

──最後に、今後のアップデートや展望について教えてください

宮川さん

いま特に注目しているのは、ミラーの前で生まれる“会話”です。セット面での何気ない会話に含まれる、次の提案につながるヒントを自動で残し、お客さまの体験価値につなげられる機能を検討しています。

こうしたアップデートも重ね、ECILAは「お客さまが通い続けたくなる仕組み」をサロンさまとともにつくり、私たちはその実現に向けてサロンさまと伴走します。気になった方は、ぜひショールームで体験してみてください。

人口減少で新規客が取りづらい時代。ECILAが映し出すのは、来店前〜退店後を通して体験価値を高め、信頼関係を深めていくサロンづくりだ。日々のオペレーションを仕組み化し、顧客とスタッフ双方の満足度を上げる“パートナー”としてサロンを支えていく。以下のリンクからショールームを予約して体験してほしい。

木村 麗音
執筆者
木村 麗音

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